Saturday, August 25, 2012

横浜借景とneoneoイベント

8/23は篠崎由紀子さんとハイネ君が企画し出演している「横浜借景」を観た。めちゃくちゃ面白かった。「借景」というだけに横浜の実際のモールを舞台にしてしまうのだが、虚と実の入り交じり方がハンパなく、極めてドキュメンタリー!終始ニヤニヤしてしまった。26日まで1日8回公演。おススメです。

普通の通行人と出演者が入り乱れて「横浜借景」は進む。出演者には独特のテンションがあるのですぐに「演者だな」と分かるんだけど、通行人にもそういうテンションを持ってる人が多くて、だんだんみんなが出演者に見えてくる。僕ら見学者も含めて(笑)。日常生活の演劇性を実感させられたな〜。

途中、出演者がちょっと奇妙なことをしているのを、たぶん本物の警備員らしき人が咎めるハプニングがあったりして、でももしかしたらそれも仕込んであるのかな、なんて思ったりして、ホント、虚と実が入り乱れる。こういう趣旨の企画は昔からあったとは思うけど、作り方が洗練されていて心地よかった。

僕ら観客は無線のヘッドフォンを付けて鑑賞するんだが、そこから流れる効果音、音楽、柴幸男さんのテキストが面白さを増幅している。「百年前、ここは海だった。建物の寿命は80年なので百年後にこの建物はない」という趣旨の言葉が、いまそこに自分がいることの不思議さを実感させて印象的だった。

夜は雑誌『neoneo』創刊記念で上映された小川紳介監督『どっこい!人間節 寿・自由労働者の街』を観た。最初の1分くらい遅れてしまったけど、素晴らしい映画だった。厳しい状況を描いているはずなんだけど、僕には人々が活き活きと見えたし楽観的に思えた。

小川プロのプロデューサーだった伏屋博雄さんに打ち上げでお聞きしたところ、小川監督は三里塚の映画等を撮りながらも、ご本人は左翼思想に興味がなかったらしい。彼の映画が政治的題材を扱ってはいるけど、全然政治的ではなく、そこから横溢するものに溢れているのはそのせいかもしれない。 

石川直樹×諏訪敦彦のトークも面白かった。いわゆる「ドキュメンタリー映画」のど真ん中にいるわけではないお二人にトークを依頼したことに、ドキュメンタリーという概念・手法そのものを問うていこうという『neoneo』の編集方針と気概を感じる。大いに刺激的である。

それにしても、昨晩の『neoneo』の上映+トークがほぼ満席だったことは、とても頼もしく嬉しい現象であった。遅れて入ったので、暗闇のなか席を見つけるのに苦労したけどね笑。
(ツイートを再構成しました)

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