「夜」は長い人類の歴史の中で、ずっと「休む時間」だったんですね。というか、休む以外になかった。真っ暗なんだもん笑。夜と昼は、全然異質な時間だったはずなんです。しかし今はどうか。あんまり関係ないですね、夜か昼かなんて。だからずっと昼間のように振るまっている。「夜」の侵蝕です。
思えば、僕は「本当の闇」というものをほとんど経験していません。唯一経験したのは、バリ島の村祭りに、現地で知り合った人に連れていってもらったときですね。道中、電気がなく月も出てないので、真っ暗闇。信じられないでしょうが、ホントに何も見えない。物凄く怖かったです。これが「闇」なのかと、初めて思った。それまで僕は「闇」のなんたるかを、知らなかったんです。
そしてそのとき初めて、僕は「妖怪」とか「魔物」にリアリティを感じました。この「真っ暗闇」の中なら、得体の知れない何かがうようよしていても全然おかしくない。むしろ想像力があれこれ膨らんでしまうわけです。
だから闇が消えたと同時に、妖怪も消えたんですよ。すべてが人間のコントロール下におかれた。
(ツイッターのつぶやきを再構成しました)
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