「グラフィカ」第3号に僕のインタビューが掲載されています。超硬派で面白い本です〜。
http://www.graficamag.com/grafica.html
以下、インタビューのほんの一部の抜粋です。
ー作為を排するということですか?
いや、作品ですから作為はあります。「この映画を撮ろう」と思うこと自体が作為ですから。作品のために行うあらゆる行動に作為があるわけです。
編集のときもそうです。例えば『精神』でいうと、70時間の映像素材を2時間15分にまとめたわけですから、68時間は捨ててるわけです。凄まじい選別作業です。
で、どうやっているかというと、まず自分が興味のあるシーンからどんどん繋いでいきます。そうするといくつもシーンができあがります。それを一本にまとめます。でも、まとめた時点ではこれはシーンの羅列でしかない。映画にならないんです。で、ここからパズルがはじまるんです。シーンを入れたり出したり、順序を入れ替えたり。そのうちに、「実はこの映画のテーマはこういうことだったのか!」などという“気づき”が、編集し始めて4、5ヶ月目位にやっと出始めて来る。そしたらその視点を先鋭化するために、また順序を入れ替えたり、ショットの順番を調整していく。これが編集の技術なんですね。作為以外の何物でもない。
ただし、それは自分の考えに現実を無理矢理当てはめるための作為ではなくて、自分が対象を観ることで徐々に獲得していった視点を表現するための作為であるわけです。それで僕は編集に10ヶ月かかるんですよ。
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