Monday, December 31, 2012

ベアテ・シロタ・ゴードンさんについて

ベアテ・シロタ・ゴードンさんが亡くなった。僕が駆け出しのTVディレクターだった頃、アメリカのTVにConstitution Writerという肩書きで出演されてたのを観てビックリした。日本国憲法の草案を書いた人がそこにいるってことが衝撃だった。

すぐさま撮影を申し込み、『ニューヨーカーズ』というNHK衛星第1の番組で取り上げさせてもらった。20分の軽めのミニ・ドキュメンタリー・シリーズに無理矢理押し込んだので、編集段階でNHKと物凄く揉めた。尺も短いし十分なことはできなかったけれど、僕にとっては入魂の一作である。

ベアテさんの父親はレオ・シロタという世界的なピアニスト。ベアテさんは子供のころ家族で日本に住んでいた。だがアメリカに留学中に太平洋戦争が勃発。ベアテさんは、日本に残してきた音信不通の両親に会いたい一心で、敗戦後GHQにスタッフとして志願した。それが唯一、日本に入る手段だった。

GHQの一員として来日したベアテさんは、やがて日本国憲法の草案を書くチームに配属された。当時彼女は22歳。唯一の女性。戦前の日本で女性が虐げられているのを目の当たりにしていたため、女性の権利を憲法に盛り込もうと奮闘した。それは両性の本質的平等を定めた憲法第24条として結実した。

日本語が堪能なベアテさんは、GHQ草案を日本語に訳す作業や、日本政府との折衝での通訳としても活躍した。草案は1つ1つ日本側と協議され、両性の本質的平等を定めた第24条については日本側から「日本文化に合わない」と激しい抵抗を受けたそうだ。

紛糾の末、最後はケーディス大佐が「この条文はベアテが書いた。彼女に免じて受け入れないか?」と日本側に提案した。ベアテさんと緊密な交流があった日本側は、結局はそのひと言が決め手になって受け入れたそうだ。因みに両性の本質的平等という概念は、合衆国憲法にもない先進的なアイデアである。

「日本国憲法はアメリカに押し付けられた憲法だから改憲が必要だ」という声が高まっているが、僕は押し付けられて良かったと思っている。少なくとも「婚姻における両性の本質的平等」は無理にでもネジ込んでもらって良かった。あれがなかったら、日本の女性は今よりも不利な立場に置かれただろう。

そもそも、GHQが草案を書くことになったのも、最初に日本側が出して来た新憲法案が大日本帝国憲法とほぼ同じだったからである。GHQが日本の草案をそのまま受け入れていたら、戦後の日本の民主主義はあり得なかった。

無論、GHQに圧力を受けず、最初から日本政府が自主的に民主的な憲法を書けたのなら、それほど素晴らしいことはないだろう。だが、押し付けられた日本国憲法と、自主的に書いた「大日本帝国憲法モドキ」のどちらが望ましいかといえば、圧倒的に前者であろう。

ベアテさんのご冥福をお祈りするとともに、「日本国憲法に盛り込まれた平和条項と、女性の権利を守ってほしい」という遺言を、重く受け止めている。

1999年、『ニューヨーカーズ』撮影時に映したスナップ。左から、あの伝説的舞踏家の大野一雄さん、ベアテ・シロタ・ゴードンさん、そして僕。 まだ29歳か30歳。大野さんをNYのダンス界に最初に紹介したのは、ベアテさんだった。撮影期間中にちょうど大野さんがNYに公演でこられていて、他界したベアテさんのお母さんのために踊ってくださった。今考えると奇跡的な番組だ。

Monday, December 10, 2012

自民党改憲案は「憲法の破棄」である。

自民党の改憲案について、何が一番問題なのか、僕なりの見解を下に記したい。

天賦人権説とは、平たく言えば、男も女も異性愛者も同性愛者も健康な人も病気の人も障害のある人もない人も子供も老人も右翼も左翼もアナーキストも、生まれながらに人権がある、というもの。

自民党は改憲案でそれを公式に否定し、義務とセットにした。つまり義務が果たせない人間には人権がない、と。

[自民改憲案]第十二条 この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力により、保持されなければならない。国民は、これを濫用してはならず、自由及び権利には責任及び義務が伴うことを自覚し、常に公益及び公の秩序に反してはならない。

更に自民党改憲案は、人権を制限するものとして現行憲法にある「公共の福祉」を書き換え、「公益及び公の秩序」とした。

「公共の福祉」とは、Aさんの人権が制限されるのはBさんの人権と衝突する場合のみ、という考え方。それに対し「公益及び公の秩序」とは社会や国の利益と秩序を指す。
http://www.jicl.jp/chuukou/backnumber/09.html

言葉を言い換えただけじゃないかと疑う人は、自民党改憲案のQ&Aを読むんでください。

「「公共の福祉」という文言を「公益及 び公の秩序」と改正することにより、憲法によって保障される基本的人権の制約は、人権相互の衝突の場合に限られるものではないことを明らかにした」
http://www.jimin.jp/policy/pamphlet/pdf/kenpou_qa.pdf

自民党改憲案のQ&Aには次のような言い訳も載っている。

「なお「公の秩序」と規定したのは、「反国家的な行動を取り締まる」ことを意図したものではありません。「公の秩序」とは「社会秩序」のことであり、平穏な社会生活のことを意味します。個人が人権を主張する場合に、他人に迷惑を掛けてはいけないのは、 当然のことです。そのことをより明示的に規定しただけであり、これにより人権が大きく制約されるものではありません」。

しかし、他人への迷惑を心配するなら、まさに「公共の福祉」で制約すればよい。明らかなごまかしである。

つまり自民党の改憲案では、平たく言うと国家の利益や秩序のために個人の人権を制約できることになる。政府が考える「国益」に反する行動や集会や映画や演劇や論文や詩や研究や教育や法律は、憲法の名の下にすべて違法化できる。改憲案の起草者はそのことに極めて自覚的であり、確信犯である。

したがってこの条文が意味するところは、もはや明らかだろう。

[自民改憲案]第二十一条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。 2 前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認められない。

この条文の意味も明確だろう。

[自民改憲案]第十三条 全て国民は、人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公益及び公の秩序に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大限に尊重されなければならない。

個人の財産すら、国が国益を理由に自由に没収できる。

[自民改憲案]第二十九条 財産権は、保障する。 2 財産権の内容は、公益及び公の秩序に適合するように、法律で定める。この場合において、知的財産権については、国民の知的創造力の向上に資するように配慮しなければならない。

自民改憲案では、拷問及び残虐な刑罰も「絶対に」禁じるわけではない。

[現行憲法]第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。

[自民改憲案]第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、禁止する。

自民改憲案では、次の条文も丸ごと削除された。

[現行憲法] 第九十七条 この憲法が日本国民に保障する基本的人権は、人類の多年にわたる自由獲得の努力の成果であつて、これらの権利は、過去幾多の試錬に堪へ、現在及び将来の国民に対し、侵すことのできない永久の権利として信託されたものである。

極めつけはコレ。

[現行憲法]第九十九条 天皇又は摂政及び国務大臣、国会議員、裁判官その他の公務員は、この憲法を尊重し擁護する義務を負ふ。

[自民改憲案]第百二条 全て国民は、この憲法を尊重しなければならない。

憲法が縛る対象が、権力者ではなく国民になっている。これは立憲主義の明確な否定であり、憲法が憲法ではなくなっている。

つまり、自民党改憲案は「憲法改定」などという生易しいものではない、それは「憲法破棄」と呼べるものなのである。

自民党改憲案の全文(PDF)
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-109.pdf


Sunday, December 09, 2012

モジモジ先生の逮捕と自民党の改憲案が示唆するもの

モジモジ先生が逮捕されたことがTLで騒がれているが、伝えられる状況が正しければ、現行憲法では起訴までは不可能。だが、自民改憲案の下では、先生が瓦礫に反対しただけで「公益及び公の秩序」を乱した罪で逮捕・起訴・懲役も可能だ。普段僕らは意識しないが、我々は憲法によって守られている。

自民党の改憲案のように「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」に書き換えられてしまうと、どうなるか。治安維持法のような法律が合憲とされる。するとどうなるか。小林多喜二がそうされたように、政府を批判する「思想犯」は堂々と逮捕・勾留され、拷問され、合法的に殺されかねない。

自民改憲案の下で治安維持法のような法律ができれば、僕のこのブログだって「公益及び公の秩序」を乱すものと認定され、逮捕・勾留・起訴されるだろう。そして有罪になる。僕はそんな世の中はまっぴらご免なので、こうして細々とポストしている。

橋下による大阪市職員に対する思想調査だって、現行の日本国憲法の下では明らかに憲法違反だから破棄されたが、自民党の改憲案が通ってしまえば、合憲だ。何の問題もない。抗議すらできない。抗議したら逮捕されるから。

恐ろしいのは、自民党は既にそのような改憲案を作っていて、その上で、今回の衆院選で過半数を獲ろうとしていることだ。これに維新の会でも加われば、下手をすれば衆院の3分の2を占める。すると改憲も具体的な政治課題になりかねない。改憲への世間のアレルギーも薄い。状況は楽観できない。

(ツイートを再構成してまとめました)

Tuesday, December 04, 2012

『演劇1・2』各地の上映予定

『演劇1・2』の各地の上映予定です!

渋谷のシアター・イメージフォーラムで『演劇1』が観れるのは、今週金曜日(12/7)まで!連日、朝の10:50から。12/8(土)からは『演劇2』が一週間のみ上映です。
bit.ly/9PJ2YH

福岡・KBCシネマで『演劇1』が観れるのは、今週金曜日(12/7)まで!連日朝の9時40分から(早朝でゴメンなさい)。12/8(土)からは『演劇2』が始まります。
bit.ly/bhonBI

広島・横川シネマでは、『演劇1』『演劇2』が両方とも上映中。来週金曜日(12/14)まで。お見逃しなく!
bit.ly/i8wrT0

松山・シネマルナティックでは、12/8(土)から『演劇1』『演劇2』の上映スタート。2週間限定です。
bit.ly/hb5gJE

金沢・シネモンドでは、12/8(土)から『演劇1』『演劇2』がスタート。初日には僕のスカイプトークもあります。一週間限定公開です。あっという間に終わっちゃうので、ご注意!
bit.ly/gzCePI

京都シネマでは、12/8(土)から『演劇1』の一週間限定公開スタート。連日朝の10時半から。初日は平田オリザさんが舞台挨拶!12/15(土)からは『演劇2』の一週間限定公開。連日朝の10:40から。お見逃しなく。
bit.ly/X48vun

http://www.engeki12.com/theater.html

衆院選と自民党

約4か月ぶりに、ニューヨークに戻りました。と思ったら日本では衆院選が始まりましたね。

自民党が支持率でトップを維持していることが気がかりです。なぜなら、安倍晋三総裁は原発推進と改憲を掲げているからです。

安倍氏「原発新設も」自民総裁 規制委基準満たせば
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2012120102000094.html


改憲を次期衆院選の争点に 消極的な議員は退場を、自民・安倍総裁
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120930/stt12093019260008-n1.htm

しかも、改憲の内容は事実上の「基本的人権の剥奪」というとんでもないものを含んでいます。
http://togetter.com/li/296331

民主党にがっかりして、今度は自民党に、と考える気持ちは分からないではありません。しかし思い出して欲しいのですが、3年前、自民党があまりにダメだから、政権交代が起きたのです。そして、自民党が野党時代に反省して良くなっているのならいいのですが、実際には、地震国日本を原発だらけにした反省もなければ、思想的には極右化傾向も強いという点で、劣化すらしているように見えます。

そんな自民党が衆院選の支持率でリードしている。この現実が、非常に気がかりです。

Wednesday, November 28, 2012

親による子殺しを推奨する橋下徹

以前から気になっていた橋下徹の著書「まっとう勝負!」(2006年、小学館)を古本屋さんから取り寄せて、内容を確認した。

橋下は、親による子殺しを推奨する発言を、堂々と自らの著書の中でしていたわけだ。メディアは彼が今も同じ考えなのか、徹底的に追求するべきではないか???

「国が事前に危険な奴を隔離できないなら、親が責任を持って危険な我が子を社会から隔離すればいいんだ。他人様の子どもの命を奪うほどの危険性がある奴に対しては、そいつの親が責任を持って、事前に世の中から抹殺せよ!苦渋の決断で我が子を殺した親に対しては、世の中は拍手を送ってもいいだろ。国に代わって、世の中に代わって、異常・危険分子を排除したんだからね」(P95)

「「親に、子供の命を処分してもいい権利を与えよ」というと、「親の虐待を助長することに繋がる」と反論する人が出てくるだろうね。だけど、親に究極の権利を与えると、却って虐待も防ぎやすくなるんだよ」(P96)

他にも大問題な記述満載の本なので、おいおい紹介します。




Theatre 1&2 won the Young Jury's prize in Nantes 『演劇1・2』、ナントで「若い審査員賞」受賞!

Photo by Festival des 3 Continents

Photo by Festival des 3 Continents

Photo by Festival des 3 Continents

photo by Sayaka Atlan


Theatre 1 & 2 won the Young Jury's Prize at the Festival des 3 Continents in Nantes, France. Young jury is composed of film lovers aged 18-25. The festival is known for the fact that they discovered such talents like Hou Hsiao-Hsien and Kiarostami.

【2012年度(第34回)ナント三大陸映画祭】コンペティション部門にて、『演劇1』『演劇2』が「若い審査員賞」を受賞いたしました。「若い審査員賞」は、映画を学んでいる学生シネフィルを中心とした、18歳から23歳の7人で構成される審査員団によって選ばれる賞です。ナント三大陸映画祭は、ホウ・シャオ・シェンやキアロスタミを見出したことなどで知られています。

僕のコメント「若い世代の映画離れが進むのを年々目の当たりにしつつ、一人の映画を愛する者としてなんとかしなければ、と思っていた矢先の「若い審査員賞」受賞なので、本当に嬉しいです。最近の若者は集中力が続かないなんて、誰が言ったのでしょうか(笑)。作り手が本気で作ったものは、若い世代にも本気で受け止めてもらえる証拠だと解釈しました。これからも容赦せず、力いっぱいの豪速球を投げつづけたいと思います」

Thursday, November 22, 2012

宇都宮健児氏を支持します

僕はこれまで、特定の候補者や政党に対して支持を公に表明したりすることは控えてきたのですが、近年の日本の政治の危機的状況に鑑み、はっきりと声を上げていく、一市民としての責任があるとの思いを強めています。そこで敢えて表明します。

都知事選に立候補予定の宇都宮健児氏を支持します。以下、「人にやさしい東京をつくる会」に寄せた僕のコメントです。

 多重債務者の救済、反貧困、そして今回の都知事選への立候補。
 弁護士・宇都宮健児氏は、カネにならず損だけれども、私たちの社会にどうしても必要な役目を黙々と引き受ける方だとお見受けする。
 これで、脱原発を望む人にも、教育や福祉の立て直しを望む人にも、表現の自由や人権を守り育てたいと願う人にも、石原前都知事の暴政にノーを突き付けたい人にも、貴重な受け皿ができた。
 ありがたい。
 選挙の候補者に対してこんなに素直な感謝の念を抱くのは珍しい。海外在住のため都知事選へ投票できないのが悔やしい。
 できるなら、1億票くらい投じたい。
 想田和弘(映画作家)



Tuesday, November 20, 2012

日本維新の会の台頭と「戦争とファシズム映画祭」

石原と橋下が野合した政党が一定の支持率を獲得している。大阪で11/30から12/2まで開く「戦争とファシズム映画祭」を開催する意味が強まっている。「血を流す覚悟」を語るのは、合計9時間半の超大作戦争映画『人間の條件』を観てからにしてほしい。

「戦争とファシズム映画祭」のスタッフは、僕も含めて全員ボランティア。湯浅誠さんに誘われて、ささやかながら自分にできることは?と考えて企画し、赤字分を湯浅さんのAIBOが補ってくるからこそ実現した。大勢の皆さんに参加して欲しい。

以下、それぞれの映画についての僕のコメント。

『人間の條件』の全編9時間半が上映される機会は、極めて貴重。DVDも絶版。レンタルもほとんど出ていない。たぶんこんな映画は今や世界中の誰にも作れない。万障繰り合わせて観て下さい。11/30(金)には主演の仲代達矢さんも来て下さいます。

『カーネーションの卵』は、大人たちの戦争を子供たちの視点で描く。静謐な映像が美しい。アゴスティ監督の作品を観る機会は貴重。DVDも出てない。トークでは、ご自身の祖父も危うくファシストに銃殺されそうになったという翻訳家の野村雅夫氏と語り合う。

反体制的な映画を撮った罪で20年間の映画制作禁止と禁固6年を言い渡されたパナヒ監督の『これは映画ではない』。今や日本の表現者にとっても、彼の受難は全く人ごとではない。衝撃のラストショットも見所。トークにはイランの専門家・鈴木均氏。

教師を独裁者に見立ててルールや振る舞いを変えていくことで、制御不可能なファシズムの熱狂が形成されていく過程を描いた『THE WAVE』。ドイツが舞台なのに、大阪の状況と似ていることが多くてびっくり。ゲストにはナチズムに詳しい池田浩士氏。

オーソン・ウェルズが「ノアの方舟に映画を1本だけ載せるとしたら、この映画を選ぶ」と言った名作『大いなる幻影』。1937年に作られたが、全く古くならないどころか、今こそ意味を持つ作品。トークゲストは昔右翼団体に所属した経験もある雨宮処凛さん。

太平洋戦争中に日本軍が支配したパプア・ニューギニアの女性たちの生々しい証言。一方で「慰安所などなかった」と言う元日本軍の男性。正視したくない過去を否認する元日本軍男性の言葉が、橋下発言などとシンクロする。ゲストに本作の監督・関口祐加氏。

1974年製作のベトナム戦争についての傑作ドキュメンタリーだが、今観るとイラクやアフガンを連想してしまう。反戦運動に火をつけ『地獄の黙示録』や『プラトーン』にも影響。ゲストは「たね蒔きジャーナル」存続運動にも関わった放送作家の石井彰氏。

『ゆきゆきて、神軍』は、カメラを武器に積極的に対象へ介入していく、原一男流アクション・ドキュメンタリーの真骨頂。マイケル・ムーアのアポ無し突撃スタイルにも影響を与えた超問題作。原一男監督ご本人がゲスト。35ミリで観れるのはめっちゃ貴重!

併映短編作品『大阪!なくなる?ツアー』シリーズも充実している。橋下市長から“ムダ”と名指しされ、廃止の検討が進められている公共施設。でも本当になくしてしまっていいの?大阪生まれの大学生とフランスからの留学生が若い好奇心で訪ねてみた。

Monday, November 19, 2012

Theatre 1 & 2 in Nantes, France 『演劇1・2』@ナント三大陸映画祭

Theatre 1 & 2 has been selected to the competition of Festival des 3 Continents in Nantes, France. It will be screened at 10 AM on Thursday Nov 22 and Sunday Nov 25. I'm doing a Q&A on the 25th. See you!

『演劇1・2』、ナント三大陸映画祭のコンペ部門に招待されました。11/22(木)と11/25(日)の朝10時から上映されます。僕の質疑は25日です。よろしくお願いします。

http://www.3continents.com/en/film/theatre-1-theatre-2/

Monday, November 12, 2012

日本各地巡礼『演劇1・2』

明日から『演劇1・2』と共に日本各地を巡ります。

明日(11/13 火曜)18時半からは、松山のシネマルナティックで『演劇1』の先行上映+トーク。約1年ぶりだな〜、松山。道後温泉ファンのワタクシ。『演劇1・2』の本格的な上映は12/8(土)からです。
http://movie.geocities.jp/cine_luna/index.htm

神戸アートビレッジセンターでは『演劇1』の公開が始まりました。連日15時からですが、11/16(金)は16時から上映して19時から平田オリザさんとトークをします。トークショーは、なんと入場無料!
http://kavccinema.jp/lineup/332

岡山シネマクレールでは11/17(土)から『演劇1・2』2週間限定公開開始。17日には『演劇1』12:30〜上映後、平田オリザさんとトークに参ります。まだチケットあるそうです。
http://www.cinemaclair.co.jp/a8831.html


11/18(日)は広島の横川シネマで12:40から『演劇1』先行上映会&トークショーに伺います。広島のお好み焼き食いて〜。本上映は12/1(土)から2週間限定。
http://yokogawa-cine.jugem.jp/?eid=1325

福岡KBCシネマでは、12/1(土)から『演劇1』の公開開始。12/2(日)には上映後のトークに伺います。詳細は未定ですが、大学でのイベントも組まれているみたい。『演劇2』は12/8(土)から。
http://www.h6.dion.ne.jp/~kbccine/

Sunday, November 11, 2012

『演劇1・2』4週目に突入も満席! Theatre 1 & 2 goes into 4th Week and it was sold-out!

『演劇1・2』、4週目に入りました。東京のシアター・イメージフォーラム、本日は12:45『1』と16:00『2』の回、いずれも満員お立ち見でした。大勢の方が観てくださって嬉しい反面、お立ち見の方には申し訳ないです…。でも嬉しい。でも申し訳ない。でも嬉しい。の循環。

2部合わせて5時間42分の、それもドキュメンタリー映画を5週間もロードショー公開することは、僕にとっても配給会社にとっても映画館にとってもハイリスクです。正直、ちょっと心配してたんですけど、思った以上に大勢のお客さんに観ていただけて、本当に感謝しています。

Today, Theatre 1 & 2 in Tokyo attracted even more audience than yesterday and some of them had to stand to see the movies on 12:45 and 16:00 show. I feel sorry for them, but at the same time, I'm so thrilled. But I'm sorry. But I'm thrilled.

The distributor, movie theater, and myself all took a big risk to release 5 hours 42 minutes movies in theaters for 5 weeks. Honestly, I was a bit worried. But I'm really grateful that the result turned out to be beyond my expectation.

Saturday, November 10, 2012

想田和弘セレクト「戦争とファシズム映画祭」

11/30(金)-12/2(日)
想田和弘セレクト「戦争とファシズム映画祭」
@大阪・第七藝術劇場

仲代達矢、原一男、雨宮処凛、関口祐加、池田浩士、石井彰、鈴木均、野村雅夫の各氏など豪華ゲスト来場予定!

『人間の條件』9時間半全編、『ゆきゆきて、神軍』、『The Wave』など、短編含めて合計16本を上映。

以下、企画趣旨です。

敗戦から67年。近年「独裁的な強い指導者」や「対外強硬策」を求める声が、いたずらに日本社会で強まっている一因は、戦争とファシズムの記憶そのものが薄れていることにあるのではないかと、僕は感じている。

このミニ映画祭では、戦争とファシズムの生々しい記憶が詰まった、古今東西の優れた映画を独断と偏見で集めた。いずれも、戦争やファシズムを理屈で「理解」するのではなく、「体感」できるような映画だ。

各映画上映後には、ゲストを呼んでトークも行う。映画を観て語り合うことで、戦争とファシズムの記憶を現代日本に、大阪に呼び戻し、みんなで考える機会としたい。学生さん等が作った、オリジナル作品も併映する。(想田和弘)

全ラインナップと詳細↓
http://www.nanagei.com/movie/data/680.html

Wednesday, November 07, 2012

11/29(木)シンポジウム「民主主義にヒーローは必要か?」

11月29日(木)18:30〜
シンポジウム「民主主義にヒーローは必要か?」に参加します。
場所は橋下市政で切られそうなクレオ大阪!喧嘩売ってんの笑?

出演者:宇野重規(政治学者)、國分功一郎(哲学者)、想田和弘(映画作家)、森千香子(社会学者)、湯浅誠(活動家)。

岩波書店主催。参加申込不要。500円(学生・失業者等は無料)。手話通訳あり。保育あり。

http://bit.ly/SszUjh

Tuesday, November 06, 2012

『演劇1・2』地方でのトーク情報

『演劇1・2』
11/13(火)に松山シネマルナティック
11/16(金)に神戸アートビレッジセンター
11/17(土)に岡山シネマクレール
11/18(日)に広島横川シネマ
12/2(日)に福岡KBCシネマ
で上映後トークします。
12/8(土)は平田オリザさんが京都シネマで上映後トーク。

詳細→http://bit.ly/QbGjz3

11/9 村川拓也『言葉』@ F/Tのトーク

11/9(金)19:30から、村川拓也氏の『言葉』を鑑賞してトークに出ます〜。
フェスティバル/トーキョーの一環。

http://bit.ly/OpQtij

Sunday, November 04, 2012

『演劇1』『演劇2』トーク

『演劇1』『演劇2』お陰様で好評です。東京の上映も残すところ3週間弱です。お早めにご覧下さいませ〜。

11/10(土)16:00~『演劇2』上映後、僕のQ&Aを実施。

11/11(日)16:00~『演劇2』上映後、アニメーション作品『伏 鉄砲娘の捕物帳』が絶賛上映中の宮地昌幸監督とトーク予定。

いずれも渋谷のシアター・イメージフォーラムにて!

松山、神戸、岡山、広島、福岡など、地方でもトークします→ http://bit.ly/PWSHFa

Sunday, October 28, 2012

橋下クンとライオンキングと文楽

朝からまたしても橋下クンの無知でトンチンカンなツイートがTLに流れてきた。文楽とライオンキングのアーツマネジメントを同じ土俵で比べちゃうのは、たぶん彼が文楽とライオンキングしか観たことないから。芸術のことなんて何にも知らないくせに偉そうなことばかり。

「学者は政治の実務を何も知らないくせに空論を振り回す」と言って批判するくせに、自分は芸術のことなんて何も知らないくせに、空論を振り回すどころか、現場に介入しまくる。そのブーメランぶりに本人も支持者も気づいていない。まあ、芸術の問題に限らず、いつもそうだけどね。

そもそも、ライオンキングが文楽を参考にできたのだとしたら、それは文楽が伝統を守ってきたから。もし橋下クンが勧めるように文楽がライオンキングみたいなポップカルチャーに擦り寄って変質していたら、ライオンキング自体も存在し得なかったってこと。なぜそんな簡単なことが分からんのか分からん。

平田オリザのロボット演劇も文楽の人形の動かし方を参考にして作られた。英大夫さん曰く、あのマーサ・グラハムも文楽のファンだった。古典と言うのは、最先端の芸術家が常に参照できる知恵と蓄積の宝庫なんです。その宝庫そのものが、現代のポップカルチャーに擦り寄ってしまったら意味がないでしょ。

ライオンキングを絶賛するなら、なぜそれを生み出すことに多大な貢献をした文楽を守らないのか。ライオンキングのチケットが10万枚売れるのも、ある意味、文楽のお陰だろうに。橋下クンの主張は、支離滅裂すぎるんだよ。

古典っていうのは、現代の最先端の芸術家にとっては、栄養分を大量に含んだ土壌のようなものなんです。それなしには美しい花など咲かせない。映画の世界でも、チャップリンやオーソン・ウェルズや小津を観ずに作品作ってる作家なんていませんよ。

橋下クンの主張は、黒澤明の映画に影響を受けてルーカスが作った『スター・ウォーズ』に魅了され、「『スター・ウォーズ』の観客動員数は凄い。黒澤はルーカスを見習え」と言っているようなもの。アホ臭過ぎて普通だったらスルーしたいよ。だけど彼は権力者だからいちいち反論してます。

(ツイートをまとめました)

Wednesday, October 24, 2012

『演劇1・2』お陰様で連日盛況です。

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで公開が始まった『演劇1』『演劇2』。2部作合わせて5時間42分という長尺にも関わらず、お陰様で連日盛況です。特に映画離れが進むと言われる若い方のご来場が多く、個人的には非常に嬉しいです。

ご来場いただいたみなさん、本当にありがとうございます。

みなさんのツイッター上でのご感想をまとめたのがこちらです。
http://togetter.com/li/395387

こちらは試写会でご覧になった方々のご感想。
http://togetter.com/li/363295

こちらは上映のレポート。
http://engeki12.com/news/

東京での上映は11/23(金)まで続きます。

『演劇1・2』の上映後トークは、今のところ、大阪10/27、松山11/13、神戸11/16、岡山11/17、広島11/18、福岡12/2で開催予定です。そのうち、大阪、神戸、岡山には平田オリザさんも。ぜひご参加ください。

『演劇1・2』初日を迎えたシアター・イメージフォーラムの様子

Sunday, October 21, 2012

アンドロイド版『三人姉妹』

昨日、吉祥寺シアターで平田オリザ作・演出・アンドロイド版『三人姉妹』を鑑賞し、そのまま平田さんとのアフタートークに出させていただいた。平田さんと話すのは、いまでもやたらと緊張する笑。

別に僕の映画に出ていただいているから言う訳じゃないけど、『三人姉妹』は凄い作品だった。食事も子育ても教育も性交すらもアウトソーシングする昨今だが、「自分自身」まで外注に出す近未来像には不気味なリアリティがある。

『演劇2』で撮らせてもらったロボット演劇の最初の作品『働く私』では、まだロボットという素材と遊びながら実験している感があったが、『三人姉妹』で平田氏は、ロボットを俳優として完全に熟知し使いこなしている。作品としての完成度も半端なく、深みも段違い。改めて、恐るべし、平田オリザ!

俳優さんたちも、いぶし銀のベテランぞろいで、素晴らしかったなあ。

必見です。

本日10/22(月)は平田さんに16:00『演劇2』のトークに、ミスター青年団・山内健司さんに19:30『演劇1』のトークに来ていただきます。

http://www.musashino-culture.or.jp/k_theatre/eventinfo/2012/07/post-7.html

Friday, October 19, 2012

今日の新聞に『演劇』関連記事、続々。

本日(10/19)の「産経新聞」朝刊、「朝日新聞」夕刊、「読売新聞」夕刊、「日経新聞」夕刊に『演劇1』『演劇2』の批評やインタビューが掲載されています。

いよいよ明日から公開だ〜!ドキドキしてます。


週刊朝日「ハシシタ 奴の本性」について

佐野眞一氏らによる『週刊朝日』の記事「ハシシタ 奴の本性」を読んだ。僕は橋下氏を危険な人物であると考えているが、この記事にも違和感を持った。まず題名がよくない。橋下氏の親がハシシタという読みをハシモトに変えたことは事実のようだが、それをことさらに強調する必要があるのか。

特に、ハシシタという読み方が被差別部落出身であることを示唆するのならば、この題名には「橋下は被差別部落出身だからダメだ」というメタ・メッセージがどうしても含まれてしまう。つまり記事自体が差別意識に乗っかったものになってしまう。それでは少数派を抑圧する橋下を批判する資格を失う。

もちろん、ある人物を知ろうとする際に、その人の生い立ちや育った環境を調べ記述することが有益であり得ることは確かであり、そうした手法を一概に否定すべきでもない。しかし、この記事に関しては、「怪し気な人物像」を描くために、彼の生い立ちと人々の差別意識を利用しているだけの感がある。

橋下氏を批判したいなら、彼の実際の行動や発言を徹底的に批判すべきである。違憲の思想調査、ねつ造事件、君が代・日の丸強制、原発問題などでの変節、口汚い女性差別的な発言など、批判の材料は山ほどある。それをメディアがきちんと批判してこなかったからこそ、今の橋下氏がある。

(ツイートをまとめました)

Thursday, October 18, 2012

『演劇』2部作の上映時間

今週土曜 (10/20)、いよいよ初日!渋谷・シアターイメージフォーラムでの『演劇』2部作上映時間:

<10/20(土)-11/9(金)の期間>
12:45-『演劇1』/16:00-『演劇2』/19:30-『演劇1』

<11/10(土)-11/23(金)の期間>
12:45-『演劇1』/16:00-『演劇2』/19:30-『演劇2』

です。

http://www.engeki12.com/theater.html

Sunday, October 14, 2012

10/23(火)『演劇vs.映画』(岩波書店)刊行記念トークイベント




そう、今回も本を書いたんですよ。題して『演劇vs.映画 ドキュメンタリーは「虚構」を映せるか」。

10/23(火)19:30から、刊行記念イベントもやります。対談相手は『暇と退屈の倫理学』やテレビなどで大評判の気鋭の哲学者・國分功一郎さん。 場所は東京の青山ブックセンター本店。ぜひ参加ください!

http://www.aoyamabc.co.jp/event/souda-kokubun-talks/


『演劇vs.映画』(岩波書店)刊行記念トークイベント
映画作家・想田和弘 哲学者・國分功一郎
「気鋭の映画作家と哲学者が、〈創造〉〈芸術〉〈現代〉と切り結ぶ」

四年越しのドキュメンタリーの傑作『演劇』二部作を完成させた映画作家と、『暇と退屈の倫理学』で大反響をよんだ哲学者が、10月20日公開の『演劇』を入り口に縦横に語り合う。

トークショー終了後にサイン会を行います。

日時 2012年10月23日(火)
19:30~21:00+サイン会(21:30終了予定)
開場19:00~
料金 1,050円(税込)
会場 本店 大教室
定員 110名様

Saturday, October 13, 2012

タマフル逆取材!

平田オリザさんと一緒に60分以上ぶっ続けで生出演したTBSラジオ・ウィークエンドシャッフル。CM中か何かだと勘違いして、オンエア中に「逆取材」写真を撮ってしまいました(笑)。


Friday, October 12, 2012

10/13(土)TBSラジオ・ウィークエンドシャッフルに出演します。

ライムスターの極めて政治的でカッコいいニューシングル「The Choice is Yours」を聴いていると、明日10/13(土)のTBSラジオ・ウィークエンドシャッフル「観察ラジオ」への士気が否応なく高まる(笑)。今回は平田オリザ氏も参加し丸1時間生放送。どんな話が飛び出すか!?

http://www.tbsradio.jp/utamaru/index.html

Wednesday, October 10, 2012

『世界』11月号

発売中の岩波書店『世界』には、平田オリザさんと僕の対談が載っています。タイトルは「民主主義を諦めないために 芸術から見た政治のいま」。分量は7ページ。

http://www.iwanami.co.jp/sekai/


Tuesday, October 09, 2012

『群像』11月号

発売中の講談社『群像』11月号に「随筆」を書きました。タイトルは「牛窓の夢うつつ」。分量は2ページです。

http://gunzo.kodansha.co.jp/10050/18190.html


Friday, October 05, 2012

『演劇』関連記事、続々出てます。

Switch
「アクチュール」(10/5発売)

「すばる」10月号

「すばる」10月号


「キネマ旬報」(10/5発売)

「キネマ旬報」(10/5発売)

「キネマ旬報」(10/5発売)

「シアターガイド」(10/2発売)
「東京カレンダー」(9/21発売)


Wednesday, October 03, 2012

Theatre 1&2 @ Busan Film Fest 『演劇』2部作@釜山映画祭

We'll leave for Busan International Film Festival tomorrow. Theatre 1 & 2 will be world-premiered at 14:00 on Saturday October the 6th. I'll do a Q&A. Another screening will be at 10 AM on October the 11th. With English and Korean subtitles.

明日から釜山国際映画祭に行きます。明後日10/6 (土)の14時から、『演劇1』『演劇2』のワールドプレミア上映。舞台挨拶します。10/11の午前10:00からも上映あり。英語字幕と韓国語字幕が付きます。See you!

http://www.biff.kr/eng/html/program/prog_view.asp?idx=7392&c_idx=43&sp_idx=234&QueryStep=2

10/20(土)から『演劇1』『演劇2』 東京で連日トークショー!

10/20(土)に東京・渋谷のシアターイメージフォーラムで初日を迎える『演劇1』『演劇2』。豪華なゲストをおよびして、1週間毎日トークします。要チェック!

10月20日(土)16:00~『演劇2』上映後 想田和弘・初日舞台挨拶
10月21日(日)16:00~『演劇2』上映後 富田克也さん(映画監督『サウダーヂ』)×想田和弘
10月22日(月)16:00~『演劇2』上映後 平田オリザさん×想田和弘
10月22日(月)19:30~『演劇1』上映後 山内健司さん(青年団)×想田和弘
10月23日(火)19:30~『演劇1』上映後 古舘寛治さん(青年団・サンプル)×想田和弘
10月24日(水)19:30~『演劇1』上映後 本広克行さん(演出/映画監督『踊る大捜査線』シリーズ)×想田和弘
10月25日(木)19:30~『演劇1』上映後 深田晃司さん(映画監督『歓待』『東京人間喜劇』)×想田和弘
10月26日(金)19:30~『演劇1』上映後 松田弘子さん(青年団)×想田和弘

二つ折りのB4チラシ、デザイナーの渡辺純さんのお陰で美しく仕上がりました。下のリンクからダウンロードできます。

Tuesday, October 02, 2012

『演劇』逆取材第5弾:演劇な人々 in 大阪 People who interviewed me on Theatre in Osaka

雑誌「Meets」

毎日放送

FM COCOLO KIYOMIさん

ABCラジオ

週刊「エコノミスト」

週刊「金曜日」

『演劇』逆取材第4弾:演劇な人々 in 東京 People who interviewed me on Theatre in Tokyo

共同通信

毎日新聞

neoneo web

ステージウェブ

ローリングストーン 日本版
エキサイトレビュー

ワンダーランド

Monday, September 24, 2012

『演劇1』『演劇2』前売り券、発売中!

『演劇1』『演劇2』のチケットは、前売りのセット券が2600円。当日券1800円X2だと3600円だから、断然お得です。東京の劇場用の前売り券はネットでも買えます。
http://bit.ly/OOMyMT


Saturday, September 22, 2012

World Premiere of Theatre 1&2 at Busan Film Fest 『演劇』2部作の釜山国際映画祭ワールドプレミア上映

Theatre 1 & 2 will be world-premired at the Busan International Film Festival at 14:00 on Saturday, October 6th (Lotte Cinema Centum City 2). Another screening will be held at 10:00 on Thursday, October 11th (CGV Centum City 3). I'll do an Q&A on Oct. 6th. See you!

釜山国際映画祭での『演劇1』『演劇2』ワールドプレミア上映の予定、出ました。10/6の14時から(Lotte Cinema Centum City 2)と、10/11の午前10時から(CGV Centum City 3)、2部を一挙に上映します。僕の上映後トークがあるのは、10/6の回です。See you!

English
http://www.biff.kr/eng/html/program/prog_view.asp?idx=7392&c_idx=43&sp_idx=234&QueryStep=2

PROGRAM NOTE
This magnificent six-hour documentary, divided into and , meticulously observes the artistic world of Japan’s leading theater director, Hirata Oriza, and his company, Seinendan, just as it observes the relationship between art and society. reveals Hirata’s elaborate creative process, which captures even the smallest nuance of performance and his persistent efforts to keep his company. traces the director’s relation to society for feasibly maintaining his company and the art form that is theater. He meets with government authorities and actively attracts sponsors; he goes around local towns promoting theater and advocates theater education in schools. And his theater reaches beyond the borders of Japan and interacts with the world. Director Soda Kazuhiro invested 307 hours of shooting time from July 2008 to March 2009 and dedicated a further 2 years of editing to complete this film. Born out of this intimate relationship, the film takes the Seinendan and artistic world of Hirata to the exciting drama of humanity and leads us into the world of theater. (CHO Young-jung)

Korean
http://www.biff.kr/kor/html/program/prog_view.asp?idx=7392&c_idx=43&sp_idx=234&QueryStep=2

PROGRAM NOTE
<연극 1>과 <연극 2>로 나뉘어진 6시간을 넘는 이 장대한 다큐멘터리는 일본을 대표하는 연출가인 히라타 오리자와 그가 이끄는 연극단 “청년단”의 무대예술의 세계와 예술과 사회와의 관계를 꼼꼼히 관찰하는 다큐멘터리이다. <연극 1>은 연기의 미세한 부분까지 놓치지 않는 히라타의 정교한 연출 방식과 연극단을 유지하기 위한 그의 지난한 노력을 보여준다. <연극 2>는 이 연극단과 연극이라는 예술형식을 지키기 위해 히라타가 사회와 맺고 있는 관계를 추적한다. 그는 정부관료를 만나고, 후원자를 유치한다. 지방을 다
니며 연극을 전파하고, 학교에서 연극교육을 실시한다. 그리고 그의 연극은 일본을 넘어 세계와 교류한다. 소다 감독은 이 작품을 2008년 7월부터 2009년 3월까지 307시간의 촬영시간과 2년의 편집기간을 걸쳐 탄생시켰다. 이 밀접한 관계를 통해 태어난 이 작품은 청년단과 히라타의 예술 세계를 흥미진진한 휴먼드라마로 승화시키며, 새로운 연극의 세계로 안내한다. (조영정)

Monday, September 17, 2012

9/29 Guam Film Fest グアム映画祭

Peace will be shown at the Guam International Film Festival at 3:55 PM on Saturday, September 29, 2012. I and Kiyoko will be there for an Q&A. See you!

グアム国際映画祭で『Peace』が上映されます!9/29(土)の午後3時55分から。僕と柏木も質疑応答に参ります。See you!

http://www.guamfilmfestival.org/peace/

Wednesday, September 12, 2012

橋下ノンポリ説 第2弾

一部に誤解があるようなのでこのあいだの「橋下ノンポリ説」に補足すると、橋下は今たまたま右翼的言説がウケる世の中だから右翼的言説をふりまいているだけなんです。世が世なら、君が代ではなくインターナショナルの起立斉唱を義務づけてると思うよマジで笑。それが橋下的ノンポリ。たちが悪い。僕はノンポリを免罪しているのではなく、厳しく批判しているわけ。

僕が言うノンポリとは、政治思想を持たない人ではなく、自らの政治性に無自覚である人を差します。なぜ無自覚では困るかというと、政治的存在でない人間はこの世に一人もいないにも関わらず、自分は政治的存在でないと誤解し、無意識に自らの政治的立場を他人に押し付けるからです。

例えば原発が日本に乱立したのは、国民の大部分がノンポリだったからですよ。ノンポリを自認する人々は「原発?よく分かんないけど、電気必要なんじゃないの〜」と言って原発が立つことを黙認してきたわけですが、それは立派に政治的行為なわけです。でも本人はそれが政治的だとは一切思っていない。

橋下を支持している人の大部分は、僕の言うノンポリでしょう。「橋下?よく分からんが政治を変えてくれそう」といった言説を、彼らは政治的だと自覚しません。たぶん自分は政治的に中立だと思ってる。でもそんなわけないでしょう。立派に橋下側に加担してますよ。それに無自覚なのがノンポリなんです。

ノンポリの特徴は、そのときどきに必ずメジャーな意見の側に立つということです。意見の内容いかんに関わらず。つまり常にマジョリティを形成するので、政治的に無自覚でいられる。人間が自らの政治性を自覚するのは、往々にして自らがマイノリティとして抑圧される経験をするときです。

橋下が新自由主義的なのは世の中の主流の価値観が新自由主義でそれを無自覚に吸収して育ったからだし、慰安婦問題などで歴史修正主義的発言をしているのも、世の中の空気が歴史修正主義的だからですよ。彼は究極のノンポリなんです。つまり政治的立ち位置は何だっていい。世の中のマジョリティでさえあれば。

ここで大事なのは、民主主義=多数決と言い切ってしまう民主主義観だと、橋下でいいじゃんという結論になることです。橋下は常にマジョリティにつくわけですから。でもそれじゃ困るんですよ、少なくとも僕は。常に少数派だから笑。最後は多数決で決めるにしても、少数派も尊重してもらわないと。

そういう意味では、橋下問題では日本人の民主主義観が問われているんですよね。実際、橋下って多数決で決まったことに従いたくない人(=少数派)は出て行けっていう人でしょ。今は「従わないヤツは公務員を辞めろ」って言ってますけど、国政を担うようになったら「国から出て行け」になりかねない。

「出て行け」ならまだマシで、下手すると「従わない奴は死ね」になりかねないのが橋下の危うさだと、僕は本気で思っています。「そんなバカな」という人、歴史を見て下さい。実例に事欠きません。もちろん僕の危惧は間違っているかもしれない。でも、当たってたら大変です。だから警告しているのです。

ちなみに、ノンポリ、つまりマジョリティの側の人間は、どのようにマジョリティ側の意見や空気を察知するのか。たぶんそれは、魚の群れと同じじゃないかと僕は思っています。つまり互いに参照し合うわけです。で、一定の数がドーッと右へ行けば右へ行く。右が正解かどうかは関係ない。そういう感じ。

人間も群れをなす動物ですから、それはある程度仕方のない習性なのだとも思います。僕にも勿論そういう部分があるし。でも、人間には理性もあるわけですから、最低限、そういう習性が自分たちにあるということは自覚した方がいい。でないと、崖のある方向にドーンとみんなで突っ走っちゃいますよ。

「日本人は賢いから大丈夫」だと言うみなさんはお忘れかもしれませんが、私たちには断崖絶壁へみんなで突っ込んだ痛い経験があります。勝てる可能性なんてゼロなのに、アメリカ相手に戦争をしたことです。あの手の取り返しのつかない事態を、なんとしても避けねばならない。そう、思っています。

こんなこと書くと、想田は多数派一般ピープルを蔑視すんのか!偉そうに!というお叱りがくるのだろう。でもね、多数派の支持と熱狂がなかったら第二次世界大戦は起きなかったし、日本に原発は乱立しなかったはずでしょう。その事実を無視して、一般人は常に正しいって言うのはイデオロギーですよ。

僕も含めた私たち人間の群れには、皆で力を合わせて破滅に向かって暴走する危険性が常にあるんだということを言いたいのです。それは民主主義というシステムの重大な副作用でもある。だからといって民主主義をやめる訳にはいかないわけで、要はみなさん気を付けましょうということです。自戒も込めて。

Monday, September 03, 2012

Premiere of Theatre 1 & 2 『演劇』2部作プレミア決定!



『演劇1』『演劇2』の釜山国際映画祭でのワールドプレミアが決定しました!

また、東京・シアター・イメージフォーラムでの公開初日が10/20(土)に決定。5週間限定公開です。

今日9月4日は佐藤真監督の命日。平田オリザ氏と青年団を佐藤監督も撮ろうとしていたことを、平田氏に撮影を申し込みに行ったときに知って鳥肌が立ちました。

今日が東京公開日と釜山プレミアの情報解禁日であることに不思議なご縁を感じます。

It's official. Theatre 1 & 2 will be world-premiered at Busan International Film Festival in October!

Also, the opening day at Theater Image Forum in Tokyo has been set to October 20th. It will be 5 weeks run.

Today, September 4th, is the day the director Makoto Sato passed away. When I first met Oriza Hirata to propose this project, he told me that Mr. Sato also was planning to make a similar movie before he died.

What a coincidence to be able to announce both Busan and Tokyo engagements on such a day.




Thursday, August 30, 2012

同世代のノンポリ・モンスター、橋下徹について

参議院廃止、議員定数半減、首相公選制…。自分が日本を独裁するための制度を具体的に提案してきた人間は、たぶん橋下くんが初めてでしょう。それはあまりに突拍子もない、普通はあり得ない野望だし、本人はタレント出身だと軽く見られてるから、日本国民の大半が無防備だという皮肉。

まあ、普通は「そんなバカな。考え過ぎです」という反応なのでしょう。「橋下みたいな劇薬を使いこなせないと」っていう人も多いようです。でも劇薬飲んでるうちに死んでしまいかねないですよ。劇薬なんか使わずに、自然療法でゆっくり治していけばいいじゃないですか。僕の言うことが杞憂ならいいんですが。

でも、日本に一時帰国して約1か月。マスコミの論調を眺めていると、橋下政権を誕生させようというのが規定路線のように見えます。ファシズム政権が誕生する過程というのは、こういうもんなんだなあと、絵巻物のごとく眺めている自分がいます。

橋下の強みは、たぶんみんなから低能に見られていることにあるんですね。タレント出身の政治家に何ができるっていう蔑視が、有権者の中にも、プロの政治家の間にも、どこかある。だから彼が権力を握ることを警戒しない。むしろ橋下を利用してやろうというスケベ心を出す。これが最大の落とし穴です。

橋下は僕より1つ上。1969年生まれ。同世代です。だからよく分かるんですよ、彼のああいう、政治思想の真空状態で育った感じは。政治の歴史の積み重ねなんて興味ゼロ。もともと恐ろしいくらいノンポリ=荒々しい主流の価値観を無自覚に吸収した人間だと思います。同世代が生んだモンスターですね。

で、僕らの世代くらいはノンポリが非常に多いんです。先の戦争は実感として遠い昔の話だし、生まれたときには学生運動も終わってる。安定的経済成長の中、主流の価値観から脱落せずにせっせと立身出世すれば明るい未来が待っているものだと誤解して育った世代です。橋下くんはその典型に思えます。

ノンポリ=政治的でない、と誤解されがちですけど、ノンポリであることは主流の価値観を肯定してるわけですから、極めて政治的なんです。ただそれに無自覚なんですね。原発が乱立しようが公害で海や川が汚れようが、自分は困らないので全然オーケー。それがノンポリであり橋下です。

でも、大人として成熟していく過程で、いろんな体験をしたり人に出会ったりして価値観にも修正を加え自らの政治性にも自覚的になっていく人もいるんです。僕もそうでしたし、今でも現在進行形です。でも、橋下クンにはそういう形跡がみられない。ノンポリのまま政治家になっちゃたんですね。

橋下が無節操に、自分に得があるならどことでも組もうとするのは、ノンポリだからでしょう。そしてノンポリであることが既成の政治にノーを突き付けることだと、本人も有権者も誤解している。でもそれは子供に政権とらせてみようっていうのと同義です。

自らの政治性に無自覚という意味での橋下的ノンポリの困った点は、自分の価値観や政治性を相対化できていない点です。社会の主流の政治的立場を無批判に吸収して育っただけなので、それになじまない人間が世の中にいることが理解できません。だからこそ独善的で不寛容で非論理的になります。

橋下がノンポリなら、なぜ君が代や日の丸を強制するんだという疑問があるかもしれません。でも、彼が右翼思想に基づいて強制しているとは思えません。あれはたぶん「えー、国歌は斉唱するもんでしょ」というノンポリ的な常識論で「なんとなく強制」しているのです。しかも踏み絵としては丁度いいので。

ノンポリ的な常識論の厄介さは、自分が政治的な立場を他人に強制しているという自覚すらない点です。「だって当たり前でしょ」「逆になんで歌わないの?」で済ませてしまうので、議論にもなりません。自らの政治性に無自覚なので、他者に守るべき政治的・思想的立場があることすら想像できません。

橋下くんが「君が代問題は思想良心の自由の問題ではない」と言うのは、たぶん本心なんだと思います。彼にとってはどうでもいい問題なんで、不起立にこだわる気持ちも分からないんだと思います。でも同時に「上司の命令なのに立たないのはおかしい」っていう常識論は振りかざす。ノンポリだから。

(ツイートをまとめました)

Tuesday, August 28, 2012

橋下機長の戦争観

「慰安婦=風俗」っていう認識の橋下機長。凄いねえ。戦争ってものが全く分かってない。コスプレの延長くらいに思ってるんだろうな。

戦争で他国に兵士が出て行く。彼らの性処理に現地の女性が当たる。この構図を前にして「戦争中だから仕方なかった」と開き直るのか、「戦争とはかくも悲惨なものだから決して戦争はすまい」と決意するのか。橋下機長は明らかに前者であり、そういう人物を自衛隊を指揮する人間にしてはならない。

確かに酷いことをしたのは日本軍だけではない。米軍だって原爆を2度も落としたり酷いことをした。今もアフガンで酷いことをしてる。それを「戦争だから仕方がない」と開き直るのか、「過ちは繰り返すまい」と決意するのか。橋下機長はきっと前者なのだろう。国政など任せてはならない。

橋下機長は慰安婦問題を性道徳の問題にすり替えようとしているが、これは「戦争をどう考えるか」「戦争に対してどう向き合い、どんな態度をとるか」という問題なんです。性道徳の問題ではない。

逆に言えば、いまどこかと戦争をして自衛隊を他国に送り出すとしても、たぶん慰安所的なものは必ず出来てしまうんですね。米軍の兵士がアブグレイブ刑務所であの虐待事件を犯したのは、偶然ではなく必然です。人が人を殺しに行くというのは、そういうことなんです。だから戦争はダメなんでしょ。

(ツイートをまとめました)

Sunday, August 26, 2012

少子化なのに?

そういえば、最近、僕が子供の頃よりも受験戦争が激化し、子供たちがますます塾とかでガリ勉しているように見えるのは、なんで?錯覚?少子化で競争がゆるくなったんじゃないの?

地元の本屋さんに行ったら、フロアの3分の1くらいが参考書で占められていてびっくりした。軒並みシャッターが降りてる商店街で、唯一ピカピカのビルで営業してるのは塾や予備校だし。それを眺めながら、少子化で受験戦争が沈静化してしまったら、困る大人が大勢いるんだろうなと、フト思った。

さびれた商店街と、元気な塾や予備校。実はこれは同一の現象だ。つまり子供が「いい学校」に進学しようと勉強するのは、田舎から都市へ出て行くため。僕もそうだったから分かる。親も無意識にそれを望んでいた。とはいえ、すっかりシャッター街と化したわが街の「商店街」を歩くと切なくなる。

それにしても、大人の世界の論理が子供の世界を侵蝕していることには違和感を覚える。点数を上げるために必死でガリ勉する子供たちは、ノルマを達成するために身を粉にして働く大人たちとそっくりである。親が過保護になったという割には、本質的な意味では子供の世界は保護されていない。

『演劇』逆取材第3弾:演劇な人々 in 東京 People who interviewed me on Theatre in Tokyo

『演劇』逆取材第3弾:演劇な人々 in 東京です。取材して下さってありがとうございました〜。

朝日新聞

佐々木敦さん

Saturday, August 25, 2012

横浜借景とneoneoイベント

8/23は篠崎由紀子さんとハイネ君が企画し出演している「横浜借景」を観た。めちゃくちゃ面白かった。「借景」というだけに横浜の実際のモールを舞台にしてしまうのだが、虚と実の入り交じり方がハンパなく、極めてドキュメンタリー!終始ニヤニヤしてしまった。26日まで1日8回公演。おススメです。

普通の通行人と出演者が入り乱れて「横浜借景」は進む。出演者には独特のテンションがあるのですぐに「演者だな」と分かるんだけど、通行人にもそういうテンションを持ってる人が多くて、だんだんみんなが出演者に見えてくる。僕ら見学者も含めて(笑)。日常生活の演劇性を実感させられたな〜。

途中、出演者がちょっと奇妙なことをしているのを、たぶん本物の警備員らしき人が咎めるハプニングがあったりして、でももしかしたらそれも仕込んであるのかな、なんて思ったりして、ホント、虚と実が入り乱れる。こういう趣旨の企画は昔からあったとは思うけど、作り方が洗練されていて心地よかった。

僕ら観客は無線のヘッドフォンを付けて鑑賞するんだが、そこから流れる効果音、音楽、柴幸男さんのテキストが面白さを増幅している。「百年前、ここは海だった。建物の寿命は80年なので百年後にこの建物はない」という趣旨の言葉が、いまそこに自分がいることの不思議さを実感させて印象的だった。

夜は雑誌『neoneo』創刊記念で上映された小川紳介監督『どっこい!人間節 寿・自由労働者の街』を観た。最初の1分くらい遅れてしまったけど、素晴らしい映画だった。厳しい状況を描いているはずなんだけど、僕には人々が活き活きと見えたし楽観的に思えた。

小川プロのプロデューサーだった伏屋博雄さんに打ち上げでお聞きしたところ、小川監督は三里塚の映画等を撮りながらも、ご本人は左翼思想に興味がなかったらしい。彼の映画が政治的題材を扱ってはいるけど、全然政治的ではなく、そこから横溢するものに溢れているのはそのせいかもしれない。 

石川直樹×諏訪敦彦のトークも面白かった。いわゆる「ドキュメンタリー映画」のど真ん中にいるわけではないお二人にトークを依頼したことに、ドキュメンタリーという概念・手法そのものを問うていこうという『neoneo』の編集方針と気概を感じる。大いに刺激的である。

それにしても、昨晩の『neoneo』の上映+トークがほぼ満席だったことは、とても頼もしく嬉しい現象であった。遅れて入ったので、暗闇のなか席を見つけるのに苦労したけどね笑。
(ツイートを再構成しました)

Sunday, August 19, 2012

尖閣諸島を巡る対立について

尖閣諸島を巡る負の連鎖が恐ろしい。「毅然とした態度」を示したり「領有権を堂々と主張」したりすればするほど、火に油を注ぐ。普段の人間関係に置き換えてみれば当たり前だろう。その単純な原理を理解せず、ガキの喧嘩を煽る政治家やメディアや人々が、日中双方に多過ぎる。甚だ危険だ。

この負の連鎖を加速させたのは石原慎太郎による尖閣購入計画であることは間違いない。野田政権も国有化を宣言して更に事態を悪化させた。この負の連鎖の「原因」を、打開に向けた「ソリューション」だと勘違いする人が多過ぎる。

山谷えり子参院議員や長尾敬衆院議員も尖閣に上陸したらしいが、彼らはそれが解決策であり、中国側が「参りました」と降参すると本気で思っているのだろうか?普通に考えれば、中国側はますます反発を強め、上陸する議員も増えるだろう。すると日本側も同じことをする。その先に何が待つのか?

このまま日中双方の上陸合戦が続けば、逮捕者や小競り合いも増えるだろう。双方の国民の熱狂は高まり、軍事衝突が起きるかもしれない。戦争も起きかねない。日本にミサイルが撃ち込まれるかもしれない。しかしそれでも、いわゆる「愛国者」は「我々は正しいことを主張した。仕方がない」で済ますのか?

「尖閣を守れ」と行動するいわゆる「愛国者」たちは、もしかしたら「大義のためには戦争もやむなし」と考えているのかもしれない。しかし、それが本当に愛国的な態度であろうか?本当に日本や日本人を愛するなら、何が何でも戦争を避けるための行動をとるのではないか?

尖閣諸島問題で強硬論を唱える人は、上陸して逮捕された香港の活動家や政治家たちの、あの怒りと倒錯した「愛国心」で奇妙に歪んだ顔を思い浮かべた方がよい。それは、強硬論者みなさんの鏡像である。

(以上、ツイートをまとめたものです)

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お詫びと訂正:「山谷えり子参院議員や長尾敬衆院議員も尖閣に上陸したらしい」とツイートしましたが、続報によれば、実際に上陸したのは地方議員5名と民間人5名だったようです。山谷氏らは船上での慰霊には参加しましたが、上陸はしなかったようです。http://bit.ly/NSEOHi

チェルフィッチュの岡田利規さんと対談


8/14、『女優の魂』(8/17〜)を横浜で稽古中の岡田利規さんのところへ押し掛け、『演劇』2部作や演じること、演劇について語り合った。これまた面白かった〜。『演劇vs映画』に収録します。撮影は東風の向坪さん。

Sunday, August 12, 2012

青年団俳優と座談会 Discussion with Actors of Seinendan

青年団の俳優さんたちと座談会をした。参加者は山内健司、島田曜蔵、松田弘子、志賀廣太郎、古舘寛治、能島瑞穂、近藤強の各氏(順不同)。岩波書店から刊行予定『演劇vs映画 ドキュメンタリーは「虚構」を映せるか』に収録予定。

絶えず爆笑しながらも、虚構とは、リアルとは、とますます考えさせられる面白い話がたくさん聞けた。

写真は『演劇』配給会社の社長・木下繁貴さん。最後のだけ僕がカメラをお借りしてパチリ。


志賀廣太郎さん

島田曜蔵さんと能島瑞穂さん

山内健司さん

近藤強さん

松田弘子さん

古舘寛治さん





Saturday, August 11, 2012

平田オリザ氏との対談 Discussion with Oriza Hirata

岩波書店から刊行予定『演劇vs映画 ドキュメンタリーは「虚構」を映せるか』と『世界』に収録予定。あんだけ密着してたのに、オリザさんと差しでちゃんと話したのは初めてかも。めっちゃ楽しかった〜。写真は『演劇』配給会社の社長・木下繁貴さん。うまいっす。