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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!

Wednesday, December 30, 2009

『精神』の自主上映について

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『精神』の自主上映について
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『精神』は、自主上映会への貸し出しも行っております。
地域や学校のイベントで『精神』の上映会を開催しませんか?
実施をご希望される方はお気軽に下記、アステアまで、お問合せ下さい。
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〒150-0042
東京都渋谷区宇田川町42-3 T&Kビル4F
TEL. 03-5459-1173
FAX. 03-5459-1174
E-mail. info@astaire.co.jp
--------------

自主上映の流れや時期について、作品についてなどなど、
ぜひお気軽にお電話・メールにてご相談ください。

Tuesday, December 15, 2009

『社会福祉セミナー』に番組抄録


NHK出版『社会福祉セミナー』(09年12月−10年3月)に教育テレビ『福祉ネットワーク:「精神」を撮る』の番組抄録が掲載されています。

https://www.nhk-book.co.jp/shop/main.jsp?trxID=0130&webCode=69107162009

Friday, December 11, 2009

『キネマ旬報』12月下旬号に寄稿


雑誌『キネマ旬報』12月下旬号に、自分の方法論についての文章を書きました。「ドキュメンタリー、ドキュメンタリー作家の多様性」と題する特集の一環です。

http://www.kinejun.com/kinema/index.html

以下は、本稿の出だし部分の抜粋です。

 「観察映画シリーズ」と銘打って、ドキュメンタリー映画を作っている。これまでに、選挙運動を観察した『選挙』(07年公開、観察映画第一弾)と、精神科診療所の世界を描いた『精神』(09年公開、同第二弾)を発表した。現在、平田オリザ氏と青年団を被写体にした『演劇(仮題)』(同第三弾)を製作中である。
 観察映画の方法論的特徴として、撮影する前にテーマ設定をしないことが挙げられる。リサーチを最小限にとどめ、構成台本も書かず、目の前の現実をつぶさに観察しながら、行き当たりばったりで撮影をする。事前にいろいろ決めると、それが先入観や足枷となって、予定調和的な作品になってしまうからである。編集の際にも、先にテーマを決めない。映像素材を何度も観察し、試行錯誤を繰り返しながら、自らの視点を定めて行く。そして、その結果を映画にしていく。

酔いが醒める

ノーベル平和賞の演説で、受賞者が必ずしも平和の担い手ではないことを認識させられるとは、全く皮肉なものである。

前任者があまりにも酷かったので、僕はオバマ氏に過大な期待を抱いていたのかもしれない。さっと酔いが醒めた。

そういえば、オバマ氏は選挙戦中から、イラク戦争は否定するけどアフガン戦争は肯定していた。氏の主張は最初から一貫していたのであり、それを勝手に直視しないようにしていたのは、僕の方だったのかもしれない。世界最強の権力者の意図と行動を、もっとクリティカルに冷静に観ないといけない。

日本の新政権に対しても同じことがいえる。僕も含めた多くの日本人は、民主党政権に対して大きな期待を抱くがために、彼らの不祥事や欠陥に対して目をつぶろうとしていないか?

オバマ氏、戦争の正当性強調
【オスロ時事】2009年のノーベル平和賞授賞式が10日午後(日本時間同日夜)、ノルウェーのオスロ市庁舎で開かれ、「核兵器なき世界」の理念追求や米外交の変革を評価されたオバマ米大統領が、同賞を正式に受賞した。大統領は記念演説で「深い感謝と大いなる謙虚の念」を表す一方、アフガニスタン戦争など自衛や人道目的の武力行使を正当化、国際社会の平和と安定の達成を主導していく決意を表明した。
現職の米大統領がノーベル平和賞を授与されたのは、1906年のセオドア・ルーズベルト、19年のウッドロー・ウィルソンに続き90年ぶり3人目。イラクとアフガニスタンで戦争を進める「戦時」大統領でありながら、約9カ月という最短在任期間で受賞した点でも極めて異例で、論議を呼ぶ平和賞となった。
オバマ大統領は演説で「二つの戦争のさなかにある国家の最高司令官」として、「世界に悪は存在する。時に武力は必要だ」と指摘。平和維持における戦争の役割を認識した上で、「世界の安全保障に対する米国の決意が揺らぐことはない」と宣言した。また、「米国単独では行動できない」として、アフガン戦争に対する国際社会の支持と貢献を求めた。
一方、「核兵器なき世界」の実現追求と核不拡散の取り組みの緊急性を強調。米国が核軍縮を先導することを約束する一方、イランや北朝鮮のような国が不拡散体制を欺くことのないよう国際社会に対処を訴えた。さらに、スーダン・ダルフールの虐殺やミャンマーの抑圧には「相応の結果を伴わなければならない」と警告。イランの民主化弾圧も非難した。

Thursday, December 10, 2009

Tuesday, December 08, 2009

『母の友』にエッセイ連載開始


雑誌『母の友』09年1月号に「風景が変わるとき」と題した短いエッセイを書きました。連載第1回目(全3回)です。

http://www.fukuinkan.co.jp/detail_page/haha201001.html

Monday, December 07, 2009

2009年の映画3本に入る!

尊敬する映画評論家の佐藤忠男氏が、2009年の映画3本に『精神』を選んでくださいました!
http://www.asahi.com/showbiz/movie/TKY200912070105.html

毎日新聞の「映画:この1年」でも触れていただきました。
http://mainichi.jp/enta/cinema/news/20091201dde012200007000c.html

事業仕分けに異議あり

音楽関係者8人が仕分けに反論(毎日新聞)
http://mainichi.jp/enta/art/news/20091208k0000m040021000c.html
 政府の行政刷新会議の事業仕分けに対し、クラシック音楽関係者8人が7日、東京都内で記者会見して「緊急アピール」を行った。「友愛の精神は芸術から」と銘打って、「明確な文化立国のビジョンを示さないまま(日本芸術文化振興会の予算などを)大幅に縮減したことを危惧(きぐ)する」などとしている。
 ピアニストの中村紘子さんは「芸術文化は人間そのものを育てること。人間を育てるには時間がかかる。1、2年で効果が出るものとは違う」。指揮者の外山雄三さんは「少しずつ我慢してなんとかなるなら我慢したいが、オーケストラはもう限界」と述べ、作曲家の三枝成彰さんは「助成が削減されると、地方のオーケストラは存在できなくなる可能性がある。そういう意味がわかっていたのか、非常に疑問を感じる」と語った。【油井雅和】


音楽家たちが声を上げたのに関連して、事業仕分けの人選と方法について根本的な疑問を呈したい。

まず、何が無駄で、何が無駄でないかを判断するためには、その分野についての造詣と理解(=リテラシー)が絶対に必要だ。例えば、僕には医療についてのリテラシーはないから、どの研究が必要で、不必要なのか、全く判断できない。知識がなければ、価値判断はできない。当たり前だ。

ところが、この事業仕分けでは、どのように選ばれたのかもよく分からない仕分け人たちが、彼らの専門分野とは関係なく、バッサバッサと予算を削りまくっている。それがどんなに恐ろしい暴挙なのか。その魔の手が芸術・文化予算に及ぶまで、僕は恥ずかしながらよく認識していなかった。芸術・文化以外に、僕にリテラシーがないからだ。

けれども、芸術分野の仕分け結果や仕分け人のコメントを読むと、彼らにこの分野についてあれこれいう資格がないことは明らかだ。第一、仕分け人には芸術家がひとりも混じっていない。平田オリザ氏の『芸術立国論』を読んだ人がいるとも思えない。正直言って、音楽も演劇も絵画も映画もほとんど鑑賞しない人たちが、芸術なんて所詮無駄なんだよという先入観とルサンチマンに任せて、感情的に削減したとしか思えないのである。
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaikei/sassin/1286925.htm

積み上げるのに何十年かかっても、それを壊すのには一瞬しかかからない。それがいま起きようとしている。

そして、芸術分野がこの有様なら、たぶん他分野にも同じことが言えるのだろう。つまり、事業仕分け全体に対して、根本的な不信感を抱かざるを得ない。立花隆氏が科学技術予算の削減について「仕分け人は野蛮人。日本を潰す気か」と怒りの記者会見を開いていたが、全く同じ思いである。

「無駄を切る」というキャッチフレーズに、日本国民は騙されている。

無駄を切ることが必要なのは当たり前だ。大事なのは、何が無駄で何が無駄でないのかを見極める力とシステムだ。事業仕分けをするなら、専門分野ごとにその道のエキスパートを集め、その中で侃々諤々の十分な議論をすべきであり、今回のような人民裁判のごときプロセスは百害あって一利無しである。

Tuesday, December 01, 2009

WAMに寄稿

福祉医療機構が発行している「WAM」という雑誌(09年12月号)に、短いエッセイを寄稿しました。
http://www.wam.go.jp/wam/sitemap/index.html

Sunday, November 22, 2009

Asia Pacific Screen Awards

Today, I'm flying to Gold Coast, Australia to attend the Asia Pacific Screen Awards ceremony on Nov 26th. MENTAL is one of the 5 films nominated for the best documentary award. Wish me lots of luck!

26日に開かれる「アジア太平洋映画賞」の受賞式へ出席するため、今日、オーストラリアのゴールド・コーストへ発ちます。『精神』が、最優秀ドキュメンタリー賞にノミネートされています。

http://www.asiapacificscreenawards.com/

Saturday, November 14, 2009

CAMPAIGN at Brown University

On Monday, Nov 16th, I'm planning to visit Brown University to show 52 minute version of CAMPAIGN and to speak as a guest lecturer. The event will be co-hosted by Brown University's Japanese Cultural Association, Political Science DUG (Department of Undergraduate Group), and Modern Culture & Media DUG. See you there!

お知らせです。11/6(月)は、『選挙』(52分版)を上映して特別講義を行うため、ブラウン大学へ行きます。同大学の日本文化協会、政治学研究会、現代文化とメディア研究会による主催です。

Monday, Nov 16th
4 pm in Smith-Buanano 106
Brown University

Wednesday, November 11, 2009

武蔵野市で自主上映会

お知らせです。武蔵野市で、『精神』の自主上映会をしてくださるそうです。ぜひご覧下さいませ〜。

ーーー

ボラステ・シネサロンvol.19
ドキュメンタリー映画「精神」上映会

日時:11月13日(金) 開場18:30 上映19:00〜21:15
会場:武蔵野公会堂パープルホール JR中央線・京王井の頭線「吉祥寺駅」
公園口(南口)下車徒歩2分
武蔵野市吉祥寺南町1-6-22 TEL:0422−46−5121
http://www.musashino-culture.or.jp/koukaido/index.html

チケット料金:一般1200円
       シニア・障碍者・学生1000円
       中学生以下と障碍者の介助者500円
*未就学児の入場はご遠慮願います。
チケット販売は当日18時半から行います。

主催・問合せ:ボランティアステーション TEL・FAX 0422-28-7728
電話受付:平日13時〜18時
メール vs@vstation.gr.jp

Saturday, November 07, 2009

甘く苦い作業

遅まきながら、観察映画第3弾となる『演劇(仮題)』の映像素材を編集機に取り込む作業を始めた(これをキャプチャーという)。リアルタイムで取り込みながら映像を観て、内容を書き出して行く(これをロギングという)。

全部で約310時間も撮ってしまったので、1日7〜8時間作業しても、1か月以上かかる計算である。『選挙』は60時間、『精神』は70時間しか回らなかった。今回はなんでこんなに撮っちゃったんだろうと、自分に呆れながら作業を続けている。

撮った映像を観るのはいつも、苦く甘い経験である。撮影時には気付かなかった思わぬ発見があって嬉しくなったり、決定的瞬間にカメラがしくじっているのを目の当たりにしたり。

これが別のカメラマンが撮った映像なら、下手クソなカメラワークに「あいつ何やってんだ!チッ」と舌打ちして発散できるのであるが、僕の場合自分で回してるから怒りをぶつける場所に困る。

実際、「何を考えていまパン(カメラを水平にふること)をしたんだ、お前はアホか?」と、そのときの自分の行動が今から観れば全く信じがたく、他人がやったポカのように感じることがある。ホントに不思議だ。そのくせ、絶妙なカメラワークを観たときは「俺、天才かも」とかつぶやいたりするのだから、我ながらゲンキンなものである。

Sunday, November 01, 2009

農耕民族な私

昨晩、久々にNYに戻って来た。いろいろと用事が増えて延長に延長が重なり、2か月近く留守にした。

その間、日本を起点にしてバンコク、ロンドン、ゲント(ベルギー)、パジュ(韓国)に行った。日本では短編の撮影を行った。

周りには移動が全然平気な、もしくは移動してないと生き生きできない遊牧民族型の人もいるんだけど、僕の身体には農耕民族の血が流れているのか、移動の生活が長く続くと、精神的にも肉体的にも疲れる。今回も疲れた〜。

Saturday, October 24, 2009

韓国にて

韓国のパジュ市で開かれている、第1回非武装地帯韓国ドキュメンタリー映画祭(DMZ Docs) に来ている。パジュ市は北朝鮮との軍事境界線に接し、それに沿った非武装地帯も市の領域に掛かっている。そういう同市で、平和や紛争に関したドキュメンタリー映画を集め、上映しようというのが映画祭の趣旨である。

そこにどうして僕が来ているかというと、映画祭から依頼を受けて、「平和と共存」をテーマとした短編ドキュメンタリー映画を作ることになったからである。僕を含めて4人のアジア人ドキュメンタリー映画作家が選ばれた。それぞれ15分〜20分の作品を創り、最後にまとめてオムニバスにして、来年の第2回映画祭で上映する。昨日は製作記者会見を行った。

僕は最初にテーマを決めてから映画を撮らないようにしているので、まずテーマありきの同企画には乗り気ではなかった。ただ、平和と共存に関係していれば内容は問わず、100%任せてくれるということだし、この企画のプロデューサーであるホング・ヒョースク氏とは以前から信頼関係があるので、思い切って引き受けた。

僕は案外気が早いので、映画祭に来る前、日本で撮影を開始した。どんな映画になるのか、不安だが楽しみでもある。

Friday, October 16, 2009

10/17『精神』公開情報

『精神』の日本公開、これからのところもまだまだあります。
10/17にスタートするのは、次の映画館です。

群馬・シネマテーク高崎
http://takasaki-cc.jp/index.html

静岡・シネ・ギャラリー
http://sarnath.co.jp/eiga/etop.html

広島・サロンシネマ
http://www.saloncinema-cinetwin.jp/index.html

大分・シネマ5
http://www.cinema5.gr.jp/

Monday, October 12, 2009

MENTAL nominated for Asia Pacific Award 2009

The screening in London on Oct 10th went very well with lots of audience and active Q&A. We're now in Ghent, Belgium to attend a screening of MENTAL tonight at Flanders International Film Festival.

Also, I'm really happy to announce that MENTAL has been nominated for Best Documentary Feature Film in the 2009 Asia Pacific Screen Award. The award ceremony will be held on Nov 26 in Australia.

Watch a clip of Asia Pacific Screen Award
http://www.asiapacificscreenawards.com/home

Nominated documentary films
http://www.asiapacificscreenawards.com/the_awards/nominees_2009/best_documentary_feature_film

10/10にロンドンで行われた『精神』の上映は、ほぼ満席の盛況だった。上映後の質疑応答も白熱し、それが終わった後もお客さんから質問攻めがやまず、関心の高さがうかがえた。

今回の上映は英国日本大使館が主催の「プレミア・ジャパン」というショーケースの一環。映画の凄いところは、遠く離れた国の人々の「顔」が見え、同じ人間であることが理屈抜きに実感できるということだ。このような試みを外務省が行うことは、日本に暮らす人々に親近感を持ってもらう上で意義深いと思う。

というわけで、昨日の朝ロンドンを出発し、ベルギーのゲントにやってきた。中世にタイムスリップした感のある、ちょっと他にはない凄い街。今夜『精神』が上映される。

それと、嬉しいお知らせが。アジア太平洋地域の映画賞である「アジア・パシフィック・スクリーン・アワード」の「ベスト・ドキュメンタリー映画」に、『精神』がノミネートされた。同部門にノミネートされたのは『精神』含めて5本。受賞作品の発表とセレモニーは、オーストラリアのゴールドコーストで11/26に開かれる。招待されたので行こうと思っている。

過去の受賞式の様子など動画
http://www.asiapacificscreenawards.com/home

今回の「ベスト・ドキュメンタリー映画」ノミネート作品一覧
http://www.asiapacificscreenawards.com/the_awards/nominees_2009/best_documentary_feature_film

Tuesday, October 06, 2009

MENTAL in Ghent and London

MENTAL will be shown at Ghent International Film Festival in Belgium.
Oct 7 at 17:30 in Vooruit - Domzaal
Oct 9 at 22:30 in Vooruit - Theaterzaal
Oct 12 at 22:30 in Vooruit - Domzaal - I'll do a Q&A
http://tickets.filmfestival.be/tickets.cgi?go=moviedetail&id=09-027&lang=e

It will be also shown at BAFTA in London and I'll do a Q&A session there, too.
Oct 10 at 19.30
http://www.bafta.org/whats-on/premiere-japan-weekend,556,BA.html

『精神』の上映がベルギーのゲント国際映画祭で行われます。12日の上映には、僕も質疑応答に参ります。
Oct 7 at 17:30 in Vooruit - Domzaal
Oct 9 at 22:30 in Vooruit - Theaterzaal
Oct 12 at 22:30 in Vooruit - Domzaal - I'll do a Q&A
http://tickets.filmfestival.be/tickets.cgi?go=moviedetail&id=09-027&lang=e

ロンドンのBAFTAでも『精神』の上映があり、質疑応答と批評家とのトークを行います。
Oct 10 at 19.30
http://www.bafta.org/whats-on/premiere-japan-weekend,556,BA.html

Sunday, October 04, 2009

10/3『精神』公開情報

告知が遅くなりましたが、10/3から『精神』が次の映画館で封切られています。

沖縄・桜坂劇場
http://www.sakura-zaka.com/lineup/m0910/091003_seishin.html

滋賀会館シネマホール
http://www.rcsmovie.co.jp/shiga/2009/10/men.html

神戸アートビレッジセンター(アンコール上映)
http://kavc.or.jp/cinema/kavc_cinema.html

Saturday, September 26, 2009

9/26『精神』公開情報

9/26(土)からは、愛媛シネマルナティックで『精神』の上映が始まります。

http://fukio.web.fc2.com/fukio/lunatic/schedule2.html

その他、公開予定館が各地で増えましたので、ご覧下さいませ。

http://laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでは16週目に突入し、超ロングラン中ですが、それも10/2(金)で終わります。この機会にぜひご覧下さい。

http://www.imageforum.co.jp/theatre/

Wednesday, September 23, 2009

バンコク国際映画祭へ MENTAL @ Bangkok Int. Film Festival

実は身内が亡くなり急遽一時帰国していたのですが、今日からバンコク国際映画祭に参加します。9/27と9/29に『精神』が上映されます。

MENTAL is invited to Bangkok International Film festival. It will be screened on Sept 27th and 29th. I'll be there to do Q&A sessions.

http://www.bangkokfilm.org/index.php?name=programs&file=readprograms&id=39

Sunday, September 20, 2009

松本で『精神』上映

9/21と9/22の両日、松本で『精神』が上映されますのでお知らせします。
http://www.shinshu-liveon.jp/www/topics/21_224

Friday, September 18, 2009

『精神』9/19公開情報

9/19(土)から、下記の映画館で『精神』の公開が始まります。

北海道苫小牧シネマ・トーラス
http://cinema.walkerplus.com/movie/theater/hokkaido/4MEBC001.html

富山フォルツァ総曲輪
http://www.tmo-toyama.com/forza-sogawa/

また、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでは、15週目に突入するとともに、なんと上映回数が1日2回に増えます!
http://www.imageforum.co.jp/theatre/

Monday, September 14, 2009

『精神』9/12公開情報

9/12、映画『精神』は東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで14週目に突入、各地で公開が始まりました。

新潟・シネ・ウインド
http://www.wingz.co.jp/cinewind/

大垣コロナシネマワールド
http://www.korona.co.jp/Main/cinema/fr_ogk.html

撮影地の岡山市・シネマクレールでも記録的ロングラン中!

Wednesday, September 09, 2009

共同通信の連載記事

共同通信配信の連載記事「こころの現場から 映画『精神』をめぐって」(全4回)が、山陽新聞、中国新聞、山形新聞、高知新聞で、それぞれ掲載がスタートしています。今後、掲載紙も増える予定です。

Sunday, September 06, 2009

雑誌『文学界』に寄稿

雑誌『文学界』(10月号・9/7発売)に「観察映画についての覚え書き」と題する文章を寄稿しました。観察映画というスタイル・方法論について、覚え書き風にまとめました。

「総力特集:映画の現在——若手日本映画作家の肖像」という企画の一環です。よかったらお読み下さい。

http://www.bunshun.co.jp/mag/bungakukai/

以下、本稿からのほんの一部の抜粋です。

(七)観客に「観ること」を迫る

 観察映画は、観客に自分の目と耳でスクリーンをよく観察することを強いる映画である。
 多くのドキュメンタリーでは、新しい登場人物が現れるたびに、テロップで名前や肩書きを表示し、ナレーションでも懇切丁寧に解説してくれる。しかし、観察映画ではそのような「情報」や「説明」が作り手から与えられないので、観客は登場人物の動作や表情、話し方やその内容に注意を傾けざるを得ない。そして、観客それぞれの世界観や人間観、経験と照らし合わせながら、登場人物について知り、解釈していかなければならない。情報の欠落が、観客の観察眼を刺激し、作動させるとも言える。

(八)観察映画は観客を信頼する

 したがって、観察眼を使う労力を厭う人や、懇切丁寧に何でも噛み砕いて説明する離乳食のような映像を受け身で消費することに慣れ切っている人は、観察映画の入り口で門前払いされてしまうだろう。
 しかし、自分の意志で門をくぐった観客は、自らの顎と歯を使って映像を咀嚼し、消化することになる。そこでは、観客は受け身の消費者ではなく、能動的で主体的な鑑賞者として、映画の世界に接することが可能である。
 観察映画は、観客の注意力や咀嚼力、洞察力を信頼するのである。

(九)観客はバッター

 観察映画では、作り手がピッチャーなら、観客はキャッチャーではなく、バッターとして想定する。鑑賞者が自分の力でバットを振り、ボールを色々な方向に打ち返すことを期待する。換言するならば、作り手が観客へ一方的に何かを伝えるのではなく、両者が衝突し合う双方向のコミュニケーションを目指している。

(十)観察映画は「窓枠」を提示する

 観察映画の作り手が行うのは、世界を切り取る視座としての窓枠(=フレーム)を、観客に提示する作業である。
 窓枠の外にある世界は、観客には見えない。しかし、窓枠の中で起きていることは、自由に観察できる。
 ナレーションやテロップによる説明を付けることは、窓枠の中の風景に「ここを観ろ!」と矢印を付けたり、風景そのものに色を付けたりすることに当たる。それは、観客による自由な観察や洞察を妨げかねない。

Friday, September 04, 2009

『精神』情報:異例のロングラン中

『精神』は東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでは13週目に突入。映画の舞台となった岡山市にあるシネマクレールでは、同館史上2番目のロングラン中(第1位は『ライフ・イズ・ビューティフル』)です。

その他、各地で劇場公開が続きます。

<9/5(土)から>
横浜ニューテアトル
http://yokohamanewtheatre.web.fc2.com/index.html

浜松Cinema e-ra (アンコール上映)
http://www.cinemae-ra.jp/sub1.html

大阪第七芸術劇場(アンコール上映)
http://www.nanagei.com/movie/schedule.html

<9/6(日)から>
川崎市アートセンター
http://kawasaki-ac.jp/cinema-archive/90906b/

全国各地の劇場情報はこちら。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

Sunday, August 30, 2009

この世の鉄則

祇園精舎の鐘の声
諸行無常の響きあり
沙羅双樹の花の色
盛者必衰の理をあらわす
おごれる人も久しからず
ただ春の世の夢のごとし
たけき者も遂には滅びぬ
偏に風の前の塵に同じ

衆院選の結果を見ながら、平家物語の冒頭が頭の中で反復される。
結局、今回の選挙はそれに尽きるのではないか。

要するに、平家物語の頃から、いや、それ以前からずっとこの世を支配してきた鉄則が、今回も冷徹に適用されたというだけのこと。驚くことでも、新しいことでもない。新しいと感じるなら、それは僕らが歴史的な健忘症にかかっているだけなのである。

盛者必衰の法則はもちろん、大勝した民主党にも当てはまる。
いや、圧勝してしまっただけに、これからが大変である。

大勝の後は、大敗が待っている。
そのことは、自民党が身を以て証明してくれた。

Interview on BBC

Now you can listen to my comments on Japanese general election on BBC Radio's "The World Today." My interview segment starts around 27 minutes into the program.

昨晩、BBCのラジオで今回の衆議院選挙についてコメントしました。下記のサイトで聴けます。番組に入って27分目くらいです。

http://www.bbc.co.uk/programmes/p0041m3s#synopsis

Friday, August 28, 2009

『精神』in 広島・仙台

8/29(土)から、広島の横川シネマと仙台のチネ・ラヴィータでも『精神』の公開が始まります。

横川シネマ(13:30/16:00/18:30)
http://yokogawa-cine.jugem.jp/

チネ・ラヴィータ(10:30/21:00)
http://forum-movie.net/sendai/timetable.html

それから、8/30の投票日(日本時間)に、BBCのラジオ「World Today」に出演し、今回の衆議院選挙についてコメントする予定です。
http://www.bbc.co.uk/worldservice/

『選挙』も各地で上映中!
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/screenings.html

Wednesday, August 26, 2009

グリーンな電力

数年前の日記にも書いたが、ニューヨークの自宅では、風力と水力(非ダム)で発電された電気だけを購入して使っている。

今年も契約更新の案内がきた。これで4年目だ。

ニューヨークの平均的な家庭の電力のソースの内訳は、
石炭18%
原子力29%
石油12%
天然ガス22%
水力17%
その他2%
だそうだ。

しかしウチは電力会社と特別な契約をしているので、
風力35%
水力65%(川の流れを使う=非ダム)
になる。

とはいえ、別にウチに特別な電線が引かれているわけではない。だから、風のないときに電力が弱まったりとか、そういう問題も無い。

では、どういう仕組みかというと、ウチが使う分の電力を、電力会社は風力発電所や水力発電所から買うことが義務づけられている。だから、実質的にウチの電力はグリーンだというわけ。

普通の電力よりキロワット当たり1セントだけ料金は高め(13.1 Cents/kWh)だけど、わが家の生活だけでも原発や石炭、石油に依存せずに済むのは気分が良い。原発推進派がよく使う「自分も原発で発電された電力を使っておきながら、原発に反対するな」という常套句にも反論しやすい。

日本にも似た様な仕組みができつつあるようだ。

http://ja.wikipedia.org/wiki/グリーン電力証書

http://www.energygreen.co.jp/

Monday, August 24, 2009

森達也『リアル共同幻想論』と『選挙』

森達也さんが、連載中の『リアル共同幻想論』で、拙作『選挙』などを素材に公職選挙法について論じている(僕との会話もちょっと出てる:森ファンとしては、何となく嬉しい)。
http://diamond.jp/series/mori/10026/

公職選挙法の問題を、共同幻想という視点から論じたのは、森さんらしい鋭い視点だと思う。公職選挙法自体も矛盾だらけの悪法だけれど、それと同じくらい問題なのは、それに抵触するのを恐れて、何もかも自主規制してしまう日本人なのではないか。

記事によると、森さんが特定の候補者を応援しているという理由だけで、あるテレビ局は森さんの出演をキャンセルしたという。これは、放送局が法解釈を厳密に行ったというわけではなく、ちょっとでも危険性があることは念のためにやめておこうという、過剰な安全策に過ぎないと思う。(もしくは、政治的な意図を疑ってしまう。)それは、道ゆく人やら看板やら、何でもかんでもモザイクをかけてしまうのと同じ心理であり、まさに共同幻想である。

実は、『選挙』を07年に日本公開する際、参議院選挙にぶつけてロードショーをしたかったので、僕らも公職選挙法との兼ね合いについては随分と心配をし、弁護士にも相談した。弁護士の答えは、合法だけれども、警察のさじ加減ひとつで問題視したりしなかったりするので、100%は太鼓判を押せない、という趣旨だったと記憶している。まあ、この時点で、たいていの放送局や配給会社なら「じゃあ、やめておこう」と思うのだろう。

けれども、『選挙』は特定の候補者や政党を応援しているわけでも、批判しているわけでもない。筋論から言えば、問題があるはずがないのである。

僕らは、「お上」から難癖がついたら、その是非を世論に問いかけ、社会問題化させてしまおうと腹をくくった。そしたら客も入るし(笑)。それがこじれて上映中止になったり、逮捕者が出たりするなら、それも面白いじゃないか。そう考えて、公開に踏み切った(ちなみに弁護士によると、逮捕されるとしたら、それは映画の作り手ではなくて映画館主など興行側だそうです 笑)。覚悟してからは、問題化することを半ば心待ちにした。

結局、残念ながら?お上からは警告も何も来なかった。

その『選挙』、ただいま復活ロードショー中です。もちろん、選挙期間中も上映しています(笑)。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/screenings.html

Sunday, August 23, 2009

在外投票

昨日はニューヨーク総領事館まで、カミさんと一緒に在外投票へ行って来た。

4年前のいわゆる「郵政選挙」のとき、世論が極端に自民党支持に傾き、僕の周りでも普段は自民党に批判的な人まで「今回は小泉に入れる」と言っていた。それを眺めながら、「どうして日本人はこうも流され易いんだ?危ないなあ」と思っていたのだが、今回は全く白と黒が反転し、民主党の一人勝ちになりそうで、またまた「危ないなあ」と危機感を募らせている。

僕は、様々な失政が続いた政権はその座を明け渡すべきだと考えているし、そうした「責任を取る」というプロセス無しには民主主義という「最悪の中の最良のシステム」は、健全に機能し得ないと思っている。そして、「責任力」という自民党のキャッチフレーズが悪い冗談か自虐パロディーのようにしか聞こえない状況の中、今回の選挙で政権交代し得ないようなら、日本に未来はないとさえ思っている。

しかし、ここで忘れてならないのは、「絶対的権力は絶対的に腐敗する」という原理である。そして、権力に権力を付与するのは、民主主義というシステムにおいては、われわれ国民なのである。

実際、「自民党中心の政治と官僚組織=権力」が腐敗した原因は、戦後を通じて、国民に過剰な信任を与えられて来たからに他ならない。そして、民主党が大勝した瞬間、今度は彼らが権力を付与されるのであり、「絶対的権力は絶対的に腐敗する」という原理は、そのまま彼らに適用され始めるのである。

僕はそんなことをつらつらと考えながら、選挙後の4年間を想像しながら、投票先を決めた。

ちなみに、在外投票者は、最高裁裁判官の国民審査をできないことが分かった。これは明らかに憲法違反である。強く抗議するとともに、早急な法改正を望む。

Saturday, August 22, 2009

ヤン先生の鍼

一年くらいほぼノンストップで走り回り、心身ともに疲れきっている気がするので、昨日は行きつけの鍼の先生のところに出掛けた。中国人のヤン先生。

ヤン先生には、妻に勧められて14年以上前からお世話になっている。顔色と脈拍と舌を観るだけで、ほとんど問診もせず、どこが悪いとか説明もせずに、ニコニコしながらひょいひょいと鍼を打ってくれる。

前に夫婦で治療してもらったとき、僕はハリネズミみたいにたくさん打たれたのに、カミさんは3本(!)だけしか打たれず不満そうだった。「要するに健康だってことでしょ。良かったじゃん」とニヤニヤしながら僕は言った。妻は釈然としない顔をしていた。それが妙に可笑しかった。

ヤン先生に関しては、こんなエピソードもある。

妻が自分の健康状態に不安を抱き、戦々恐々としてながら診察してもらったとき、顔色を観ただけで「大丈夫!」と太鼓判を押された。「どうしてそう言えるんですか?」と聞いたら、「だって旦那の顔が福の相をしている。その奥さんが深刻な病気になるわけないもの」と言われたそうだ。

冗談なのか、本気なのか分からないけれど、僕はそういう「診察」は、実は極めて正確なんじゃないかと思っている。

検査が大好きなカミさんは、ヤン先生の直観的な所見には飽き足らず、不安を感じては西洋医学の検診に行くのだが、その度に影か何かが見つかって再検査、再検査と、より機器や検査の精度を増しながら繰り返し、最終的には「どこも悪くないみたい…」と煮え切らない結果に終わる。

西洋医学は部分しか観ないのに対し、ヤン先生は全体を観ているのだろう。

まあ、とにかくそういうヤン先生に診てもらった。「健康そうだね!」とニコニコしながら、全身にくまなく鍼を打たれた。

Friday, August 21, 2009

『選挙』公開ラッシュ!

衆議院選挙がヒートアップしています。そこでぜひ映画館で観ていただきたいのが(笑)、横浜ニューテアトルで復活ロードショー中の映画『選挙』です。

2005年の「郵政選挙」直後に行われた川崎市議会議員補欠選挙。当時は小泉自民党の絶頂期であるにも関わらず、今のこの事態を暗示するかのような選挙戦の成り行き。今観ると、新しい視点で観れると思います。

8/22からは、岐阜・大垣コロナシネマワールド、大阪・第七藝術劇場(アンコール)、広島・横川シネマ、佐賀・シアター・シエマでも上映が始まります。23日からは、京都みなみ会館でも上映開始。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/screenings.html

『精神』は渋谷・シアター・イメージフォーラムで11週目に突入。超ロングランの予感です。上映館も函館などで追加されましたので、要チェック!
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

Tuesday, August 18, 2009

いよいよ歴史的な選挙

衆議院選挙が公示日を迎えました。僕もニューヨーク総領事館で投票します。比例のみならず、選挙区でも投票できます。

各党のマニフェストは、ネットでダウンロードできます。いま、読み比べています。どの党も自分の考えと完全に一致するわけではないので、選挙区と比例を使い分けて、投票しようと思っています。自分の意志を示すことが大事だと思います。

衆議院選挙に関して、BBCニュースに僕の発言が載りました。英語です。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8204994.stm

これは、先日の朝日新聞に載った「私のマニフェスト」。
http://www.asahi.com/special/09016/TKY200908030248.html

こちらは、2年前に東京新聞に載った「即興政治論」。
http://www.tokyo-np.co.jp/hold/sokkyo/news/200707/CK2007071702033118.html

『選挙』も復活ロードショー中!劇場情報はこちらへ。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/screenings.html

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I'm quoted by BBC News about the national election coming up in Japan.
http://news.bbc.co.uk/2/hi/asia-pacific/8204994.stm

Monday, August 17, 2009

『精神』新着記事

『精神』関連の新着記事です。

まず、8/13朝日新聞夕刊の「窓」というコラムで、『精神』が取り上げられました。

また、8/15発行の『ビッグイシュー』に3ページにわたる僕のインタビューが載っています。
http://www.bigissue.jp/latest/index.html

8/16の中日新聞には拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規)の書評が載りました。


Friday, August 14, 2009

大阪・七藝でも緊急企画!

8/16(日)、大阪・第七芸術劇場でも、10:00回の上映後に舞台挨拶を行うことが、急遽決定しました。16日って、NY行きの飛行機に乗る日じゃん…(汗)

七藝では、早々に『精神』の追加アンコール上映が決定。
9/5(土)20:30(~22:45終)
9/6(日)~9/11(金)20:00(~22:20終)

『選挙』もアンコール上映が決まりました。
8/22(土)~8/28(金)20:55(~23:00)
※8/23(日)休映

http://www.nanagei.com/

Wednesday, August 12, 2009

神戸で『精神』舞台挨拶、など

8/15(土)から神戸アートビレッジセンターで、『精神』が公開になります。その初日に質疑応答もします。10:30/16:25の回上映終了後!僕は直後にニューヨークに帰るので、これが今回最後の舞台挨拶になります。
http://kavc.or.jp/

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでは、今週の土曜日から10週目に入ります!超ロングラン続行中。

岡山・シネマクレールでも5週目に入りますが、好調です。

大阪・第七芸術劇場と京都シネマでの上映は、8/21(金)までです。

Monday, August 10, 2009

『東洋経済』に書評

現在発売中の「週刊東洋経済」(8/15-22合併特大号)に拙著『精神病とモザイク』の書評が掲載されました。
http://www.toyokeizai.net/shop/magazine/toyo/detail/BI/f7a367fe62e35fc8af3c641822a0bc5d/


以下、全文掲載します。

書評
「精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける」 想田和弘著
〜モザイクは撮影側の保身 無責任な報道を可能にする

評者 江口匡太 筑波大学大学院准教授

 赤ちゃんを産んだ母親が、家族との度重なる確執から精神的に追い詰められて混乱し、泣きやまない子どもの口を塞いで死なせてしまった。本人は悔やんでも悔やみきれない罪を一生背負うことに後で気づく。

 こうした虐待のニュースは最近よく報道される。想像してみてほしい。もし、あなたがテレビ番組の制作責任者なら、そうした過去をもつ本人を実名で素顔をそのまま報道できるだろうか。

 著者は映画監督で、現在、『精神』と題するドキュメンタリー映画を日本各地で公開している。本書はその制作過程とその後をまとめたルポである。著者はこの映画で精神病を患っている人たちを、本人の承諾を得て実名で素顔をさらけ出して、その人となりを伝えようとした。

 もし、被写体となった人に何かあったら? 病気が悪化したら? 攻撃されたら? そう考えると、モザイクをかけずに実名で報道するのはとても勇気がいる。

 だからこそ、被写体となってくれた人たちをどのように報道するのか、責任をとれるのか、真正面から向き合えるという。モザイクは被写体となった人を守るためではなく、撮影側の保身のためだと著者はいう。モザイクが乱暴で無責任な報道を可能にしてしまうのだ。

 精神病患者と健常者とを簡単に分けられるのか、というのも著者のテーマの一つだ。許可をとって撮り始めたら、患者さんではなくて診療所のスタッフだったという話が紹介されているが、その垣根は本来存在しているのか曖昧だ。モザイクのように、自分たちで勝手に境界を作って隔てているだけかもしれず、それが「病気」を過度に作り出しているのかもしれない。

 診療に長年関わってきた山本昌知医師、精神科医の斎藤環氏との対談も収められており、読み応えがある。

そうだ・かずひろ
映画監督。ニューヨーク在住。1970年生まれ。東京大学文学部宗教学科卒業。『選挙』で、ベルリン国際映画祭正式招待・ピーボディ賞、『精神』も日本公開前より海外映画祭での受賞多数。テロップ、ナレーション、BGM等なしの観客の自由な思考を促す映像表現(「観察映画」)が国際的に高い評価を受けている。

中央法規出版 1470円 242ページ

酒井法子さんの事件に思う

久々に日本でテレビを観ている。

酒井法子さんが逮捕された事件が、朝から晩まで、冗談かと思うくらい詳しく報じられている。NHKですら、トップニュースですよ(苦笑)。どうせあと数日で飽きて誰も報道しなくなるんだろうし、それについて書くのも加担するみたいで気が引けるのだが、あまりに酷いのでちょっと書いておく。

まず、これはあらゆる事件報道について言えることだけど、推定無罪の原則はどうなってるのだろうか。酒井さんも彼女の旦那さんも、逮捕はされたけど裁判で有罪になったわけではない。それなのに、テレビも新聞もネットも、周りの芸能人も、彼らが有罪であることを前提に、報じたりコメントしたりしている。

逮捕だけで有罪なら、裁判はいらない。法治国家の原則が崩れているというか、そもそも守ろうとすらされていない。

「だって本人が自白してるし」などというのは理由にならない。実際、強引に「自白」をさせた結果、冤罪事件が起きているのである。

足利事件でも、事件発生時にはメディアは菅家さんを犯人と決めつけた報道をした。そのくせ、冤罪だと分かったら一転して警察や検察を批判する。報道機関の責任や主体性をどう考えているんだろうか。

また、今回も「関係者」として証言している人のほどんとがモザイクなどで顔を隠し、声も変えている。だから言いたい放題をする。メディアも言いたい放題をさせている。言う方も、取り上げる方も、責任放棄をしている。顔を出してしゃべれないくらいなら、黙っていればいいのに。

加えて、酒井さんの報道では、クラブでDJをやっていたり、タトゥーを入れていたことが、彼女の「豹変ぶり」を示し、「覚醒剤使用」につながっていったというような取り上げられ方がされているが、これもはっきり言ってオバちゃんの噂話と同レベルである。

最初、いかにも「新発見」みたいな感じでそういう報道がなされたときには、思わず声を上げて笑ってしまった。そして次の瞬間、それがパロディでも何でもなく、大真面目な「論点」であることを認識し、物凄く嫌な気持ちがした。

まあ、酒井さんの所属事務所の記者会見の視聴率が30%を超えたらしいし、テレビ局にとっては、こういうのがカネになるんだろう。しかし、テレビを作っている人は、虚しくないんだろうか。

Wednesday, August 05, 2009

『選挙』横浜公開開始!

渋谷ライズXでの『選挙』上映は、明日(8/7、金)まで!

そして8/8(土)からは、横浜ニューテアトルで『選挙』復活公開が始まります。初日13:30の回上映後には、山さんと想田のほか、ゲストに先の都議選に出馬した女優の後藤麻衣さんをお呼びして、選挙制度とその実態について議論します。ぜひおいでください。
http://yokohamanewtheatre.web.fc2.com/index.html

お問い合せ電話番号 045-261-2995  

Tuesday, August 04, 2009

雑誌『ブレーン』に鼎談掲載

宣伝会議の雑誌『ブレーン』(9月号)に、僕も参加した鼎談が掲載されていますので、お知らせします。題して、「青山デザイン会議:こころの距離感 想田和弘×名越康文×松尾高弘」です。ご一読下さいませ。

http://www.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/brain/

『精神』『選挙』上映館追加!

『精神』と『選挙』の上映館が増えました。

精神(滋賀と新潟が追加)
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

選挙(京都と広島が追加)
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/screenings.html

逆取材追加!

MIXI逆取材追加しました〜。京都、東京、十日町、新潟です。

http://mixi.jp/view_album.pl?page=3&mode=photo&id=35124191&owner_id=2074478

Sunday, August 02, 2009

8/3(月)朝日新聞朝刊

衆議院選挙に絡み、8/3(月)朝日新聞朝刊の「私のマニフェスト」欄に登場します。別に僕が立候補するわけじゃありません(笑)。

インタビュー中には、選挙制度のことやら、精神医療のことやら、いろいろ喋ったんですが、紙幅の関係で、日本映画と地方の映画館について語ったことを中心にまとめていただいたようです。ご一読下さい。

ウェッブ版にも載りました。
http://www.asahi.com/special/09016/TKY200908030248.html

以下に全文掲載します。

〈映画監督の想田和弘さん〉

 川崎市議補選の自民党公認候補に密着したドキュメンタリー映画「選挙」を07年に制作しました。撮影を続けながら、政策論争がほとんどされない選挙戦に疑問を抱きました。候補者は自分の名前を連呼するだけで、有権者が政策を知る機会は、ほとんどない。選挙カーやポスターなど政策論争と無縁の道具に税金が使われるのもおかしいと思いました。
 芸術の分野でも、必要なところに税金が使われていないと感じます。国は117億円をかけて「国立メディア芸術総合センター」の建設を計画していますが、使い道は他にあるはずです。日本にはお金がないわけじゃない。配分が間違っているだけです。
 例えば映画なら人口10万人以上の都市にミニシアターを公設してはどうでしょうか。既にシアターがある地域なら、運営に公共性を加えて継続的な助成をする。
 日本映画はここ数年、若手の映画監督が増え、黄金時代の50年代に匹敵するほどの本数が制作されています。しかし、若手の作品を多く上映するミニシアターは赤字に苦しんでいる。地方都市では映画館の関係者がアルバイトをして何とか維持しているような館もあり、このままでは続かないのは明らかです。街にミニシアターがなくなれば、東京との文化格差は拡大し、荒廃してしまうでしょう。
 ミニシアターで上映される日本映画には海外で注目を集めるものもあり、黒澤や小津作品のように日本人像を海外に伝える役割も担っています。しかし、自国で発表の場が失われれば、日本映画は簡単に廃れてしまう。日本映画が世界に発信されなくなれば、日本人は世界で今の地位を保てません。
 映画館に通った若い人が、映画の次世代を担います。そのためには一つの巨大博物館より、小さな映画館が地方にたくさんある方がいい。そこに税金を使うことの方が文化を育てることにつながるのではないでしょうか。(聞き手 宋光祐)

    ◇

 文化支援予算 文化庁は09年度の当初予算で日本映画・映像振興の推進に約5億円を計上。補正予算で「文化芸術支援」として315億円が上乗せされ、国立メディア芸術総合センターの建設も決まった。

Thursday, July 30, 2009

今週末は新潟へ

★明日(7/31)は東京のシアター・イメージフォーラムで(たぶん)最後の質疑応答をします。『精神』19時の回です。(映画は8月に入っても上映が続きます。)

★8/1(土)は、新潟の十日町シネマパラダイスで『精神』が上映スタートします(8/14まで)。僕は初日舞台挨拶に行きます。
http://www.t-cinepara.com/comingsoon.html#aisatsu
日程:8月1日(土) 9:30/12:00の回終了後
ゲスト:想田和弘
9:30の回:ロビーにて舞台挨拶&サイン会
12:00の回:劇場内で舞台挨拶、ロビーにてサイン会

★8/2(日)は、にいがた国際映画祭のプレイベントとして『選挙』を上映し、山さんと二人で舞台挨拶を行います。
http://www.info-niigata.or.jp/~eigasai/japan/
日 時:2009年8月2日(日) 開場12:40 開映13:00〜(予定)※上映終了後にトークショーを行います。
会 場:新潟市クロスパルにいがた 4F 映像ホール(定員150名)

Tuesday, July 28, 2009

7/30に大川興業総裁が!

7/30に『選挙』トークショーがあります。その名も、映画「選挙」を観て、投票するより出馬しろ!
<日時>7月30日(木)最終回(19:25)上映後
<場所>東京・渋谷のライズX
http://www.cinemarise.com/risex.html
<登壇者>山内和彦、想田和弘 
<ゲスト>大川豊(大川興業 総裁)
※登壇者、ゲストは当日に予告なく変更することがございます。

緊急!本日「ミヤネ屋」に『選挙』登場

本日(7/29)、日本テレビ系の「情報ライブ・ミヤネ屋」で、『選挙』が紹介されるそうです。番組は13:55〜15:50。この番組では、07年に30分くらい『選挙』特集をしてくださいました。今回は、もしかしたら一瞬かもしれませんが、要チェック!

「情報ライブ・ミヤネ屋」
http://www.ytv.co.jp/miyaneya/index.html

Saturday, July 25, 2009

京都も大盛況/明日の朝日新聞朝刊

本日の京都初日舞台挨拶は、2回とも満席+お立ち見で、大盛況でした。
明日(26日)も13:15および16:00の上映後に質疑応答を行います。
http://www.kyotocinema.jp/index2.html

久々の京都ですが、街を練り歩く祇園祭の御神輿に偶然出くわしたり、神社仏閣を訪れたり、路上観察したり、温泉に入ったりと、カミさんと一緒にめちゃくちゃ満喫しています。いい街だなあ〜。

話は変わりますが、明日(26日)の朝日新聞朝刊のオピニオン欄に、モザイクを巡る僕のインタビュー記事が載る予定です。みなさん、読んでくださいませ!

Friday, July 24, 2009

7月最終週 in 東京

7月最終週は、東京でのイベントが目白押し!

まず、渋谷・シアター・イメージフォーラムで『精神』質疑応答が復活。 7/27(月)、29(水)、31(金)の3日間、19時の回上映後に行います。
http://www.imageforum.co.jp/theatre/

7/28(火)は早くも第3刷が決まった『精神病とモザイク』出版記念に、森達也さんとのトークイベント。19時から青山ブックセンター本店です。椅子の席はすでに予約いっぱいですが、お立ち見はできるかもしれません。
http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200907/20090728_seishin.html

7/28(火)は、22時からテレビの生放送にも出ます。BS11デジタルのニュースワイド番組「インサイド・アウト」。『選挙』と今度の衆議院選挙について語るため、ゲストとして呼ばれています。
http://www.bs11.jp/news/59/

7/30(木)は大川興業総裁と「山さん」こと山内和彦氏をお呼びして、『選挙』イベント!場所は渋谷のライズ・エックスです。ライズXでの『選挙』上映はあと残りわずか(8/7まで)!この機会にぜひご覧下さい。
『選挙』上映 19:25〜21:25
トークショー 21:25〜21:55
登壇者:山内和彦 想田和弘 ゲスト:大川豊(大川興業 総裁)
http://www.cinemarise.com/risex.html

大阪・七藝で『選挙』復活!

7/25日(土)から、大阪・第七芸術劇場では、限定一週間で前作『選挙』復活上映もあります。衆議院選挙を前に、ぜひご覧下さい。
http://www.nanagei.com/movie/data/339.html

当劇場では、『精神』も大ヒット上映中!

Thursday, July 23, 2009

京都と佐賀で『精神』公開開始!

7/25(土)からは、京都シネマ佐賀シアター・シエマで『精神』公開が始まります。

京都シネマでは、7/25(土)と26(日)の両日、13:15および16:00の回終了後に想田による舞台挨拶を行います。

Wednesday, July 22, 2009

『ドキュ最前線』に『精神』批評

ご紹介が遅くなりましたが、メルマガ『ドキュメンタリー映画の最前線』に、萩野亮さんによる『精神』批評が載っています。どうぞご一読下さい。
http://archive.mag2.com/0000116642/index.html

以下、全文採録です。

┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃04┃□ドキュメンタリー時評
┃ ┃■『精神』(想田和弘監督、2008)
┃ ┃■萩野 亮
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

野良猫が気ままに徘徊し、木々が陰を落とすのどかな一角にある小さな施設に、ひとりの女性が足早に駆け込んでゆく。キャメラは手持ちによる揺れを画面に伝えながら、その背中を追う。カットが切り替わると、診察室で精神科医との問診がはじまっている。

想田和弘監督の「観察映画」第二段である『精神』は、「観察」という語が想起させもする冷徹さとは無縁の距離感で被写体となるひとびとにキャメラを向けてゆく。前作の『選挙』(07)で対象とした自民党の新人議員「山さん」とはうってかわって、『精神』が映し出すのは岡山市にある外来の精神科診療所「こらーる岡山」につどうさまざまなひとびとである。

映画はいつも突然にはじまるものかもしれないが、『精神』は、たとえばわたしたちがふだん病院へかかるときのちょっとした手続きさえ経ることなく、突然診察室に入り込む。そしてそこが精神科であることを、すでにわたしたちは知っている。映画はしばしば「非日常的な体験」などと形容され、その「非日常」への移行はいくつかの段階を経てなされるものだが、『精神』はむしろ映画が帯びてしまう非日常の時間を、わたしたちの日常の時間と直截に接続しようとする。そこには一種の暴力がある。唐突に映し出される精神科医と女性の対話のなかで、あまりにつらい内容が語られるのを、フィルムは簡潔な切り替えしで描き続ける。わたしたちは画面を見つめることで、彼女の苦しみを追体験することを余儀なくされるのだ。

あるいはまた、「家にいると誰かの声が聞こえてくる」という別の女性に同行して、診療所に併設された簡素な宿泊施設を訪れたキャメラは、つかの間彼らだけの狭い空間で向かい合わせになる。固唾を呑むような緊張が醸成されてくるなかで、観察者はおもむろに対話をはじめる。自分の患っている症状について、過去について、キャメラに向かって語る女性の表情に接近しながら、観察者は「その声は誰の声なんですか?」などとあまりにダイレクトな質問を投げかける。どのことばが、どの視線が、彼女の神経をかき乱すか知れない。キャメラのこちら側から投げられた問いに対して、わたしたちが想像する以上に淡々と、気丈に語りを継ぐ女性のすがたに、フレームは刻一刻と緊張と安堵とがないまぜになってふるえている。観察者はキャメラという存在があることで、より直截的でシンプルな問いを投げかける、いわば「勇気」を持たされている。このとき映画は、「観察映画」として出発していながら、むしろ「行為」へとゆるやかに向かってゆくようにみえるのだ。

わたしたちがかつて『選挙』の120分に喝采を送ったのは、まず何よりもその徹底した観察のスタイルゆえに違いなかった。DVの実用化以降,主としてプライヴェート・ドキュメンタリーの領野で佳品が目立った日本のドキュメンタリーにあって、『選挙』はフレデリック・ワイズマンの一連の「ダイレクト・シネマ」を彷彿とさせた。ワイズマンが『チチカット・フォーリーズ』(67)以来まもりつづけてきたスタイルとは,ナレーションがなく、説明字幕がなく,インタビューも被写体からの応答もない、といういくつもの否定形で語られるスリムさに貫かれたものだが、『選挙』もまた同様のスタイルを採用するものである。ただしワイズマンのたとえば近作『州議会』(06)がアイダホの議会のようすを壮麗な議事堂建築とともに定点観測的に撮影し、分析的に編集することでアメリカの議会政治のいわば「無意識」をあぶり出したのに対し,『選挙』はあくまで「山さん」という個人の特権的な数週間を介して日本の議会制民主主義のありようを垣間見ようとするものだった。『精神』においても同様の手法をとろうとした作家は、けれどもたえずキャメラに視線を送り、対話を求めてくる「こらーる」のひとびとを撮影するにあたって、この方法は不可能だと判断したのだという(7/4上映後のティーチインでの発言より)。この方法論的転回を経ることで、『精神』はワイズマンよりもむしろ原一男のフィルムに接近してゆく。

原一男の「アクション・ドキュメンタリー」においては、ほかでもないキャメラを持った作家自身が被写体の世界へと介入してゆく。脳性麻痺患者を撮った処女作『さようならCP』(74)の、道路の中心に全裸のCP患者の男性を座らせて撮影した衝撃的なショットは、ほかでもない作家自身が彼と直截に向き合い、彼の生を、また彼とまともに向き合ってこなかった社会の意識を、暴き立てる。そこではふたつの個的な身体性がキャメラを介してむきだしにされているといってもよい。『精神』において、患者と向き合い声を発するほかなかった観察者は、もはや厳密な意味での観察者ではありえず、主体的身体を前提とした行為(アクション)によって被写体の世界とひとつながりになる個的な存在へとかわる。フレデリック・ワイズマンが、そして『選挙』の想田和弘が、いくつもの否定形の文体によって観察者自身の身体性を画面から消去するかのようにふるまっていたのとは、質的に異なる記録行為の位相がここにはある。ただし『精神』の観察者は、積極的な行為によって精神病という「カーテンの向こう側」の世界に踏む込んでゆくわけではない。話しかけられたら応答する、気になったことは聞いてみる、そうしたきわめて人間的なふるまいを素直に行なうことで、カーテンの内と外をごく自然に行き来し、ついには取り払ってしまうのだ。

『精神』における観察者と被写体との対話は、じつにゆたかなものだ。フィルムの後半に現れる、おちゃめで気さくな詩人の男性。このフィルムを見た誰もが「蚊に刺され、吾も食べたしカツカレー」という強烈な一句とともに、きっと彼に惹きつけられてしまうに違いない。あるいは、病いと40年間付き合ってきたという初老の男性の含蓄に富んだことばの数々。病いは彼らの身体を日々仮借なくさいなむが、病いを通してふれられる世界の手ざわりによって、明晰な思考と感性がみがかれてもいる。突然にはじまるこのフィルムの、ある種の暴力によって向き合わされた彼らの「世界」が、いまや隠しきれない共感とともにわたしたちの瞳に映じている。けれどもそのいっぽうで、最後のショットで夜のとばりに走り去って行くスクーターは、その共感が部分的なものであるほかないことを告げているようにもみえる。

だれもが自分の身体と無縁でいることはできない以上、彼らの生き方はそれぞれに病いや悩みを抱えたすべての人間の生き方でもあるだろう。このフィルムが大きな反響を呼び、多くのリピーターを生み出している事実(想田監督のブログによれば、すでに7回見たという「猛者」があらわれたとか)は、この映画そのものが、それぞれの身体や生についてゆるやかに内観をうながす、治療的な効果をもっているからかもしれない。映画『精神』は、精神病を撮ったものではなく、そのタイトルが簡潔に示しているとおり、あくまで人間の「精神」にキャメラを向けたフィルムであるのだ。

☆『精神』Mental
 想田和弘監督/2008年/アメリカ・日本/カラー/135分/デジタル上映
 現在渋谷シアター・イメージフォーラムにて上映中。ほか全国順次ロードショー。 
公式サイト: http://www.laboratoryx.us/mentaljp/

■萩野 亮(はぎの・りょう)
立教大学大学院現代心理学研究科修士課程在籍。映像身体学。先月末よりフィルムセンターではじまった「ドキュメンタリー作家 土本典昭展」のギャラリートークに駆けつけてきました。土本監督と基子夫人との最初の出会いが「カメラを買ってくれませんか」だったというお話に衝(笑)撃。
ブログ「filmemo」: http://rhgn.dtiblog.com/blog-date-20090713.html

逆取材、パート2に突入!

Mixi逆取材、追加しました。

パート1がいっぱいになってしまったので、
http://mixi.jp/view_album.pl?page=10&mode=photo&id=30572721&owner_id=2074478

パート2も作りました。人間以外の取材陣?も登場です(笑)。
http://mixi.jp/view_album.pl?id=35124191&owner_id=2074478

『精神』『選挙』上映館増える!

お陰様で大ヒット中の『精神』ですが、上映館が増えました!今のところ全国30館を予定しています。これから増える可能性も大です。詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

衆議院選挙を控え、『選挙』復活ロードショーの上映館も増え続けています。詳しくは下記で。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/screenings.html

Sunday, July 19, 2009

岡山など、大盛況!

『精神』の舞台となった岡山市シネマクレールでの初回(18日)は、大盛況のうちに終わりました。10時開演なのに朝8時ごろから列ができ始め、2スクリーンの同時上映にも関わらず早々に完売し、大勢の方に立ち見でご覧いただきました(ごめんなさい)。それでも全員に入っていただくわけにいかず、多くのお客さんに帰っていただくことになり、申し訳なかったです…。19日初回も同じような状況でした。

18日には、映画に出て下さった今中さん、美咲さん、吉澤さん、山本先生にご登壇いただき、白熱した座談会になりました。どなたかが発言されるごとに拍手がわき起こるという、大変温かい応援団のような雰囲気の中で進行しました。岡山での上映は、患者さんたちにとっても、診療所にとっても、配給側にとっても、僕にとっても、一番の試練だと思っていただけに、思わず胸が熱くなりました。みなさん、本当にありがとうございました!!!

大阪・七藝での初日も毎回ほぼ満席。19日の僕のトークショー付き上映は、補助席60席(!)が活躍するという大入り満員。信じられないくらいの反響ですが、一番驚いているのは僕です。

Friday, July 17, 2009

週刊朝日に書評


発売中の『週刊朝日』(7/24号)に拙著『精神病とモザイク』の書評が載っています。
http://publications.asahi.com/ecs/24.shtml

札幌で『精神』24日まで延長決定!

札幌のシアター・キノで、『精神』アンコール上映 7/24(金)まで延長決定!
7/18(土)〜7/24(金)16:20
当日料金 一般 1800円/学生 1400円/シニア・高校生以下 1000円/障がい者手帳をご提示の方、1000円(付き添いの方1名まで1000円)
http://theaterkino.net/

明日から岡山など公開開始/広島先行上映は大盛況



明日7/18(土)から岡山シネマクレール、大阪第七芸術劇場、熊本Denkikan、愛媛アイシネマ今治、浜松CINEMA e-raで『精神』上映開始します。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

岡山では18日と19日の初回上映後(10:00AM) に舞台挨拶があります。
大阪では7/19日(日)14:10回、7/20(月・祝)11:30 / 14:10各回上映後、舞台挨拶の予定。

昨日(7/16)、広島の横川シネマで行われた『精神』先行上映会は、補助席が出る程の大盛況でした(写真)。広島のお客さん、熱かった〜。

Monday, July 13, 2009

地方巡業予定

明日から2週間、過酷な?楽しい?『精神』地方巡業が始まります。詳細は各劇場にお問い合わせ下さいませ!

7/14(火)19:20 松山・シネマ・ルナティックにて、『精神』特別上映会&想田和弘トークショー
http://www.minipara.com/shikoku-mini/theater/luna2/index.shtml

7/16(木)19:00 広島・横川シネマにて、『精神』先行上映&想田和弘トークショー 
http://yokogawa-cine.jugem.jp/?cid=9

岡山・シネマクレールにて、7/18(土)と19(日)の『精神』初回(10:00)上映後に舞台挨拶。こらーる岡山の皆さん、山本昌知医師、想田和弘などが登壇。
http://www.cinemaclair.co.jp/

7/18(土)から岡山シネマクレール、大阪第七芸術劇場、熊本Denkikan、愛媛アイシネマ今治、浜松CINEMA e-raで『精神』上映開始!
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

大阪の第七芸術劇場にて、7/19日(日)14:10回、7/20(月・祝)11:30 / 14:10各回上映後、想田和弘トークショー。
http://www.nanagei.com/

浜松のCINEMA e-raにて、7/20(月・祝)、17:25回上映後、想田和弘トークショー。
http://www.cinemae-ra.jp/sub2.html

7/25(土)、26(日)に京都シネマで想田和弘トークショー。詳細は後に公表。
http://www.kyotocinema.jp/schedule.html

Sunday, July 12, 2009

産經新聞に書評掲載

本日(7/12)の産經新聞に拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規)の書評が掲載されました。

「偏見を持ち込まず色眼鏡をかけず、ありのままを映し出す観察映画の視点から日本の精神医療の現場に斬(き)り込んだルポルタージュの秀作だ。」(書評より)

ウェッブでも読めます。
http://sankei.jp.msn.com/culture/academic/090712/acd0907120811003-n1.htm

以下、全文掲載します。

■観察映画の視点から斬る
 異色の映像クリエーターが異色のルポルタージュに挑んだ。著者の想田はドキュメンタリー監督。と言っても“普通”のノンフィクションは撮らない。ナレーションもテロップもBGMも一切使わず、ありのままの映像を一本の作品に編集する“観察映画”という新ジャンルを開拓した。
 この手法で岡山市にある精神科診療所の患者や医師らを撮影した観察映画「精神」が公開され話題を集めている。この本ではもともと、劇映画の監督志望だった想田が、なぜノンフィクション、それも観察映画という特殊なジャンルに進むに至ったか、また、なぜ精神障害をテーマに撮ろうと決意したのかが赤裸々に綴(つづ)られる。個人的な人生経験や監督として被写体にアプローチする過程で得た体験から「精神病とは何か、人間の正気と狂気の間とは何か」を分析、浮き彫りにしていく。
 「健常者と精神障害者を隔てる見えないカーテン」に興味を持つことで、想田は観察映画にのめり込む。
 自身、これまでに2度、精神的に追い込まれ、「カーテンの向こう」を見かけたと明かす。1度目は東大に合格後、医者から「燃え尽き症候群」と診断されたとき。2度目はプロの映像作家として、あるテレビドキュメンタリーの編集作業をしていたとき。
 1度目のとき、自分から精神科に診療に行った想田を知人はこう笑った。「精神科は自分から行く所ではない。誰かに強制的に連れて行かれる所だろう」と。なぜ? 歯が痛めば歯医者へ行く。社会が精神障害を普通の病気と認めない現実に疑問を持った。2度目はテレビ番組の制作を請け負い、東京で2カ月間、昼夜逆転の労働が続いたとき。連日、プロデューサーに大声で罵倒(ばとう)される理不尽な現場で精神を病みかけた。このとき、想田は「過労死」や「ひきこもり」が多い日本は文化全体が精神的に病んでいるのではないかと疑問を持つ。そして「精神」を撮る決意を固めた。
 偏見を持ち込まず色眼鏡をかけず、ありのままを映し出す観察映画の視点から日本の精神医療の現場に斬(き)り込んだルポルタージュの秀作だ。(中央法規出版・1470円)
 評・戸津井康之(文化部)

Wednesday, July 08, 2009

森達也さんとの対談決定!

拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』、お陰様で早くも増刷が決まりました。

そして、ぬぬぬぬあんと! 7/28(火)19:00から、東京の青山ブックセンター本店で、尊敬する森達也さんとのトークショーを行うことが決定!実に光栄かつ今から緊張です。50席限定の要予約だそうです。お見逃しなく!
*すみません、予約受付開始後、すぐに満席になってしまったそうです。多少の「お立ち見」は可能だそうです。

http://www.aoyamabc.co.jp/10/10_200907/20090728_seishin.html

毎日、Movieぴあ、朝日

新着記事をまとめてご紹介します。

まずは、この間もご紹介した毎日新聞7/3朝刊に載った山本先生の「ひと」。

次に、Movieぴあ(09年夏号)に載った『精神』見開き紹介。映画館ならではの「体感映画」としての側面で取り上げてくださいました。『精神』は全国各地で順次上映中。

最後に、本日7/8の朝日新聞朝刊に載った『選挙』再上映を伝える記事です。『選挙』は渋谷ライズXにて、1日4回上映中(11:55/14:25/16:55/19:25 全回英語字幕付き)!


Monday, July 06, 2009

Q&A in Tokyo 東京で質疑応答続行中

I'm doing Q&A at Theater Image Forum, Shibuya, Tokyo after the 19:00 show of MENTAL (10:45/13:30/16:15/19:00) every night until July 12th. 19:00 show is with English subtitles.

For screenings in other 27 cities in Japan, please check the page below.
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

『精神』の上映(10:45/13:30/16:15/19:00*最終回英語字幕付)と質疑応答を東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで続行中です。質疑応答は7/12まで、毎晩19時の回の上映後に行っています。拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規)も発売中。

日本各地の上映情報はこちらで。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

Friday, July 03, 2009

福岡で『精神』公開開始、札幌ではアンコール決定

本日(7/4)から福岡シネテリエ天神にて、『精神』の公開が始まります!
http://www.yu-raku.co.jp/cineterrie/schedule.html

札幌のシアターキノでは、『精神』アンコール上映が決定しました。お見逃しなく。
7/11(土)~7/17(金) 1日1回上映
http://theaterkino.net/

Thursday, July 02, 2009

明日(7/4)から『選挙』復活公開!

明日7/4(土)から、観察映画第1弾『選挙』の復活ロードショーが始まります。それを記念して、明日の初回(11:55)の上映後、主役の「山さん」こと山内和彦さんと想田が舞台挨拶を行います。
http://www.cinemarise.com/index.html
東京・渋谷のライズXでは、1日4回上映(11:55/14:25/16:55/19:25)。4回とも、英語字幕付きです!『選挙』は、このあと全国順次再公開。

My first observational documentary CAMPAIGN will be re-released starting from tomorrow,Saturday, July 4th at Rise X, Shibuya, Tokyo. After the very first screening (11:55), I and Kazuhiko "Yama-san" Yamauchi will greet the audience.
http://www.cinemarise.com/index.html
At Rise X, the film will be screened 4 times a day (11:55/14:25/16:55/19:25). Every screening is with English subtitles. CAMPAIGN will be screened in selected cities across the nation.

Wednesday, July 01, 2009

「宇多丸X想田」ポッドキャスト

TBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」の「宇多丸x想田」観察ラジオ対談が、ポッドキャストにアップされました。

出ている僕が言うのもなんだけど、めっちゃオモロいです。俺、マジで本気でしゃべってるわ〜。

いや、僕はいつだって(少数の例外を除けば)本気なんだけど、今回は完全に宇多丸さんに乗せられて、違うところに行っちゃってる。恐るべし、宇多丸師匠。そして、こんな番組を敢えて流すTBSラジオって…(笑)。スタッフも凄い!世の中、捨てたもんじゃない!無性に嬉しくなりました。

http://www.tbsradio.jp/utamaru/2009/07/post_474.html

『精神』新着記事

1)『毎日新聞』7/3朝刊の「ひと」欄に、こらーる岡山の山本昌知先生が登場される予定です!めちゃくちゃ楽しみ〜。

2)『定年時代』7月上旬号にも、山本先生のインタビューが掲載されています。拝読しましたが、非常に良い記事です。

3)本日発売の雑誌『Newsweek』の「世界が尊敬する日本人100人」特集にも、ぬあんと!私が登場しています。過大評価ですが、嬉しくないと言ったら嘘になります。
http://newsweekjapan.jp/magazine/

4)本日発売の雑誌『an.an』の「男を見る目をとことん磨く!」特集内「いま選ぶべき男・知的文化人スター・ベスト5」に、ぬぬぬぬあんと!私めがランクインしました。これが一番嬉しかったりして(笑)。オイラの名前、間違ってるけど!
http://magazineworld.jp/anan/1666/


『精神』質疑応答続行中

『精神』の上映(10:45/13:30/16:15/19:00*最終回英語字幕付)と質疑応答を東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで続行中です。質疑応答は7/12まで、毎晩19時の回の上映後に行っています。拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規)も発売中。

日本各地の上映情報はこちらで。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

Tuesday, June 30, 2009

ホリエモン氏と『選挙』

今日はライズXにて『選挙』の特別試写会イベントを開催、ホリエモン氏、山さんと一緒に登壇した。

我々3人は東大文3のスペイン語クラス出身。山さんとホリエモン氏は駒寮出身。僕とホリエモン氏は宗教学科出身、しかも共通の友人がいたりして、何かと共通点が…。初めてお会いしたのであるが、楽屋では内輪話で盛り上がった。

舞台では、そんなこと言って、大丈夫なの?という危ない暴露話のオンパレードだったが、ヤバすぎるのか、どの記事を読んでも核心には触れられていない(笑)。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20090630et02.htm

http://www.cinematoday.jp/page/N0018649

ライズXでの復活ロードショーは7/4日から。1日4回上映。初日には舞台挨拶もあります。

Monday, June 29, 2009

『鳥の飛ぶ高さ』カンゲキ(観劇/感激)

昨日は青年団国際演劇交流プロジェクト『鳥の飛ぶ高さ』を観に行った。

ミシェル・ヴィナヴェール原作、平田オリザ翻案・演出協力、アルノー・ムニエ演出の演劇である。ホントはもっと前に行きたかったのだが、『精神』の公開で忙殺され、結局最終回になってしまった。しかも開始時間を勘違いしていて、モロに遅刻!最初の20分を見逃した。何たる大ボケ、めちゃくちゃ悔しい…。

しかし、これがまた快作だったのだ!日本の便器メーカー「猿渡」がフランスの便器メーカーに乗っ取られる話で、下ネタと現代資本主義批判が渾然一体となっている。オリザ作品には極めて珍しく、唄と踊りもある。しかも最高にイケている。作曲はオリザ氏の妻で女優・歌手のひらたよーこ、作詞はオリザさんである。

『便器のサルワタリ』
雲の白さに風薫る
ヤマトの誇り、ここにあり
流れ流れるその先に、希望の大河が光るのだ
便器、便器、便器のサルワタリ、
北から南へ、すべての人が、
白い便座に腰掛ける

『世界はあなたを求めてる』
便座の輪は世界の輪、宇宙を包む神秘の楕円
眠りから覚め、いま進む、改革の時、前進の時、
世界はあなたを求めてる。あなたは世界に走り出す
輝く伝統引き継いで、便器の未来、切り開く
進め進め、世界のために、アジアのおしりを洗うのだ
開け開け技術の扉、心で磨くこの曲線
便座の輪は世界の輪、宇宙を包む神秘の楕円
マーケティングのその先に、信念の夢、未来の希望
世界はあなたを求めてる。あなたは世界に走り出す
流れる水は流々と、便器の未来、切り開く
進め進め、世界のために、アジアのおしりを洗うのだ
歌え歌え歓喜の唄を、心で磨くこの曲線

「静かな演劇」というイメージしかない人にとっては、これが平田オリザか?と良い意味で裏切られるだろう。とにかく弾けている。演出がアルノー・ムニエであるだけに、俳優の演技は平田印とは全く異なるが、こういう非オリザ的演技もできるんだなあと、彼らの技量にも感心した。

これも次回作『演劇(仮題)』の一部として撮れてたらなあと、ちょっと悔しくなった。でも、今回はどう考えてもタイミング的に無理だった。

再演を待ち望む。

http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html

余談だが、会場で高校の3年間の担任だった恩師に、20年ぶりにバッタリお会いした!と思ったら、実は先生の息子さんが青年団の俳優さんだったのだ!そういや、同じ名字だ〜。そんなことって、あるんだなあ。世界は恐ろしいくらいにつながっている…。

質疑応答@渋谷 7/12まで

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで、『精神』19時の回の終了後に毎晩質疑応答をしているんですが、好評につき7月12日まで連日やることになりました。
http://www.imageforum.co.jp/theatre/

でも、毎晩出掛けて行くのは、案外体力と気力が必要なんだなあと、今頃実感していて、ちょっと安請け合いだったなと自分を恨めしく思う気持ちもあり…(笑)。誰かに代わってもらうこともできないしなあ。

しかし、お客さんと直にお話できるのはこの上なく刺激的だし、自分を磨く上でも大事だなあと思います。一昨日は、「もうこれで7回も観ました」なんていう猛者のお客さんもおられて、こりゃあ負けてはおられんという気になりました。ここはひとつ気合いを入れて、12日まで連投しようと思います。

Sunday, June 28, 2009

観察ラジオと観察テレビ

昨晩(土曜)のライムスター・宇多丸さんのラジオ(TBS)、僕との対談を1時間もぶっ続けで放送してくださったそうで、「ディープすぎてハラハラした」とか「あんな対談は滅多にない」とか「最高だった」とか、いろんな方から強い反響がありました。

僕はリアルタイムでネットで聴けるだろうとタカをくくっていたら、直前になってそれができないと分かり、苦渋の心境で聞き逃しました。そうと分かっていたら、ラジオを買っておいたのに!

しかし、姉貴が録音しておいてくれたらしく、後で聞こうと思います。いや、ポッドキャストにもなるそうなので、それで聴く方が早いかな。

ちょっと舞台裏の話をすると、宇多丸さんとスタッフの方々は「観察映画」の手法をラジオでやろうとしてくださって、とにかく台本無しに、メモも打ち合わせも一切しないで僕らは喋り続けました。要するに予定調和ではないんです。観察ラジオ。それでディープな話になったし、僕と宇多丸さんの掛け合いも本物になったんだと思います。あんときゃあ、僕も快感だったもんなあ。

実は、こないだのNHK福祉ネットワーク(7/1に再放送予定)もそうだったんです。観察映画ならぬ観察テレビということで、やはり台本無し。というか、台本は一応あったんですけど、僕は読みませんでしたし、読んでくださいとも言われませんでした。だから、普通はああいうスタジオ録画はほぼ尺通りに撮って、後で編集する手間を省くもんなんですが、あれも1時間以上喋ったのを後で丹念に編集してくださったんです。

そういう、作り手の心意気に触れる瞬間、僕は心が動きます。モノ作りって、やっぱり冒険心がないといけない。失敗を恐れたら、それこそが失敗。ドキドキしないとね!

Saturday, June 27, 2009

『精神病とモザイク』好評発売中!


拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版)が全国の書店や『精神』上映中の映画館、ネット等で発売中です。写真は青山ブックセンター本店にて。 なお、この本の印税の50%は、岡山の地域の精神医療のために寄付されます。

Thursday, June 25, 2009

27日(土)から札幌公開

6月27日(土)から、いよいよ札幌のシアターキノで『精神』公開が始まります。12:05(終14:20)と18:10(終20:25)の1日2回上映で、一週間だけの限定公開です。
http://theaterkino.net/ttB.html

残念ながら僕は札幌に参れませんが、作家で統合失調症の当事者でもある三上善博さんが、映画を観た方々の有志で語り合う「懇談会」を開いてくださるとのことで、ぜひご参加ください。三上さんの闘病手記『強い風に吹かれて』は、病を抱える人にとっても、そうでない人にとっても、大変示唆深い力作です。
http://www.maemuki-navi.sakura.ne.jp/

27日(土)のTBSラジオ

27日(土曜日)夜のTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」にて、観察映画ならぬ観察ラジオ的「宇多丸x想田」対談が放送されます。ノリノリで話すうちに、限りなくディープな話になりました。ぜひ聴いてください!僕の出番は夜の11時頃からだそうです。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/index.html

Wednesday, June 24, 2009

毎日新聞朝刊


本日(25日)の毎日新聞朝刊に映画『精神』と拙著『精神病とモザイク』についてのコラム「ネコのあくび」が載っています。ぜひご覧下さい。Webでも読めます。
http://124.83.167.158/life/health/akubi/archive/news/20090625ddm013070132000c.html

以下、全文掲載です。

モザイク

 まるで廃虚のような地下の部屋で、コンクリートの床に座布団を敷いて「精神」という映画の試写会を見た。そこが東京駅の近くだとは信じがたいビルだった。

 苦しそうに涙を落としながら女性が吐き出す言葉を、山本昌知医師は何とはなしに聞いている。たばこを吸い続ける男性は高校生のころ1日18時間勉強し続けて発病した。「偽善者という言葉は、にんべんに為と書く。人のためにするのは偽りなんよ。自分のため、神様のためにするのが、本当の善なん」。詩人であり写真家でもあるという。子どもを死なせてしまったことを淡々と語る女性のシーンが延々と続いた時には、呼吸が苦しくなった。

 精神病患者のプライバシーを考えれば顔にモザイクがかかりそうなものだが、スクリーンに登場する人々はいずれも実名で顔をさらけ出している。「モザイクが守るのは、被写体ではなく、往々にして作り手の側である」「彼らを精神病患者という記号ではなく、人間として描きたい」と想田和弘監督は「精神病とモザイク」(中央法規)で述べる。それができたのは、山本医師が患者たちと長い歳月かけて築いた信頼があってこそなのだが、その山本医師は詩人の患者に「よくぞ10年間もいじめてくれたな」と言われたことがあるという。10年を返せないならこれを広めてほしい、と手渡された詩はこういう内容だった。

 「今のままでいい」と言う人に出会うまで変わることはできない。「今のあなたでいいんだ」という無条件の肯定的な関係の中でしか人間は伸びていかない。【野沢和弘】

『選挙』にホリエモン氏が!超特別試写会

7/4から東京・渋谷のライズX等にて復活ロードショーする、拙作で観察映画第1弾『選挙』ですが、その前に6/30、超特別な試写会を行うことが決定!

ぬあんと、特別ゲストとして、主役の「山さん」こと山内和彦さんに加え、あの郵政選挙に出馬した経験を持つ「ホリエモン」こと堀江貴文さんも登壇。僕と3人で『選挙』を巡りトークバトルを繰り広げることに!

堀江さんも山さんも僕も東大文三出身。うーむ。人生って面白いですね(笑)。

無料招待券をご希望の方、6月26日までに下記の2サイトからご応募ください。来るしかないっしょ(笑)。

シネマカフェ
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/present/2009/06/6205/index.html

シネマトピックスオンライン
http://www.cinematopics.com/cinema/present/premora.php?number=1505

ーーー

『選挙』公式サイト
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html

NHK福祉ネットワーク、再放送予定

僕が出演したNHK教育テレビ「福祉ネットワーク」の再放送は、7月1日(水)午後1時20分からだそうです。観察映画ならぬ観察テレビ。見逃した方、ぜひご覧下さい!
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0906/90624.html

Tuesday, June 23, 2009

『精神』上映館続々追加!

『精神』の上映予定館が増えました。青森、盛岡、宮城、山形、福島、群馬、静岡、三重の映画館が追加されています。これで合計27館。詳しくは下のリンクで。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

NHK出演/東京で質疑応答

明日、NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」に出演します。ぜひご覧下さい。

●6/24(水) 20:00〜20:29 O.A.予定
NHK教育「福祉ネットワーク」 ゲスト出演
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0906/90624.html

また、明日24日から30日まで、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、毎晩最終回(19時〜)上映後の質疑応答を行うことになりました。ご希望の方には、拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』にサインもさせていただきます。みなさん、劇場でお会いできるのを楽しみしております。

http://www.imageforum.co.jp/theatre/

Monday, June 22, 2009

『選挙』復活ロードショー

観察映画第1弾『選挙』は7/4から、東京・渋谷のライズXにて、復活のロードショーが始まります。
初日舞台挨拶には、僕と山さんが登壇する予定です。
特製ポストカード付き、特別鑑賞券発売中!
連日 11:55/14:25/16:55/19:25~21:25
■連日19:25の回は英語字幕入り上映となります。
■「CAMPAIGN」shall have English subtitles at 19:25 show.

http://www.cinemarise.com/index.html

東京で追加のQ&A決定!

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、6月24日から急遽、毎晩最終回(19時〜)上映後の質疑応答を行うことになりました。ご希望の方には、拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』にサインもさせていただきます。みなさん、劇場でお会いできるのを楽しみしております。

ーー以下、シアター・イメージフォーラムのサイトよりーーー

★ご好評につき、『精神』想田和弘監督ティーチ・イン追加決定!★

『精神』では6月24~30日の1週間、19:00の回上映終了後、想田和弘監督による質疑応答を行います。
皆様のご来場をお待ちしております。

http://www.imageforum.co.jp/theatre/

Saturday, June 20, 2009

女性自身WEB

逆取材フォトアルバムで密かな人気を誇る(笑)悪役レスラー?タッグチームによる「男性自身」いや「女性自身」インタビューが、「社会派ロングインタビュー」と題され掲載されました。ゴツゴツしとりますなあ(笑)。

山本先生のロングインタビューも掲載されています。ぜひご一読下さい。

http://jisin.jp/serial/社会スポーツ/社会派/2178

Mixi 逆取材「女性自身」
http://mixi.jp/view_album_photo.pl?album_id=30572721&owner_id=2074478&number=2862301391&page=8

NHKに出ます

以前もお知らせしましたが、以下のテレビ番組に出演しますので、ぜひご覧下さいませ。いずれも全国放送です。

●6/21(日) 7:00〜7:45 O.A.予定
NHK総合「NHKニュース おはよう日本」 インタビュー

●6/24(水) 20:00〜20:29 O.A.予定
NHK教育「福祉ネットワーク」 ゲスト出演
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0906/90624.html

『精神』応援団、大募集!

いよいよ日本で封切られた『精神』ですが、小さな映画ですから口コミが命です。そこで、応援団を大募集中です!

チラシやポスターの設置をしてくださる方々、ぜひ配給会社のメールにご一報ください。また、ブログをお持ちの方は、トラックバックやバナーの掲載をお願い致します。詳細は下記へ。

http://ameblo.jp/mentaljp/entry-10226888435.html

エココロ、キネマ旬報、インパクション

エココロ(6/20号)に環境運動家・辻信一さんとの対談が掲載されています!http://www.ecocolo.com/editorial/modules/pukiwiki/780.html?PHPSESSID=i1bi1ohv6r06endc3tatslvnu1

キネマ旬報(6/20号)には、あの伝説の映画評論家・佐藤忠男さんによる『精神』評が掲載。
http://www.kinejun.com/kinema/index.html

インパクションにも『精神』評が載っています。
http://www.jca.apc.org/~impact/magazine/impaction.html


週刊朝日とステナイデ

発行中の「週刊朝日」(6/26号)に、やくみつるさんによる『精神』批評が載っています。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10482

また、ご紹介が遅れましたが、無料誌「ステナイデ」にも大きなインタビュー記事が載っています。
http://ganbaring.com/dt/magazin/magazin_index.html

ぜひご一読下さい!


Friday, June 19, 2009

逆取材金沢篇/今日から金沢公開!

Mixi逆取材金沢篇、追加しました。
http://mixi.jp/view_album.pl?page=9&mode=photo&id=30572721&owner_id=2074478

本日からシネモンド金沢にて『精神』公開開始!
12:15の回上映後、質疑応答に参ります。ぜひご参加ください。
http://www.cine-monde.com/film.html

Thursday, June 18, 2009

大阪(ナナゲイ)→金沢(シネモンド)

大阪での取材、無事に終わりました。逆取材写真も追加。大阪の方々はとにかく元気!来る度に僕らも元気をもらいます。

大阪では、第七芸術劇場で7/18から公開です。7/20に舞台挨拶を行う予定です。
http://www.nanagei.com/

そして今日から金沢です。
金沢では、シネモンドで6/20から公開し、同日に舞台挨拶を行います。
http://www.cine-monde.com/film.html

逆取材(大阪など)追加!

逆取材、大阪中心に追加しました。大阪取材陣のみなさま、おおきに〜。 (Mixiの会員でないと見れません)

http://mixi.jp/view_album.pl?id=30572721&owner_id=2074478&page=8

シネマ・グランプリに評

シネマ・グランプリに『精神』の評が載りました。ぜひご一読下さい。
http://cgrandprix.blog42.fc2.com/blog-entry-11.html

テレビ出演予定

取材を受けに、大阪に来ています。
今後のテレビ出演予定!

●6/20(土) 5:30〜6:00 O.A.予定
フジテレビ「週刊フジテレビ批評」 想田監督ゲスト出演
30分番組にでずっぱりです。

●6/21(日) 7:00〜7:45 O.A.予定
NHK「NHKニュース おはよう日本」 想田監督インタビュー

●6/24(水) 20:00〜20:29 O.A.予定
NHK「福祉ネットワーク」 想田監督ゲスト出演
30分番組にでずっぱりです。

Tuesday, June 16, 2009

東京新聞に掲載


本日(16日)の東京新聞夕刊にも、『精神』紹介記事が大きく載りました。ぜひご一読下さい。

Monday, June 15, 2009

今晩(16日)の質疑応答にNHK取材班

映画『精神』、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、1日4回(上映中です。(10:45/13:30/16:15/19:00)。19時の回は、英語字幕付きです。

今晩19時(16日)の上映後に想田による質疑応答がありますが、急遽、そこにNHK「おはよう日本」の取材班が入ることになりました。みなさん、ぜひいらっしゃいませ(テレビに映りたくない方は、もちろん映しません)。

当劇場での『精神』の上映は、まだまだ続きますが、僕は明日から一週間程、大阪、金沢、岡山を回ります。

日経、産経エクスプレス、みんなの願い





6/12付け「日経新聞」(夕刊)、6/13付け「産経エクスプレス」、6月中旬「みんなの願い」

朝日、毎日、読売




公開に合わせて、様々なメディアに露出が続いています。
まずは6月12日の夕刊各紙(朝日、読売、毎日)。

Sunday, June 14, 2009

The Japan Times


The Japan Times6月12日号にも、『精神』の大きな記事が載りました。
ウェッブでも読めます。

The Japan Times (June 12th Issue) ran a big article on MENTAL. It can be read on the web, too.

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ff20090612a1.html
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ff20090612i1.html

From despair to somewhere
Kazuhiro Soda's latest film is a fascinating insight into a Japanese mental-health clinic

By MARK SCHILLING

Seishin Rating: (3.5 out of 5)

Director: Kazuhiro Soda
Running time: 135 minutes
Language: Japanese
Opens June 13, 2009

In the United States, doctors prescribe psychotropic drugs as commonly as cold tablets and memorists detail their breakdowns and addictions in best-selling books. In Japan, however, the mentally ill often try to hide their condition from employers, family and friends, while seeking treatment only as a last resort.

They fear, rightly in many cases, the stigma of being labeled "weak," "strange" or "crazy" in a conformist society with a culture of shame. Suicide starts to look like the only, tacitly approved, way out.

Soda, a New York-based documentary filmmaker who has screened "Seishin" at film festivals in Busan, Berlin and elsewhere, picking up several prizes along the way, opens a rare window into their lives, but less as an impassioned advocate than as a fly-on-the-wall observer.

In condensing hundreds of hours of footage shot at a mental-health clinic in Okayama in 2005 and 2007, Soda added no editorializing titles, narration or music. He also let his subjects, as much as possible, speak for themselves, minus the digital masking considered de rigeur for television interviews.

One problem with this minimalistic approach is that we have to piece together even basic information from on-the-fly comments, rather than answers to specific questions. The mysteries of how, when and why Dr. Masatomo Yamamoto, the elderly psychiatrist who is the film's hero, came to run his clinic, which many of his patients regard as a second home, are never quite explained.

Also, Soda's camera can be ruthless in exposing the vulnerabilities, character flaws and even crimes of his subjects. In one chilling scene, a schizophrenic woman confesses to killing her baby in a black fit of frustration — and one wonders at the consequences for her, both social and legal.

But this dedication to showing the bad as well as the good creates more trust between the filmmaker and audience than propagandizing, which can present the mentally ill as saintly victims. True, Soda could have told his story more concisely — his 135-minute film is at least half an hour too long — but by the end I knew his subjects and their world in the raw and in the round, as though I'd spent a few weeks hanging around the clinic.

"Seishin" 's central figure is Yamamoto, now 73, who started the Chorale Okayama clinic in 1997 as a sort of postretirement project. He has since added a milk-delivery and restaurant business, staffed by patients, as well as opening a shelter where patients can stay temporarily. His aim, with the support of a dedicated staff, has been to create a community where the mentally ill can develop the self confidence, survival skills and human connections they need to ease their transition into the larger society.

In his dealing with patients, Yamamoto initially comes across more as the crusty neighborhood sensei (teacher) than the crusading reformer: Doctor-patient conversations are short and drugs are doled out by the fistful. But Yamamoto's methods, such as his habit of tossing his patients' questions back in their faces ("What do think you should you do?") and drawing little diagrams to illustrate his points (a straight line for the stages of life in the West and a circle for the East), have a Zen-like wisdom.

He has not, however, created a happy little utopia — many of his patients are suicidal, socially isolated and living on public assistance. One middle-aged woman tells how, the night before, she ended up in the hospital after overdosing on her medications. She shows her wrists, crisscrossed with scars. Her face tear-strained, she speaks of wanting to die. Several other patients confess to similar thoughts, and after filming was completed, two carried fatally through.

Yamamoto is also no miracle worker, restoring patients to health with a pithy word or two. One, a heavy-set, quick-witted raconteur whose monologues are punctuated by punning gags and party tricks, tells how he had his first breakdown as a high-school student prepping 18 hours a day for his college entrance exams. Instead of answering the questions on his semester tests, he assigned ratings to his teachers, grading them on a scale of 1 to 100. After being tagged as "strange" for this incident, he was referred to Dr. Yamamoto, and has been seeing him for 25 years.

"He's like a god to me," he says. But God can't erase that long-ago trauma or restore the lost time.

What Yamamoto and his staff do provide, though, is a vital lifeline that gives patients the support they need to recover — or simply make it through the day.

But, now, as Soda also shows, the patients are faced with government-mandated cutbacks in services and hikes in payments. They hold meetings and voice their objections, but compared with other, better funded and connected constituencies, they are all but powerless.

"Seishin," which Image Forum theater in Shibuya will screen in an English-subtitled print daily at 6 p.m., and which will later open around the country, ought to be seen by, not only Diet members voting on health-care legislation, but anyone interested in how minds can become sick — and be cured. As Soda so eloquently shows, the mentally ill aren't marginal "others," but like people we see around us every day at work and at home. Even in the mirror.

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FILM INTERVIEW
Soda takes a pop at taboos

By MIZUHO AOKI
Staff writer

Kazuhiro Soda made his name with his first documentary film "Campaign," which follows the director's former classmate Kazuhiko Yamauchi as he campaigns for a city-council seat in Kawasaki, Kanagawa Prefecture. The film was screened at the Berlin Film Festival in 2007, broadcast on TV in around 200 countries and last month, in May, won the prestigious Peabody Award, which is often referred to as the Pulitzer Prize for radio and broadcasting.

His second feature documentary, "Seishin" ("Mental"), breaks a taboo and opens — as the director puts it — "an invisible curtain" between the so-called "healthy" and "the ill."

The day after he finished filming "Campaign," Soda stepped inside Chorale Okayama, an outpatient mental clinic in Okayama Prefecture, to see the world inside the curtain.

"I went to the clinic as an outsider, met many people, heard many stories and left the place. Then I reconstructed my experience into this film the way audiences can relive the time I had there, as if they visited the clinic themselves" says Soda in an interview with The Japan Times.

The Japan-born N.Y.-based director didn't do any research on the subject beforehand. "That's my policy. I tried to observe the reality as it is, with an open mind," he explains. "I went there with my camera ready to roll, asking each person I met for permission to film them."

The process, however, was not easy. The director notes, "eight or nine people out of 10 said no. But luckily, one or two said yes."

All the people who agreed to be in the film expose themselves with surprising candor. They talk frankly about their personal histories and the reason why they are at the clinic; and some of the stories are shocking.

Soda, who just turned 39, reveals, "There were some scenes that I couldn't make up my mind easily about whether I should use them or not." Among them is a scene where a woman reveals her heart-wrenching past and how she ended up killing her baby.

After long and deep consideration, Soda included the scene. The story could not be excluded from the film if the woman was to be portrayed accurately.

However, when the woman found out that the scene was in the film at a special screening held for the patients and the clinic's staff, she got distracted and said that she can no longer walk down the streets. "Though I expected she may react the way she did, I was stunned. But then one of the patients raised her hand and said, 'I've known you for a long time, but I never knew your real pain, and I'm glad that I learned it now. I also raised kids myself so I know how difficult it can be.' Then many spoke up" recalls the filmmaker, continuing, "The woman finally said she's glad that she's in the film, saying, 'For the past 15 years, I thought if I tell the story, everyone will be my enemy. Just to know that there are some people who understand me is enough for me.' "

Still, Soda is anxious as to whether she can remain like that after the film is released in Japan.

"She is vulnerable; a little thing can hurt her" worries Soda, adding, "I'm aware that there could be some kind of attack from society. If something happens I'll have to overcome the problem together with her."

After he completed the film, Soda finally had time to sit with the clinic's hero, Dr. Yamamoto.

"I wanted to ask him so many things during the shooting, but I restrained myself from doing that. I knew, if I asked, the film would be about Dr. Yamamoto — the great doctor and his patients who beg him for help — and I didn't want to depict such a cliched picture" explains Soda.

"Dr. Yamamoto told me that the root of mental illness is that the sufferers are lonely and that to be fully cured they need to connect to another person. No matter how advanced the medicine is, in order to recover fully, they need to know that they are not isolated" says Soda. "I believe that one of the reasons why Dr. Yamamoto uses such an old-fashioned Japanese house as his clinic is to make it a most relaxing environment with tatami mats etc. — a place for them to meet others, become friends and make a community."

mixi逆取材追加しました。

http://mixi.jp/view_album.pl?id=30572721&owner_id=2074478&page=8

Saturday, June 13, 2009

「T.」日本映画を変える5人

TOHOシネマズ(シネコン)限定販売の雑誌「T.」に、「日本映画を変える5人」という特集が組まれていて、それに僕も選ばれました。ライムスターの宇多丸さんと、社会学者の宮台真司さんと、鼎談をしました。どうぞお読み下さい!

http://www.tohotheater.jp/newstopics/t/index.html


初日満員御礼!




6/13(土)、『精神』が東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、全国に先駆けてついに劇場公開スタートしました。

この日の上映は4回とも満員御礼。入れない方には大変申し訳なかったのですが、観て下さった方々の反応も力強く、最高のスタートを切りました。大ヒットの予感に興奮。

初回の舞台挨拶には、映画の舞台になった「こーらる岡山診療所」代表の山本昌知医師、そして参議院議員の川田龍平氏が駆けつけてくださり、TBS「ザ・ニュース」の撮影隊など大勢のマスコミの方々も取材に来てくださって、大変盛り上がりました。

その後、近くの美竹公園にて、山本先生による「公開生き方相談」も行われ、ひとり5分ずつですが、16人の方々が時間一杯までアドバイスを受けました。

また、19時からの最終回の後には、僕だけ質疑応答に臨みました。矢継ぎ早に真剣な質問が出され、手応え充分でした。充実した1日でした!

14日(日)、15日(月)、16日(火)の19時からの最終回上映後に、想田による質疑応答を行います。ぜひお出掛け下さい。

Thursday, June 11, 2009

『精神』Q&A+特別プレゼント! MENTAL Q&A + Special Present!


東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで、6月13日(土曜)から、いよいよ『精神』の劇場公開が始まります。
映画は1日4回上映します(10:45/13:30/16:15/19:00)。19時の回は、英語字幕付きです。

13日の初回(午前10:45)の上映後、山本昌知医師と川田龍平参議院議員をお迎えして、舞台挨拶を行います。また、場所を劇場近くの美竹公園(東京都児童会館隣)に移して、13時45分から山本先生による「公開生き方相談」も行います(14時45分まで)。 ぜひご参加ください。

それに加えて、僕は13日、14日、15日、16日の19時の回の上映後、質疑応答を行います。

また、シアター・イメージフォーラムでは、拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版、1400円)のサイン本を、先着30冊お売りしています。その30冊の中に、1冊だけ「『選挙』DVD大当たり!」と書かれた「当たり本」が混じっています。運良く?当たり本を購入された方には、『選挙』DVD(海外版)をイメージフォーラム窓口にて進呈いたします!

Starting from Saturday, June 13th, MENTAL will be released at Theater Image Forum, Shibuya, Tokyo.
The movie will be screened for 4 times a day (10:45/13:30/16:15/19:00). The 19:00 show will be with English subtitles.

At the very first screening on 13th, we'll have Dr. Masatomo Yamamoto, one of the characters in the movie, and a Diet member Mr. Ryhei Kawada as guests. We'll then, move to Mitake Park to have a free open consultation with Dr. Yamamoto from 13:45.

In addition to that, I'll do Q&A after the 19:00 show on 13th, 14th, 15th, and 16th.

Also, my book "Mental Illness and Mosaic" will be available at the theater. The first 30 copies will be with my autograph. And among these copies, one of them says "Senkyo DVD Oatari!." If you are the lucky customer to buy that book, you'll be given a DVD copy of CAMPAIGN for free!

Wednesday, June 10, 2009

名越康文さんとのトーク


9日に行われた『精神』一般試写会と、精神科医の名越康文さんとのトークショーの模様が、ニュースで紹介されました。

この日は猫アレルギーで目が腫れてしまったため、僕はサングラスをかけてます(猫アレルギーには生まれて初めてなりました。実家に6.5匹も猫がいるのです!(1匹はご飯だけ食べにくる地域猫))

http://news.pia.jp/pia/news_image.do?newsCd=200906100000&imageCd=0

Cinema Topics Online の記事はこちら。
http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=4172

ヤングジャンプに記事掲載


本日(6月11日)発売の週刊「ヤングジャンプ」に、僕のインタビュー記事が見開き2Pで掲載されています。ぜひお読み下さい。

http://yj.shueisha.co.jp/magazine/

Tuesday, June 09, 2009

逆取材を追加

好評連載中の「逆取材」、写真を追加でアップしました。実『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の城繁幸さんともラジオで対談させていただいたんですが、ぬあんと、写真を撮るのを忘れた〜(涙)! いままでパーフェクトに撮ってきたのにな…。
(すみません、Mixiの会員でないと観れません)
http://mixi.jp/view_album.pl?id=30572721&owner_id=2074478&page=7