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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!

Sunday, July 27, 2008

PBS broadcast on July 29!

I'd like to let you know that 60-minute version of CAMPAIGN will be broadcast nationally on PBS's POV series at prime time on July 29th (10PM). Please check it out!

The website below will be expanded with lots of features and interviews right before the air.

http://www.pbs.org/pov/pov2008/campaign/preview.html

お知らせです。

7月29日(火)、アメリカの公共放送PBSで『選挙』短縮60分版が全米でプライムタイム(午後10時)に放送されます(POVシリーズの一環)。
下記のサイトは、放送直前に拡充され、山さんや僕のインタビュー、教材などが掲載される予定。アメリカ在住のみなさん、よかったらご覧下さいませ。

http://www.pbs.org/pov/pov2008/campaign/preview.html

Sunday, July 20, 2008

ラブホテル街に居を構える

昨晩、東京に着いた。この前日本からNYに帰ったのが五月上旬だったから、あれからたったの2ヶ月しか経っていない。しかし全然そんな気がしない。

今回の被写体である平田オリザさんの青年団/アゴラ劇場は、井の頭線の駒場東大前が本拠地なので、僕は駒場から一つ目の駅である神泉に近い場所にマンスリーマンションを借り、入居した。神泉近辺はラブホテルが林立する地区で、マンションの目の前も横もラブホテル!という凄いところである。何年も前、NHKの番組を編集するために長期滞在したホテルも、同じエリアにあった。僕はよくよく、ここと縁があるらしい。

今朝は例によって時差ぼけで早起きしてしまい、腹も減ったので朝飯を食おうと外出したら、カップルやその筋のお兄いさん達が、幽霊みたいに脱力した感じでゾロゾロと帰途についている。夕べさぞやハッスルしたのだろう(笑)。昨日までニューヨークに居たことが嘘であったかのような、シュールな気分。

今日は青年団の若手の人の作品を観たり、撮影の打ち合わせをしたりする予定。そして明日から本格的に撮影だ。

Saturday, July 19, 2008

人間の條件 第一部

明日東京へ出発するのだというのに、今日からフィルムフォーラムで小林正樹監督の『人間の條件 第一部』をやるというので、観に行った。第一部だけで三時間半、三部合わせると10時間近い超大作。前の日記に書いた通り、第三部は先日主演の仲代達矢氏と並んで鑑賞した。

第三部も凄かったが、第一部も凄まじかった。無理して観て、本当に良かった。第二部はまだ観てないが、もしかするとこの映画は、これまでに僕が観た映画の中で、最も偉大な作品かもしれない。いや、人類にとって最も重要な作品かもしれない。とにかく圧倒された。一瞬たりとも緊張感が途切れない。三時間半が、あっという間に過ぎた。こんな映画は、二度と、世界中の誰にも撮れないだろう。

複雑な現実を複雑なまま提示しているこの映画を、一言で総括するのはあまりにも乱暴だが、敢えて言うならば、これは倫理を貫くことについての映画であると思う。断っておくが、ここで言う倫理とは、道徳とは全く異なる。

道徳とは、社会から強制されるルールを差し、時と場所によってコロコロ変わりうる。例えば、『人間の條件』の時代の道徳的行いとは、天皇のために死ぬことであり、どんな理不尽な命令でも上官や上司に従うことであり、中国人の首を平気で切り落とせることである。それが日本の敗戦と同時に、一夜にして180度ひっくり返ったことは、誰もが知っている。

それに対し倫理的行いとは、自らの良心に従った行いであり、主体性を有する者だけが獲得できるものである。つまり、人間の内面から出てくる規範。したがって、場所や時代が変わってもそう簡単に変わるものではなく、普遍的である。

戦時下の満州で、自らの良心に耳を傾け、非暴力と博愛という倫理を貫こうとする仲代達矢は、当時の日本人としての道徳とことごとく齟齬をきたし、徹底的な迫害を受ける。普通の人間なら、自分の身が危なくなれば道徳の側に寝返り、自らの倫理を捨て去ってしまうのだろうが、仲代扮する梶は、苦悩にのたうちながらも、頑強に倫理を捨てない。彼にとっては、それを保持することが、人間であるための条件なのである。

その闘いぶりが、あまりにも凄まじく、痛ましく、しかし力強く、美しい。魂を揺すぶられる。強大な力に比して梶はあまりに非力で、翻弄され、痛めつけられ、負け続けていくのであるが、彼が自らの倫理に従う限り、本当に負けているのは道徳の側なのである。

ぜひご覧下さい。

http://www.filmforum.org/films/human.html

Thursday, July 17, 2008

東京の前に、鍼

ロンドンから帰ってきたのもつかの間、あさって19日、東京へ出発する。観察映画第三弾『青年団(仮題)』の撮影のためである。撮影は、とりあえず9月半ばまでの長丁場。そのためにマンスリーマンションを借りた。今度も独りで撮影の予定だが、体力がもつかどうか…。

と案じていたら、カミさんが「鍼に行くべし」と言うので、今日は中国人の名医・ヤン先生のところへ行って来た。ヤン先生には、夫婦ともども14、5年お世話になっている。

いつものことだが、鍼を打ってもらうと、刺したまま、3、40分放っておかれる。その間、ツボをさされているせいか、標本の昆虫になったみたいに、身動きができなくなる。しかしそれがなぜか心地よい。知らぬ間に眠りに落ちる。そして眠りから覚めようというころ、ヤン先生が鍼を抜きに来て、治療が終わる。これまたいつものことだが、何となく頭も体もすっきりして、気力が湧いてくるのを感じる。

東京では、イメージフォーラムで1日だけ講師もします。
http://www.imageforum.co.jp/school/summerschool/documentary.html

Wednesday, July 09, 2008

ロンドンへ行きます

お知らせです。

明日(10日)からロンドンに行きます。
川喜多かしこさん生誕100年記念のイベントで、日本映画をテーマにしたシンポジウムがあり、それに参加します。
日本からは映画評論家の佐藤忠男さんが参加されます。
橋口亮輔監督も来られる予定だったのですが、体調が悪くキャンセルされたとのこと。残念です。英国側からは、トニー・レインズさん等が参加されます。
また、『選挙』の上映と質疑応答も行います。

http://www.jpf.org.uk/whatson.html

I'm flying to London tomorrow (10th) to attend an event to commemorate the 100th anniversary of Kashiko Kawakita. I'll speak at a symposium on Japanese Cinema along with renowned critics Tadao Sato and Tony Raynes.

CAMPAIGN will be also screened. I'll be at the Q&A.

http://www.jpf.org.uk/whatson.html

Tuesday, July 01, 2008

Kawase @ Japan Society

いきなり決まったんですが、7月3日、NYのジャパン・ソサエティで河瀬直美監督のドキュメンタリー作品上映後、監督ご本人を招いての質疑応答を僕が仕切ることになりました。

http://www.japansociety.org/content.cfm/event_detail?eid=6a558025

河瀬さんとは既に二度も対談をしているので、今回で三回目の顔合わせ。ただならぬ因縁を感じます。なんと入場無料だそうです。NYのみなさん、ぜひご来場ください。劇場ではなく、小さい部屋でやるそうなので、どしどし質問しちゃってくださいませ。

質疑応答があるのは8時からの回ですが、6時15分からの『につつまれて』『きゃからばあ』の上映も見逃せませんぞ。

On July 3rd at Japan Society in New York, I'll be the host of Q&A with Naomi Kawase after the screenings of her documentaries.

http://www.japansociety.org/content.cfm/event_detail?eid=6a558025

This is the 3rd time I meet with her to speak in public. The admission is for free. And the room that takes place is pretty small, so it will be an intimate session. The Q&A session is after the 8:00 PM screening, but don't miss the screening from 6:15 PM, too!