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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!
Wednesday, June 30, 2010
在外投票
今日は参議院選挙の在外投票に行きました。ニューヨーク総領事館で投票しました。写真は、投票の際に必要な「在外選挙認証」。投票するたびにその記録が残されるのですが、今回で表が一杯になってしまったので、新しいものと交換すべく返納しました。2001年からの付き合いだし、ちょっと名残り惜しかったので写真に撮りました。
そういや、2007年の投票の時にもブログに書いてたな。
http://documentary-campaign.blogspot.com/2007/07/oversea-vote.html
拙作『選挙』、参院選を盛り上げるために?劇場で再公開中です。投票は観賞後にお願い致します(笑)。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html
Monday, June 28, 2010
マニフェストの比較
参院選では、いつものようにニューヨークの総領事館で在外投票をする予定だ。そこで各党のマニフェストを読み比べたり、候補者のホームページを読んだりする作業を進めている。
ただ、2010年のマニフェストを比べるだけでは不十分な気がしている。特に政権の主体となっている民主党については、09年と10年のマニフェストを比べることが不可欠だろう。
で、ざっと読み比べてみて驚いた。
まず、全体的な記述の曖昧化。09年のマニフェストの方が、驚愕的なほど遥かに詳しく具体的。09年には明記されていた政策の実現にかかる金額も、10年には消えている。なぜこれほどまでに後退しているのか?大きな謎だ。
例えば、雇用に関する記述は09年では次の通り。
一方、10年は次の通り。
09年と10年では、詳しさが比べ物にならない。この調子で、あらゆる項目が極度に簡素化されてしまっている。
あと、前にはあったのに説明なく消えている項目にも気がついた。例えば、取調べの可視化。09年には次のように明記されているが、10年には一切記述がない。
09年のマニフェストは、国民との約束である。それができなかったり、変更するなら、きちんと説明すべきだろう。有権者としては、候補者と話す機会があったら、疑問をぶつけてみるのも良いだろう。
09年衆院選の民主党マニフェスト
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/txt/manifesto2009.txt
10年参院選の民主党マニフェスト
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2010/data/manifesto2010.txt
なお、映画『選挙』は参院選にぶつけて再公開中です。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html
ただ、2010年のマニフェストを比べるだけでは不十分な気がしている。特に政権の主体となっている民主党については、09年と10年のマニフェストを比べることが不可欠だろう。
で、ざっと読み比べてみて驚いた。
まず、全体的な記述の曖昧化。09年のマニフェストの方が、驚愕的なほど遥かに詳しく具体的。09年には明記されていた政策の実現にかかる金額も、10年には消えている。なぜこれほどまでに後退しているのか?大きな謎だ。
例えば、雇用に関する記述は09年では次の通り。
(09年民主党マニフェスト)
5雇用・経済
35.中小企業向けの減税を実施する
【政策目的】
○中小企業やその経営者を支援することで、経済の基盤を強化する。
【具体策】
○中小企業向けの法人税率を現在の18%から11%に引き下げる。
○いわゆる「1人オーナー会社(特殊支配同族会社)」の役員給与に対する損金不算入措置は廃止する。
【所要額】
2500億円程度
36.中小企業憲章の制定など、中小企業を総合的に支援する
【政策目的】
○わが国経済の基盤である中小企業の活性化を図るため、政府全体で中小企業対策に全力で取り組む。
【具体策】
○「次世代の人材育成」「公正な市場環境整備」「中小企業金融の円滑化」などを内容とする「中小企業憲章」を制定する。
○最低賃金引き上げを円滑に実施するため、中小企業への支援を行う。
○「中小企業いじめ防止法」を制定し、大企業による不当な値引きや押しつけ販売、サービスの強要など不公正な取引を禁止する。
○貸し渋り・貸しはがし対策を講じるとともに、使い勝手の良い「特別信用保証」を復活させる。
○政府系金融機関の中小企業に対する融資について、個人保証を撤廃する。
○自殺の大きな要因ともなっている連帯保証人制度について、廃止を含め、あり方を検討する。
○金融機関に対して地域への寄与度や中小企業に対する融資状況などの公開を義務付ける「地域金融円滑化法」を制定する。
○公正取引委員会の機能強化・体制充実により公正な市場環境を整備する。
○中小企業の技術開発を促進する制度の導入など総合的な起業支援策を講じることによって、「100万社起業」を目指す。
37.月額10万円の手当つき職業訓練制度により、求職者を支援する
【政策目的】
○雇用保険と生活保護の間に「第2のセーフティネット」を創設する。
○期間中に手当を支給することで、職業訓練を受けやすくする。
【具体策】
○失業給付の切れた人、雇用保険の対象外である非正規労働者、自営業を廃業した人を対象に、職業能力訓練を受けた日数に応じて「能力開発手当」を支給する。
【所要額】
5000億円程度
38.雇用保険を全ての労働者に適用する
【政策目的】
○セーフティネットを強化して、国民の安心感を高める。
○雇用保険の財政基盤を強化するとともに、雇用形態の多様化に対応する。
【具体策】
○全ての労働者を雇用保険の被保険者とする。
○雇用保険における国庫負担を、法律の本則である1/4に戻す。
○失業後1年の間は、在職中と同程度の保険料負担で医療保険に加入できるようにする。
【所要額】
3000億円程度
39.製造現場への派遣を原則禁止するなど、派遣労働者の雇用の安定を図る
【政策目的】
○雇用にかかわる行き過ぎた規制緩和を適正化し、労働者の生活の安定を図る。
○日本の労働力の質を高め、技術や技能の継承を容易にすることで、将来の国力を維持する。
【具体策】
○原則として製造現場への派遣を禁止する(新たな専門職制度を設ける)。
○専門業務以外の派遣労働者は常用雇用として、派遣労働者の雇用の安定を図る。
○2ヵ月以下の雇用契約については、労働者派遣を禁止する。「日雇い派遣」「スポット派遣」も原則禁止とする。
○派遣労働者と派遣先労働者の均等待遇原則を確立する。
○期間制限を超えて派遣労働者を受け入れている場合などに、派遣労働者が派遣先に直接雇用を通告できる「直接雇用みなし制度」を創設する。
40.最低賃金を引き上げる
【政策目的】
○まじめに働いている人が生計を立てられるようにし、ワーキングプアからの脱却を支援する。
【具体策】
○貧困の実態調査を行い、対策を講じる。
○最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生計費」とする。
○全ての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。
○景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。
○中小企業における円滑な実施を図るための財政上・金融上の措置を実施する。
【所要額】
2200億円程度
41.ワークライフバランスと均等待遇を実現する
【政策目的】
○全ての労働者が1人ひとりの意識やニーズに応じて、やりがいのある仕事と充実した生活を調和させることのできる「ワークライフバランス」の実現を目指す。
【具体策】
○性別、正規・非正規にかかわらず、同じ職場で同じ仕事をしている人は同じ賃金を得られる均等待遇を実現する。
○過労死や過労自殺などを防ぎ、労働災害をなくす取り組みを強化する。
一方、10年は次の通り。
(10年民主党マニフェスト)
6雇用
2011年度中に「求職者支援制度」を法制化するとともに、
失業により住まいを失った人に対する支援を強化します。
非正規労働者や長期失業者に対して、
マンツーマンで就職を支援する体制を整備します。
高校、大学などの新卒者の就職を支援するため、専門の相談員の配置や
採用企業への奨励金支給などの対策を強化します。
同じ職場で同じ仕事をしている人の待遇を均等・均衡にして、
仕事と生活の調和を進めます。
09年と10年では、詳しさが比べ物にならない。この調子で、あらゆる項目が極度に簡素化されてしまっている。
あと、前にはあったのに説明なく消えている項目にも気がついた。例えば、取調べの可視化。09年には次のように明記されているが、10年には一切記述がない。
49.取り調べの可視化で冤罪を防止する
【政策目的】
○自白の任意性をめぐる裁判の長期化を防止する。
○自白強要による冤罪を防止する。
【具体策】
○ビデオ録画等により取り調べ過程を可視化する。
【所要額】
90億円程度
09年のマニフェストは、国民との約束である。それができなかったり、変更するなら、きちんと説明すべきだろう。有権者としては、候補者と話す機会があったら、疑問をぶつけてみるのも良いだろう。
09年衆院選の民主党マニフェスト
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2009/txt/manifesto2009.txt
10年参院選の民主党マニフェスト
http://www.dpj.or.jp/special/manifesto2010/data/manifesto2010.txt
なお、映画『選挙』は参院選にぶつけて再公開中です。
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html
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Sunday, June 27, 2010
新着記事 Various new articles
更新が遅れましたが、新聞や雑誌にいくつか記事が出ているので紹介します。
まずは6/23の読売新聞。ベトナム戦争に関する2本の映画について、批評を書きました。
次に、6/25の朝日新聞。参議院選に絡み、『選挙』の主人公である山さんがインタビューを受けました。
最後に、雑誌「東京カレンダー」の記事。「劇場でみる、ふるい映画」特集(つまりリバイバル上映特集)のなかで『選挙』を紹介していただきました。
Wednesday, June 16, 2010
今週末から『選挙』公開スタート
コピペ・拡散、大歓迎。
今週末6/19(土)から、いよいよ映画『選挙』再々公開スタートです。
公式サイト:http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html
チケット購入時、劇場窓口で合い言葉「7月24日」を言えば、もれなく当日券が一律1000円に割引されます。(7/24は『精神』DVD発売日)
「合い言葉」無しだと、一般は1500円、学生は1300円ですから、かなりお得です(シニアの方は元から1000円)。
※劇場窓口でのチケット購入のみ対象となります※
6/20(日)には新宿K's cinemaにて、衆院選に出馬経験のあるガッツ石松さんと、主人公の山さんのトークイベントもあります。
下記は今のところ公開が決まっている劇場です。
新宿K's cinema(6/19(土)〜7/16(金))
http://www.ks-cinema.com/
大阪シネ・ヌーヴォX(6/19(土)〜7/2(金))
http://www.cinenouveau.com/X/cinenouveau%20X.html
十日町シネマパラダイス(7/3(土)〜7/23(金))
http://www.t-cinepara.com/
今週末6/19(土)から、いよいよ映画『選挙』再々公開スタートです。
公式サイト:http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html
チケット購入時、劇場窓口で合い言葉「7月24日」を言えば、もれなく当日券が一律1000円に割引されます。(7/24は『精神』DVD発売日)
「合い言葉」無しだと、一般は1500円、学生は1300円ですから、かなりお得です(シニアの方は元から1000円)。
※劇場窓口でのチケット購入のみ対象となります※
6/20(日)には新宿K's cinemaにて、衆院選に出馬経験のあるガッツ石松さんと、主人公の山さんのトークイベントもあります。
下記は今のところ公開が決まっている劇場です。
新宿K's cinema(6/19(土)〜7/16(金))
http://www.ks-cinema.com/
大阪シネ・ヌーヴォX(6/19(土)〜7/2(金))
http://www.cinenouveau.com/X/cinenouveau%20X.html
十日町シネマパラダイス(7/3(土)〜7/23(金))
http://www.t-cinepara.com/
Tuesday, June 08, 2010
Twitter Account in English
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Monday, June 07, 2010
「ザ・コーヴ」上映中止に反対するアピール
署名いたしました。僕は作品自体は評価しておりませんが、圧力に負けて上映中止するのは由々しき事態です。
ーーー
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」をめぐって、映画館が次々と上映中止を決めています。一部の右派団体からの電話や街宣による抗議を受けての「自粛」措置と思われますが、2年前の映画「靖国」の上映中止事件とよく似た事態といえます。
こういう事態が一般化すると、評価が分かれるような問題作というべき映画は上映できないことになってしまいます。そもそも海外では広く公開されているこの映画が、作品で描かれた当事国の日本で公開できないというのは、日本における「言論表現の自由」がいかに脆弱かを示す事柄といえましょう。
この映画の内容や制作手法については、この間、批判も含めて様々な意見や評価が表明されています。そういう作品こそ、広く議論に供されるべきで、作品そのものを封印してしまうことは、その機会さえも奪うことになってしまいます。
言論表現の自由は、発表の場が確保されてこそ成立するもので、映画館も表現活動の一翼を担う場であることは明らかです。私たちは言論表現活動に携わる者として、上映中止に反対します。
また現在、全国の上映予定の映画館に中止を求める電話抗議がなされているようですが、それらの映画館が表現の場を守るという立場を堅持することを切望し、そういう映画館を応援します。
●賛同者(6月7日現在。50音順)
青木理(ジャーナリスト)/有田芳生(ジャーナリスト)/飯田基晴(ドキュメンタリー映画監督)/飯室勝彦(中京大学教授)/池添徳明(ジャーナリスト)/池田香代子(翻訳家)/石坂啓(マンガ家)/石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)/岩崎貞明(『放送レポート』編集長)/上野千鶴子(社会学者)/生方卓(明治大教員)/大谷昭宏(ジャーナリスト)/桂敬一(立正大学文学部講師)/北村肇(『週刊金曜日』編集長)/國森康弘(フォトジャーナリスト)/是枝裕和(映画監督)/崔洋一(映画監督)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/坂上香(ドキュメンタリー映画監督/津田塾大学教員)/坂野正人(カメラマン/ディレクター)/坂本衛(ジャーナリスト)/佐藤文則(フォトジャーナリスト)/澤藤統一郎(弁護士)/篠田博之(月刊『創』編集長)/柴田鉄治(ジャーナリスト)/下村健一(市民メディア・アドバイザー)/ジャン・ユンカーマン(映画監督)/張雲暉(映画プロデューサー)/白石草(OurPlanet-TV代表)/杉浦ひとみ(弁護士)/鈴木邦男(作家)/想田和弘(映画作家)/田原総一朗(ジャーナリスト)/土屋豊(映画監督/ビデオアクト)/土井敏邦(ジャーナリスト)/豊田直巳(フォトジャーナリスト)/中山武敏(弁護士)/七沢潔(ジャーナリスト)/野田雅也(ジャーナリスト)/野中章弘(ジャーナリスト/アジアプレス)/橋本佳子(プロデューサー)/服部孝章(立教大教授)/林克明(ジャーナリスト)/原寿雄(ジャーナリスト)/日隅一雄(弁護士)/日高薫(ジャーナリスト)/広河隆一(『DAYS JAPAN』編集長)/森達也(作家・映画監督)/森広泰平(アジア記者クラブ事務局長)/安岡卓治(映画プロデューサー)/山上徹二郎(映画プロデューサー)/山本宗補(フォトジャーナリスト)/豊秀一(新聞労連委員長)/李纓(映画監督)/綿井健陽(ジャーナリスト/アジアプレス)
ーーー
アカデミー賞長編ドキュメンタリー賞を受賞した映画「ザ・コーヴ」をめぐって、映画館が次々と上映中止を決めています。一部の右派団体からの電話や街宣による抗議を受けての「自粛」措置と思われますが、2年前の映画「靖国」の上映中止事件とよく似た事態といえます。
こういう事態が一般化すると、評価が分かれるような問題作というべき映画は上映できないことになってしまいます。そもそも海外では広く公開されているこの映画が、作品で描かれた当事国の日本で公開できないというのは、日本における「言論表現の自由」がいかに脆弱かを示す事柄といえましょう。
この映画の内容や制作手法については、この間、批判も含めて様々な意見や評価が表明されています。そういう作品こそ、広く議論に供されるべきで、作品そのものを封印してしまうことは、その機会さえも奪うことになってしまいます。
言論表現の自由は、発表の場が確保されてこそ成立するもので、映画館も表現活動の一翼を担う場であることは明らかです。私たちは言論表現活動に携わる者として、上映中止に反対します。
また現在、全国の上映予定の映画館に中止を求める電話抗議がなされているようですが、それらの映画館が表現の場を守るという立場を堅持することを切望し、そういう映画館を応援します。
●賛同者(6月7日現在。50音順)
青木理(ジャーナリスト)/有田芳生(ジャーナリスト)/飯田基晴(ドキュメンタリー映画監督)/飯室勝彦(中京大学教授)/池添徳明(ジャーナリスト)/池田香代子(翻訳家)/石坂啓(マンガ家)/石丸次郎(ジャーナリスト/アジアプレス)/岩崎貞明(『放送レポート』編集長)/上野千鶴子(社会学者)/生方卓(明治大教員)/大谷昭宏(ジャーナリスト)/桂敬一(立正大学文学部講師)/北村肇(『週刊金曜日』編集長)/國森康弘(フォトジャーナリスト)/是枝裕和(映画監督)/崔洋一(映画監督)/斎藤貴男(ジャーナリスト)/坂上香(ドキュメンタリー映画監督/津田塾大学教員)/坂野正人(カメラマン/ディレクター)/坂本衛(ジャーナリスト)/佐藤文則(フォトジャーナリスト)/澤藤統一郎(弁護士)/篠田博之(月刊『創』編集長)/柴田鉄治(ジャーナリスト)/下村健一(市民メディア・アドバイザー)/ジャン・ユンカーマン(映画監督)/張雲暉(映画プロデューサー)/白石草(OurPlanet-TV代表)/杉浦ひとみ(弁護士)/鈴木邦男(作家)/想田和弘(映画作家)/田原総一朗(ジャーナリスト)/土屋豊(映画監督/ビデオアクト)/土井敏邦(ジャーナリスト)/豊田直巳(フォトジャーナリスト)/中山武敏(弁護士)/七沢潔(ジャーナリスト)/野田雅也(ジャーナリスト)/野中章弘(ジャーナリスト/アジアプレス)/橋本佳子(プロデューサー)/服部孝章(立教大教授)/林克明(ジャーナリスト)/原寿雄(ジャーナリスト)/日隅一雄(弁護士)/日高薫(ジャーナリスト)/広河隆一(『DAYS JAPAN』編集長)/森達也(作家・映画監督)/森広泰平(アジア記者クラブ事務局長)/安岡卓治(映画プロデューサー)/山上徹二郎(映画プロデューサー)/山本宗補(フォトジャーナリスト)/豊秀一(新聞労連委員長)/李纓(映画監督)/綿井健陽(ジャーナリスト/アジアプレス)
Friday, June 04, 2010
「ザ・コーヴ」上映中止広がる
正直言うと、「ザ・コーヴ」はダメな映画だ。私見では、ドキュメンタリーの形式を採用した、典型的プロパガンダ。だから本当は無視したかった。
なのにアカデミーや右翼が不当に評価するもんだから(賞賛も批判も映画の価値を高める)、こちらも声を上げざるを得なくなる。すると映画の価値が更にインフレを起こす。
ジレンマだ。
と言いながら、僕も参加した「創」掲載の鼎談の全文が掲載されているのでリンクを貼ります。あああ、矛盾のスパイラルに入り込む…。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100607-00000301-tsukuru-soci
右翼のお陰で話題になって、作者はほくそ笑んでるんじゃないかな。と思ったら、やっぱりほくそ笑んでいた(笑)。
「一部の過激な人達が東京の映画館を脅かしていることを知り、大変残念に思っています。しかし、これによって、多くの日本の方が、この映画で描かれていることは一体何なのか今まで以上に興味を持たれたのではないかと思います」(サホイヤス監督)
http://ap.minipara.com/news/archives/1270
それにしても、「ザ・コーヴ」を上映中止に追い込んでいる「主権回復を目指す会」。会の名が本当なら、映画なんてちんまりしたものを標的にせず、米軍基地の無条件返還を求めてホワイトハウス前でデモしろっつーの。それもしなくて主権回復とは片腹痛い。日本は永遠にアメリカの属国でいいのか?
あと、中止を決めた映画館。辛いのは分かるけど、「近隣へ迷惑がかかるから」って、どんな理由だい?迷惑かけるのは、映画館じゃなくて右翼でしょ!騒音に不平不満を言う人があったら「文句は右翼に言ってくれ」と堂々と言えば良い。とにかく、映画館が圧力に屈して上映中止などの前例を作ってしまうと、言論界・表現界は多大な迷惑を被るのです。
2年前の「靖国」騒動の時には、大阪の我らが第七芸術劇場・松虫リンリンこと松村支配人などが断固上映を表明し、それが結果的に全国上映に火をつけて映画は大ヒットした。
http://www.news.janjan.jp/area/0805/0805106739/1.php
腰抜けの東京など鼻で笑い、地方こそガンガンいくべきだ(ダメな映画だからイマイチ気合い入らないんだけどさ〜)。絶対儲かりまっせ!(笑)
なのにアカデミーや右翼が不当に評価するもんだから(賞賛も批判も映画の価値を高める)、こちらも声を上げざるを得なくなる。すると映画の価値が更にインフレを起こす。
ジレンマだ。
と言いながら、僕も参加した「創」掲載の鼎談の全文が掲載されているのでリンクを貼ります。あああ、矛盾のスパイラルに入り込む…。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100607-00000301-tsukuru-soci
右翼のお陰で話題になって、作者はほくそ笑んでるんじゃないかな。と思ったら、やっぱりほくそ笑んでいた(笑)。
「一部の過激な人達が東京の映画館を脅かしていることを知り、大変残念に思っています。しかし、これによって、多くの日本の方が、この映画で描かれていることは一体何なのか今まで以上に興味を持たれたのではないかと思います」(サホイヤス監督)
http://ap.minipara.com/news/archives/1270
それにしても、「ザ・コーヴ」を上映中止に追い込んでいる「主権回復を目指す会」。会の名が本当なら、映画なんてちんまりしたものを標的にせず、米軍基地の無条件返還を求めてホワイトハウス前でデモしろっつーの。それもしなくて主権回復とは片腹痛い。日本は永遠にアメリカの属国でいいのか?
あと、中止を決めた映画館。辛いのは分かるけど、「近隣へ迷惑がかかるから」って、どんな理由だい?迷惑かけるのは、映画館じゃなくて右翼でしょ!騒音に不平不満を言う人があったら「文句は右翼に言ってくれ」と堂々と言えば良い。とにかく、映画館が圧力に屈して上映中止などの前例を作ってしまうと、言論界・表現界は多大な迷惑を被るのです。
2年前の「靖国」騒動の時には、大阪の我らが第七芸術劇場・松虫リンリンこと松村支配人などが断固上映を表明し、それが結果的に全国上映に火をつけて映画は大ヒットした。
http://www.news.janjan.jp/area/0805/0805106739/1.php
腰抜けの東京など鼻で笑い、地方こそガンガンいくべきだ(ダメな映画だからイマイチ気合い入らないんだけどさ〜)。絶対儲かりまっせ!(笑)
Thursday, June 03, 2010
上杉X田原対談を見て思う
上杉隆と田原総一朗の記者クラブと機密費問題についての対談を見ながら、文化人類学的な意味での「贈与」を想起した。日本に贈与の文化が色濃く残っていた時代に、その文法に乗っ取って機密費のやり取りが行われていたことが窺われた。上杉と田原に温度差があるのは、世代と文化に隔たりがあるからだろう。
上杉は僕と同性代。田原は僕らの親の世代に当たるが、ウチの親も盆や暮れにせっせと贈り物をやり取りしていたのを思い出す。しかし僕自身は、大人になってからも、中元やお歳暮をやり取りしたことなど一度も無い。この2〜30年で文化が相当変わったのだ。
今でも親戚のオバさんとかと会うと、小遣いを渡されそうになって困るのだが、やっと拒んでも鞄の中にひっそりと封筒が入れられたりしていて、「やられた」と悔しがったりする。機密費の話を聞きながら、そういうことを思い出した。
だから当時の記者やコメンテーターがさほど最悪感なく、機密費を受け取っていたことは、不思議ではない。現代の文化の基準で断罪しては可哀想な面もある。でも、だからといって容認できないことは言うまでもない。
一番の問題は、機密費という贈与の交換によって、その輪に含まれた人々の関係は円滑で強固になるだろうが、大多数の国民はその輪に入れず、不利益を被ることだ。つまり「公」の場面には馴染まない。
考えてみれば、贈与の交換によって社会関係を維持しようとするのは、機密費に限らず、これまでの政治を貫く主要な論理だったのではないか。いわゆる利益誘導的な政策は、すべてこの論理に乗っている。だから問題は根深い。
(ツイッターでつぶやいたことを再構成しました)
上杉は僕と同性代。田原は僕らの親の世代に当たるが、ウチの親も盆や暮れにせっせと贈り物をやり取りしていたのを思い出す。しかし僕自身は、大人になってからも、中元やお歳暮をやり取りしたことなど一度も無い。この2〜30年で文化が相当変わったのだ。
今でも親戚のオバさんとかと会うと、小遣いを渡されそうになって困るのだが、やっと拒んでも鞄の中にひっそりと封筒が入れられたりしていて、「やられた」と悔しがったりする。機密費の話を聞きながら、そういうことを思い出した。
だから当時の記者やコメンテーターがさほど最悪感なく、機密費を受け取っていたことは、不思議ではない。現代の文化の基準で断罪しては可哀想な面もある。でも、だからといって容認できないことは言うまでもない。
一番の問題は、機密費という贈与の交換によって、その輪に含まれた人々の関係は円滑で強固になるだろうが、大多数の国民はその輪に入れず、不利益を被ることだ。つまり「公」の場面には馴染まない。
考えてみれば、贈与の交換によって社会関係を維持しようとするのは、機密費に限らず、これまでの政治を貫く主要な論理だったのではないか。いわゆる利益誘導的な政策は、すべてこの論理に乗っている。だから問題は根深い。
(ツイッターでつぶやいたことを再構成しました)
Wednesday, June 02, 2010
盛岡自主上映会のフィードバック
盛岡で行われた『精神』自主上映会。上映後のトークの内容、映画を見た方の感想などが、怒濤のように掲載されています。ご一読下さい。盛岡の皆さん、ありがとう!作者冥利につきます。
トークの書き起こし
http://bit.ly/aOyN5q
映画を観た方々の感想やメッセージ
http://bit.ly/cIaS9u
トークの書き起こし
http://bit.ly/aOyN5q
映画を観た方々の感想やメッセージ
http://bit.ly/cIaS9u
首相辞任に思うこと
鳩山首相辞任演説、なんだか泣ける。
最期を悟った人間の、我のとれた澄み切った心が感じられる。自分が捨て石になる。日本人の、こういう美徳が残っている限り、希望はあるのではないか。そう思わせる。
そういう意味で、彼が僕らのために残し得た最高の演説だと思う。
「国民が聞く耳を持たなくなってしまった」というところだけを取り出して、「国民のせいにしやがって」ということを言う人がたくさんいるけれども、ちゃんと全部演説を聴いたんだろうか。
全文が文章でも読める。
http://bit.ly/bto47g
日本の民主主義はかなり重い病いにかかっている。少なくとも首相の首をすげ替えるといった応急処置みたいなもので治るような、お気楽な病気ではない。下手すりゃ死んでしまう。
しかし、首相が悪いとか、小沢が悪いとか、官僚が悪いとか、アメリカが悪いとか、戦犯探しをする発想では、この状況から抜け出せない。日本の政治は矛盾の糸があまりにも複雑に絡み合っていて、誰が悪いとか、誰が無能とか、答えはない。特効薬だってないし、治してくれる医者もいない。
ひとつひとつ、絡んだ糸をほぐしていくように、自分で治していくしかないんだよ。病気は医者が治すものではなく、自分で治すものなんだよ。
(この文章は、ツイッター上でつぶやいたことを再構成しました)
Tuesday, June 01, 2010
ニッポンの新聞
首相の宮崎入りというニュースも、書き方でこんなに印象が違うんだから油断がならない。同じ出来事を記述しているとは思えん!
毎朝同じ新聞だけ読んでたら、簡単に洗脳されちゃうな。日本の世論が一斉に動き易いのは、新聞配達の習慣のせいじゃないか。
あと、アホみたいに多い発行部数。世界ランクで言うと、1位が1千万部の読売、2位が朝日、3位が毎日、4位が日経・中日・産経、そして、5位にやっとのことでアメリカのUSAトゥデーが登場する。ちなみに、107万部のニューヨークタイムズは7位。6位の北海道新聞に負けてるんだぜ〜(笑)。
(数字は下記から引用)
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col4018.html
それにしても、読売は首相を降ろしたくて仕方ないんだなあ。出だしから「今さら何をしにきたのか」だよ(笑)。徹頭徹尾、悪意しか感じられない。こりゃ立派なプロパガンダですよ。これを1000万人が毎朝読んでいるんだから、首相も追い込まれるハズだわな。
毎朝同じ新聞だけ読んでたら、簡単に洗脳されちゃうな。日本の世論が一斉に動き易いのは、新聞配達の習慣のせいじゃないか。
あと、アホみたいに多い発行部数。世界ランクで言うと、1位が1千万部の読売、2位が朝日、3位が毎日、4位が日経・中日・産経、そして、5位にやっとのことでアメリカのUSAトゥデーが登場する。ちなみに、107万部のニューヨークタイムズは7位。6位の北海道新聞に負けてるんだぜ〜(笑)。
(数字は下記から引用)
http://eritokyo.jp/independent/nagano-pref/aoyama--col4018.html
それにしても、読売は首相を降ろしたくて仕方ないんだなあ。出だしから「今さら何をしにきたのか」だよ(笑)。徹頭徹尾、悪意しか感じられない。こりゃ立派なプロパガンダですよ。これを1000万人が毎朝読んでいるんだから、首相も追い込まれるハズだわな。
朝日の記事
http://bit.ly/c5v16K
鳩山由紀夫首相は1日、家畜伝染病・口蹄疫(こうていえき)の被害が続く宮崎県を訪問した。県庁で東国原英夫知事と会談、現地対策本部を激励した。口蹄疫発生後、首相の現地入りは初めて。政府の初動の遅れが指摘される中、対策に全力を挙げる姿勢を強調する狙いだ。
鳩山首相は東国原知事との会談で「発生農家や関係の皆様の苦労に感謝を申し上げながら、政府として万全の措置をとるという思いを伝えに来た」とあいさつ。知事は「国、地方自治体、発生農家が手を携えて、終息に向けて努力していきたい」と応じた。
首相は、発生農家から半径10キロ圏内の全家畜へのワクチン接種と殺処分を柱とする政府の対策への理解を求め、口蹄疫対策特別措置法について説明。その後、現地対策本部で指揮に当たる山田正彦農林水産副大臣や小川勝也首相補佐官の案内で、県庁内の同本部を視察した。
首相は県庁訪問後、政府の対応について「結果として拡大を防げなかったのは国として責任がある。防疫対策などに最善を尽くすことで責任を果たしていきたい」としたうえで、ワクチン接種費用については「相当程度、国が負担を負うのは当然だ」と記者団に語った。
宮崎県滞在は約2時間半で、午後には帰京する。周辺住民が不要不急の外出を控えるなど「現地が拡大防止に気を使っている最中」(首相周辺)だとして、畜産農家への訪問は見送った。
読売の記事
http://bit.ly/bQ7t3v
「今さら何をしに来たのか」。
宮崎県の口蹄疫(こうていえき)発生から40日余りを経て、1日午前、初めて現地を訪れた鳩山首相に、地元では期待よりも不満や疑問の声が渦巻いた。
予定では、現地滞在はわずか2時間半。連日の対策に追われる農家や自治体関係者らを県庁に集めて懇談するだけの訪問日程に、「現場を見なければ我々の苦しみが分かるはずがない」と批判の声も上がった。
首相は、県庁入り口の消毒マットで入念に殺菌し、2階応接室で東国原英夫知事や2人の農家代表らと懇談した。
冒頭、「発生農家のみなさんが苦労されていることに対し、遅ればせながら感謝申し上げたい」と神妙な面持ちで切り出した。その後、感染拡大防止のためには全頭殺処分という厳しい対策を取らざるを得ないことを強調し、農家の理解と協力を求めた。
これに対し、懇談した農家代表の一人、川南(かわみなみ)町の養豚農家、河野宜悦(かわののりよし)さん(48)は、終了後、「首相には現場に来て、空になった畜舎を見て、肌で何かを感じてほしかった」と淡々と語った。
同町は、県内全247の発生農家のうち75%が集中し、最も深刻な被害を受けている。河野さんの農場は、被害農家で最多の約1万5000頭が殺処分の対象。首相には、被害農家への損失補償や子どもの学費援助などを求めた。
一方、牛の殺処分を進めている同町の50歳代男性は「参院選へのアピールとしか思えない。被害は今も拡大の一途だ。大金をかけて宮崎に来るぐらいなら、作業員増員への費用に充てた方がいい」と切り捨てた。
4月20日に1例目が確認された都農(つの)町の河野(かわの)正和町長は、首相との懇談にも呼ばれなかった。「訪問の狙いがよくわからない。もっと早く来てほしかった。県庁だけでなく、防疫作業をしている農場で畜産農家や作業員の声を直接聞くべきだ」と残念がった。
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