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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!

Friday, July 29, 2011

「やわらかい部分」 

講談社「本」8月号に掲載された文章です。出版社の許可を得て全文転載します。

「やわらかい部分」 

想田和弘

『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』(講談社現代新書)をギリギリで書き上げて飛行機に飛び乗り、イギリスのシェフィールド・ドキュメンタリー映画祭へ参加した。新作ドキュメンタリー映画『Peace』のイギリス初上映が予定され、僕も招待されていたからである。

僕はドキュメンタリーを撮る際に、先入観や固定観念に縛られないため、事前のリサーチや打ち合わせを排し、台本や概要を書かない。目の前の現実を観察しながら、行き当たりばったりでカメラを回すようにしている。また、観客にも映画の世界を自由に観察し、解釈してもらうため、ナレーションや音楽を使わない。そして、そういうドキュメンタリーの方法論やスタイルを「観察映画」と呼んでいる。

拙著では、「観察映画」の源流であるダイレクトシネマ(1960年代にアメリカで勃興した、ナレーションなどを排したドキュメンタリー運動)の歴史から紐解き、なぜ、どのようにして僕は観察映画を作るのか、そしてドキュメンタリーの魅力とはいったい何なのか、全力で書いた。その作業がやっと一段落し、僕は幽霊のごとくフラフラとイギリスへ旅立ったわけである。だから、今回の旅は半ば休暇のつもりだった。

ところが、甘かった。飛行機を降りたら目の前に、車椅子に腰掛けた白髪の老人がいたのである。見覚えのある黒縁眼鏡。ダイレクトシネマの伝説的巨匠アルバート・メイスルズ監督である。僕が勝手に「心の師匠」と決めている人物の一人だ。しかも空港で彼と同じ車に乗り込み、約一時間離れた映画祭会場まで同行することになった。今回のシェフィールド映画祭では、監督は「生涯功労賞」を受賞するそうで、回顧上映と方法論を語る「マスタークラス」が行われる予定だという。これでは僕も息抜きなどしていられない。

アルバート・メイスルズは、1926年にボストンで生まれた。30代の頃、J・F・ケネディの選挙運動を描いたダイレクトシネマの記念碑的名作『大統領予備選挙』(1960年)のカメラマンに抜擢され、ダイレクトシネマ運動の中心的メンバーになる。64年には弟のデーヴィッドと組んでビートルズのアメリカ初訪問を活写した『アメリカのビートルズ』、68年には聖書を売り歩くセールスマンの悲哀を描いた『セールスマン』、70年にはローリング・ストーンズの全米ツアーに密着した『ギミー・シェルター』、76年には後にブロードウェー・ミュージカルにもなった『グレイ・ガーデンズ』などを発表。ここには挙げきれぬほどの傑作の数々を生み出し、かつてあのゴダールに「アメリカで最高のカメラマン」と言わしめた人物である。

ニューヨーク在住のメイスルズ監督には、実はこれまでに三回お会いしているが、車の中で僕は改めて自己紹介し、ダイレクトシネマのスタイルを自分なりにアレンジして「観察映画」を撮っていることを告げた。すると時差ボケで眠そうだった巨匠は、にわかに満面の笑みを浮かべ、こう言った。

「われわれのやり方がベストだろう!」

おお、“the best”と言い切るのか。相対主義が支配的な昨今だけに驚いたが、その言葉には強い確信と誇りが感じられ、心を動かされた。そして彼はこう続けた。

「映画にはdiversion(気晴らし・娯楽)のための作品と、engagement(観客を巻き込む)のための作品がある。私は後者を目指してこれまで映画を作ってきた」

映画を「娯楽」と「芸術」に分ける議論はよく聞くが、diversionの対義語としてengagementを使うのは興味深い。ここで言うengagementとは、「観客に能動的に関わってもらう」というニュアンスだろう。僕がよく「観客にも自分の目で映画の世界を観察して欲しい」と言っているのと同じ趣旨だと思う。

観察映画はダイレクトシネマをお手本としているが、実作者の僕は学者とは違って、作品を観ることによって直に影響されるのであって、作り手の理論や方法論を文献などで研究したわけではない。しかし、ときおり作家のインタビューなどで彼らの言葉に触れると、自分の考え方と酷似していて「やっぱり」と思わされる。後に開かれたマスタークラスでも、メイスルズは「ドキュメンタリーは被写体の体験を描くもの」と発言したが、それも僕が普段「ドキュメンタリーは作り手の体験を描く体験記」と言っているのと基本的には同じことだ。

逆にメイスルズは僕の新作の題名が『Peace』であると聞いて、「それは私が次に撮りたいと思っていた題材だ。なぜ映画作家は戦争ばかりを描くのだろう。われわれは平和の方法を描く必要がある」と興奮気味に言った。ちょっと畏れ多い言い方だが、僕らは国籍も世代も異なるのに、かなりの「似た者同士」なのである。

僕は試しに、メイスルズに方法論のことも訊ねてみたくなった。僕は予定調和を避けるため、事前に台本や概要を書かないが、彼はどうなのだろうか。

「撮影前には何も書かない。もちろん製作資金を集めるために作品の概要を書くことはあるけど、それは自分のためのものではない」

やっぱり。こうなると、拙著でもひとつの焦点となった「ドキュメンタリー作家の加害性」という問題についても、巨匠の見解を聞きたくなる。つまり、ドキュメンタリー作家は、カメラを生身の人間に向け、その心の内側の「やわらかい部分」をすくいとろうとする。そして、それがやわらかければやわらかいほど、被写体が傷つく可能性も高まる。そのことを彼はどう考えているのだろうか。

メイスルズの作品は、被写体と厳しく対峙しない。むしろ共感と愛情をベースにして作られるのが特徴だ。それでも彼の映画には、人間が普段は覆い隠しているような、「やわらかい部分」も必ず映し出されている。例えば、『セールスマン』の中で、いくら頑張っても聖書が売れず、疲れ切った中年セールスマンの顔。『グレイ・ガーデンズ』の中で、赤裸々に映し出された元上流階級の貧しい暮らしぶり。シェフィールド映画祭で初めて観た彼の最新作『モハメッドとラリー』(2009年)では、気力と体力の衰えのため試合で無惨に敗れるモハメッド・アリの姿が映し出されていた。

そうした「やわらかい部分」が見えるお陰で、観客は被写体たちの体験を共有し、深く共感したり、理解したりすることができる。しかし同時にそれは、被写体らを裸にして無防備にする危険な行為でもある(と僕は思う)。そういうジレンマを、メイスルズは感じたりしないのだろうか。

『モハメッドとラリー』上映後の質疑応答の際、僕は思い切って質問した。するとそれまでにこやかだった大御所は、さっと顔色を変え、緊張した面持ちでこう答えた。

「常にそれには細心の注意を払っています。『グレイ・ガーデンズ』のときには、“可哀想な人たちを被写体として利用した”と批評家から激しい批判を受けた。しかし、映画を観た本人たちは“傑作ができたね”と、とても気に入っていた。実際、今まで被写体から編集を変えてくれと言われたことはない。肝心なのは、行き過ぎない(don't go too far)ことです。撮影中、被写体の女性があまりにも個人的な話をし始め、“彼女の顔を映画で晒してはならない”と感じたことがあった。そのとき私は、カメラを被写体の顔から外し、代わりに手を撮りました」

「行かない(踏み込まない)」ではなく「行き過ぎない(踏み込み過ぎない)」というのが、メイスルズらしい。ただ、現実にはどこからが行き過ぎで、どこまでが行き過ぎでないのか、その判断自体が難しいのではないか。特に、作り手が「行き過ぎていない」と信じていても、被写体がそう感じるとは限らない……。僕はそのように自問しながら、シェフィールドを後にした。

“don't go too far”という彼の言葉は、ニューヨークに帰った今も、彼の柔和な笑顔とともに、僕の頭の中でこだまのように反響し続けている。彼の映画を支えてきたのは、実は、彼が自分自身に言い聞かせ続けてきたであろう、その言葉だったのではないか。ふと、そんな気がしてきた。それは僕の今後の映画作りにも、どんな芽が出るか予想のつかない種を宿した。

(そうだ・かずひろ 映画作家)

Tuesday, July 26, 2011

7/29 ニコ生出演

7/29日21時、ニコ生に生出演します。題して「想田和弘に直撃!ドキュメンタリー映画とそのウラ側にある真実。新手法「観察映画」の極意を語る。」

Friday, July 22, 2011

各地で舞台挨拶

各地で『Peace』舞台挨拶します。

7/23(土)と24(日) in 岡山
本日『Peace』の上映が開始したシネマクレールでは​、7/23と7/24に上映後のトークショーを行います。7/24(日)の10:00の回には、岡​山市内で地域猫活動をしている「御野学区地域猫の会」の武本洋子​さんに登壇していただいて、岡山での地域猫活動についてお話し頂きます。トークを行うのは下記の回です。是非ご来場下さい​。
7/23(土) 10:00〜/15:00〜
7/24(日)10:00〜
@シネマクレール 岡山市北区丸の内1丁目5−1
■TEL:086-231-0019

7/24(日)in 広島
横川シネマでの劇場公開を記念して、7/24(日)にトークショー付きの先行上映を行います。
■『Peace』先行上映&想田和弘監督トークショーin広島
日時:7/24(日)17:15開場・17:30開演
会場:横川シネマ 082(231)1001

7/27(水)in 福島 7/28(木)in 仙台
フォーラム福島(7/27)とフォーラム仙台(7/28)にて
本上映の前にトーク付プレミア先行上映が決まりました。
■『Peace』想田監督トーク付プレミア先行上映in福島
日時:7/27(水)19:30~
会場:フォーラム福島 024(533)1717
■『Peace』想田監督トーク付プレミア先行上映in仙台
日時:7/28(木)18:15~
会場:フォーラム仙台 022(728)7866
各会場ともに上映後には想田和弘監督によるトークと質疑応答を行います。

7/30 in 松本
13:00から
「第23回 国連軍縮会議in松本」開催記念
『非戦・共生 -ともいき- 映画祭』
http://www.cinema-select.com/next_movie.html 

7/30-8/1 in 大阪
大阪第七芸術劇場にて、Q&Aマラソンやります。
7月30日(土)19:20回 上映後
7月31日(日)12:20 / 14:00 / 19:20 各回上映後
8月1日(月)12:20 / 14:00 / 19:20 各回上映後

8/2(火)in 松山
「先行上映&想田和弘監督トークショーinシネマルナティック」
日時:8/2(火)18:40開場・19:00開映
会場:シネマルナティック
松山市湊町3-1-9マツゲキビル2F
tel・fax:089-933-9240

Thursday, July 21, 2011

今日マチ子さんからコメント

漫画家の今日マチ子さんから『Peace』にコメントをいただきました。

ーーー

何も物語が生まれないと思い込んでいる日常が、鮮やかに立ち上がる瞬間。小さな世界、猫たちのルール、ゆるやかな変化と調和。不満と諦め、たまにきらめき。「平和」はいつもわたしたちの手の中にある。

今日マチ子(漫画家『センネン画報』『みかこさん』)

Friday, July 15, 2011

『Peace』いよいよ公開! Peace to open in Japan!

明日7/16(土)、ついに『Peace』の劇場公開が東京・渋​谷のシアター・イメージフォーラムで始まります。

上映スケジュールは下記の通り。

11:15(=日本語字幕付き), 13:15, 15:15, 17:15, 19:15(=英語字幕付き)

7/16, 17, 18は想田が1日5回合計15回の「Q&Aマラソン」を敢行。1​1:15の回のQ&Aには手話通訳もついています。また、7/2​0 と7/21には、19:15の回に追加で質疑応答を予定。

7/17の11:15の回には米内山明宏さん(日本ろう者劇団)​が、同日13:15の回には津田大介さん(メディアジャーナリス​ト)がゲストとして想田とトークします。

Tomorrow, Saturday July 16th, our movie PEACE will finally open at Theater Image Forum in Shibuya, Tokyo. The daily screening schedule is below:

11:15(with Japanese subtitles), 13:15, 15:15, 17:15, 19:15(with English subtitles)

On July 16, 17, and 18, I'm doing a Q&A marathon - 5 times a day, 15 times in 3 days! The Q&As after 11:15 screenings are with sign language translation. In addition, on July 20 and 21, I will do Q&As for 19:15 screenings.

At 11:15 on July 17th, We'll have Akihiro Yonaiyama from Japanese Theater of the Deaf as a guest for the Q&A. Also at 13:15 on the same day, Daisuke Tsuda, a renowned media journalist, will be our guest.

Wednesday, July 13, 2011

坂本美雨さんのコメント

先日の明治学院大学での試写会にトークで参加していただいたミュージシャンの坂本美雨さんより『Peace』へコメントを頂​きました。

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ネコとネコの関係、
ヒトとネコの関係、
ヒトとヒトの関係。

なにも色のついていない
まっすぐな目線で映し出される。

なにを本当に愛おしく思っているのか、
なにを最後まで抱きしめていたいのか、
すこしだけ浮かびあがった気がした。

できればネコに生まれたかったけれども、
ヒトとして、ネコみたいに
ただ生きてるだけで美しく、偉く、生きれるようにがんばりたい。

坂本美雨(ミュージシャン)

7/17 津田大介さんとのトークが決定

渋谷・シアター・イメージフォーラムでの『Peace』7/17(日)13:15の回上映後のトークに津田大介さん(@tsuda) ご来場が決定!トークの内容を誰かにtsudaって欲しいな〜。

PEACE with English Subtitles

Peace will be screened with English subtitles at 19:15 everyday at the Theater Image Forum in Shibuya, Tokyo.

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムでは、毎晩19時15の回、英語字幕付きで『Peace』が上映されます。

http://www.imageforum.co.jp/theatre/

『Peace』と日本語字幕(岡山弁字幕)

7/16(土)から封切りの『Peace』。渋谷のイメージフォーラムでは、毎朝11:15の回に日本語字幕(岡山弁字幕?)がつきます。7/17(日)の11:15~の回上映後には、米内山明宏さん(日本ろう者劇団代表)が僕のお相手として来場されます。お楽しみに!

Monday, July 11, 2011


『なぜ僕はドキュメンタリーを撮るのか』、昨日刷り上がりました。まだインクの香りがプンプンと…笑。発売は7/15。アマゾンで予約開始。7/26には青山ブックセンターで出版記念トークします〜。

Some copies of my new book just arrived from the publisher. Still smells like ink! It will be on sale on July 15th and Amazon started accepting orders. On July 26th at Aoyama Book Center in Tokyo, I'll do a talk show to commemorate the release.

Sunday, July 10, 2011

『Peace』逆取材 - Peaceful People

週刊プレイボーイ

『Peace』逆取材 - Peaceful People

厚生労働

『Peace』逆取材 - Peaceful People

C2 (名古屋)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

中日新聞(新入社員見習いカメラマンの研修つき笑)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

カジカジ

『Peace』逆取材 - Peaceful PeopleKa

Kami Kaze Entertainment

『Peace』逆取材 - Peaceful People

神戸新聞、宮田彩未さん(フリー)、岩永久美さん(フリー)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

ラジオ関西

『Peace』逆取材 - Peaceful People

Cinema Rocks!、ジャーナリストネット、大阪日日新聞

『Peace』逆取材 - Peaceful People

夢人搭

『Peace』逆取材 - Peaceful People

ぴあ、江口由美さん(フリー)、中村一成さん(フリー)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

Office Diva

『Peace』逆取材 - Peaceful People

FM 千里

Saturday, July 09, 2011

『Peace』逆取材 - Peaceful People

ABCラジオ

『Peace』逆取材 - Peaceful People

津田なおみさん(フリー)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

春岡勇二さん(フリー)、朝日新聞(大阪)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

読売新聞、毎日新聞、産經新聞(大阪)

『Peace』逆取材 - Peaceful People

楽童、エルネット、日刊ゲンダイ

『Peace』逆取材 - Peaceful People

さくらFM

『Peace』逆取材 - Peaceful People

FM 尼崎

Friday, July 08, 2011

早瀬憲太郎さんのコメント

映画監督の早瀬憲太郎さん(『ゆずり葉』)から『Peace』についてコメントをいただきました。

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何だろう。こびりついた心の澱が一枚ずつ剥がれていく。かつて私達は生まれたときから日常の全てが観察だった。遍く世界に自らの感覚を委ね自由に転がすことの喜びと言いようのない畏れ。ピースにはそれが隅々にまでいきわたっている。ああ,なんて心地のよい映画なんだろう。それでいてかくも心を掻き乱される。想田監督の解き放された感覚に激しく嫉妬した。

早瀬憲太郎(NHK「みんなの手話」講師/映画監督)

Thursday, July 07, 2011

月刊「介護保険」

月刊「介護保険」7月号に僕のインタビューが載っています。下で立ち読みもできます。

My interview on the July issue of Kaigo Hoken.

立ち読み

逆取材

ビッグイシュー

7/1から発売中の「ビッグイシュー日本版」(170号)にインタビュー記事が掲載されています。「人の出会いはいつでも一期一会」。

My interview on THE BIG ISSUE, JAPAN, vol 170 is on sale in Japan.


Wednesday, July 06, 2011

大杉豊さんのコメント

筑波技術大学の大杉豊さんから、『Peace』についてのコメントをいただきました。

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足の不自由な猫に、耳の聞こえない自分自身の姿を重ねてしまう。猫の社会に引っ越しても結構大変そうだ。日本語字幕版を見たが、これは岡山弁字幕版である。面白い。
岡山の地域社会、路地裏にありふれた人の生活ではあるが、75分27秒の観察を通して、人の共生と平和、そして為政者への折り合いをどうつけようか、着地点を探す旅の友としてこれ以上に愉快な映画はない。

(筑波技術大学 准教授 大杉 豊)

『Peace』逆取材

毎日新聞(岡山)

『Peace』逆取材

タウン情報おかやま

『Peace』逆取材

FM 倉敷

『Peace』逆取材

山陽放送テレビ(岡山)

『Peace』逆取材

NHK岡山

『Peace』逆取材

レディオMOMO (岡山)

『Peace』逆取材

山陽放送ラジオ(岡山)

『Peace』逆取材

Oni ビジョン(岡山)

『Peace』逆取材

瀬戸内海放送(岡山)

『Peace』逆取材

山陽新聞(岡山)

Monday, July 04, 2011

竹内薫さんからコメント

猫好き科学作家・竹内薫さんより『Peace』へコメントをいただきました。

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この作品には得体の知れない思想が感じられる。
それは、社会規範や日常に身を任せっぱなしの惰性心に、ざわめきを生む。
ぬるま湯の中の沸点(もしくは氷点)。それが、この映画を見終わった私の素直な感想だ。

竹内薫(科学作家)

Saturday, July 02, 2011

先行上映 in 広島、福島、仙台

広島、福島、仙台の各地で先行上映が決定しました。他にも決まり次第、アップしていきます。

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■『Peace』先行上映&想田和弘監督トークショーin広島
日時:7/24(日)17:15開場・17:30開演
会場:横川シネマ 082(231)1001

■『Peace』想田監督トーク付プレミア先行上映in福島
日時:7/27(水)19:30~
会場:フォーラム福島 024(533)1717
※上映後には想田和弘監督によるトークと質疑応答を行います。

■『Peace』想田監督トーク付プレミア先行上映in仙台
日時:7/28(木)18:15~
会場:フォーラム仙台 022(728)7866
※上映後には想田和弘監督によるトークと質疑応答を行います。

Friday, July 01, 2011

サンガジャパン Vol.6



「サンガジャパン」Vol.6 (2011年Summer)に僕のインタビュー記事が出ています。そのほんの一部を抜粋します。

―震災は大災害ではあり悲惨なことである。しかしながら、生き方を見直すのにはチャンスであるという意見があります。
それは同感です。一つ思ったのは、近年の日本人はすごくフワフワした生き方をしてきた。生命の危険をほとんど感じない世代が幾つか続いたでしょう。戦争を知っているのは、かろうじて僕の親の世代まで。それ以降の世代の大半は「もしかしたら今日死んでしまうかもしれない」と言ったような危機感とは、ほぼ無縁で生きてきたのだと思います。「死」が遠ざかっていて、だからこそ生きることが難しい。生と死はセットだから、死が遠ざかると生も遠ざかるのです。 
 今回、震災の死者数は最終的に二万人以上に上ると予測され、さらに原発問題があります。「今日何を食べるのか」「水道水を飲むのか飲まないのか」「移住するのかしないのか」。それぞれの生命に関わりかねない、様々な問題が出てきました。そのことで死を意識し、今まで休眠していた感覚が立ち上がる契機になるかもしれません。それ自体は悲劇なのですが、悲劇を肯定的にとらえれば、「何が大事なのか。何故、自分は生きているのか。なぜ仕事をするのか」ということを問い直す機会にもなると思うのです。

雑誌「宣伝会議」

「宣伝会議」(2011年7/1号)に寄稿しました。

その出だし:
「震災以後、映画で何かを表現する際にどのようなことに配慮すべきか」というお題をいただいた。結論から言えば、「必要なのは配慮ではない。覚悟である」というのが僕の考えである。 
東日本大震災、特に原発震災は、われわれに世界観や生き方、更には文明のあり方そのものの根本的な見直しを迫る一大事件である。それが決して突然起きたわけではなく、長い間かけて少しずつ積み重なった原因の当然の結果であるとはいえ。だから、これから作る映画が原発震災の影響を受けることは、むしろ必然だ。影響を受けない方がおかしい。
しかし、それはあくまでも必然的に、「否が応でも影響を受けてしまう」のであって、「何かに配慮して変えるべきこと」ではないはずだ。「配慮する」などという傍観者的余裕は、日本人はおろか、本来ならば人類の誰にもない。問題は、津波のようにわれわれ人間に襲いかかってきた「物事の当然の帰結」をどう受け止め、どのような行動をとるかである。… 
 http://ec.sendenkaigi.com/hanbai/magazine/sendenkaigi/