尖閣諸島を巡る負の連鎖が恐ろしい。「毅然とした態度」を示したり「領有権を堂々と主張」したりすればするほど、火に油を注ぐ。普段の人間関係に置き換えてみれば当たり前だろう。その単純な原理を理解せず、ガキの喧嘩を煽る政治家やメディアや人々が、日中双方に多過ぎる。甚だ危険だ。
この負の連鎖を加速させたのは石原慎太郎による尖閣購入計画であることは間違いない。野田政権も国有化を宣言して更に事態を悪化させた。この負の連鎖の「原因」を、打開に向けた「ソリューション」だと勘違いする人が多過ぎる。
山谷えり子参院議員や長尾敬衆院議員も尖閣に上陸したらしいが、彼らはそれが解決策であり、中国側が「参りました」と降参すると本気で思っているのだろうか?普通に考えれば、中国側はますます反発を強め、上陸する議員も増えるだろう。すると日本側も同じことをする。その先に何が待つのか?
このまま日中双方の上陸合戦が続けば、逮捕者や小競り合いも増えるだろう。双方の国民の熱狂は高まり、軍事衝突が起きるかもしれない。戦争も起きかねない。日本にミサイルが撃ち込まれるかもしれない。しかしそれでも、いわゆる「愛国者」は「我々は正しいことを主張した。仕方がない」で済ますのか?
「尖閣を守れ」と行動するいわゆる「愛国者」たちは、もしかしたら「大義のためには戦争もやむなし」と考えているのかもしれない。しかし、それが本当に愛国的な態度であろうか?本当に日本や日本人を愛するなら、何が何でも戦争を避けるための行動をとるのではないか?
尖閣諸島問題で強硬論を唱える人は、上陸して逮捕された香港の活動家や政治家たちの、あの怒りと倒錯した「愛国心」で奇妙に歪んだ顔を思い浮かべた方がよい。それは、強硬論者みなさんの鏡像である。
(以上、ツイートをまとめたものです)
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お詫びと訂正:「山谷えり子参院議員や長尾敬衆院議員も尖閣に上陸したらしい」とツイートしましたが、続報によれば、実際に上陸したのは地方議員5名と民間人5名だったようです。山谷氏らは船上での慰霊には参加しましたが、上陸はしなかったようです。http://bit.ly/NSEOHi
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