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Thursday, November 29, 2007

Nantes 3 Continents Film Festival ナント三大陸映画祭







** Sorry again, this article is only in Japanese!

 11月21日から28日まで、フランスのナント三大陸映画祭に参加してきた。今年で29回目を迎え、ホウ・シャオシェンを見出したことでも知られる伝統ある映画祭である。
 ナントは人口35万人くらいの小さな都市だが、アート系の映画館もあってワインや葡萄等の食べ物もおいしく、文化の香り漂う魅力的な街である。歩道が広くて歩きやすく、歩行者が道を渡ろうとすると車が必ず停まってくれる、歩行者優先の街。だから駐車場のない小さなお店やレストランも元気いっぱい。最近日本に帰ると、車社会のせいで旧市街がゴーストタウン化し、馬鹿でかい駐車場のある大型チェーン・モールばかりが乱立する光景を目にするが、あんなのは文化を破壊するだけ。少しはナントを見倣って欲しい。
 映画祭もすっかり地元に定着している感じで、どの回もお客さんの入りが良い。平日の5時から開かれた『選挙』の上映が満員になったのには正直驚いた。4〜500人は入っていたと思う。僕は地元のラジオ番組に出演したり、アルジャジーラにインタビューを受けたりした。最近NYからパリに移住し、「さようなら」をしたばかりのドイツ人の友人アルベルトが、はるばる僕の上映に駆けつけてくれたのもビックリした。嬉しくなった僕は、思わず「アルベルトおおお!」と何度も叫びながら抱きついた。
 今年の映画祭の特集は、大島渚監督。僕は大島作品が大好きだし、20歳のころ緊張に震えながらインタビューをしたこともあるので、大島作品を映画館でまとめて観る絶好のチャンスだった。『悦楽』『御法度』『日本の夜と霧』『飼育』『戦場のメリークリスマス』『日本春歌考』『帰って来たヨッパライ』『夏の妹』『太陽の墓場』の9本を観た。やっぱり歴史に残る偉大な監督だ、大島さんは。初期の作品も、少しも古くなるどころか、輝きを増しているような気がした。
 『選挙』にフランス語字幕を付け、質疑応答やラジオ出演の通訳をしてくれたのは、レアさんというハーフの女性。完璧な日本語とフランス語を操り、縦横無尽に訳してくれた。レアさんの彼氏であるニコラスさんは、映画批評家で日本映画にも詳しく、映画祭のカタログに大島渚特集の文章も書いている。だから話が弾んだ。
 滞在中、僕らをあちこちに案内してくれたのは、ボランティアのアヤさん。高崎市出身ということで、足利市出身の僕とは同郷と言ってもいいくらいで、最初から親しみを感じた。アヤさんはフランス人の彼氏と新婚ホヤホヤで、幸せいっぱいそうだった。
 映画祭の会場で、ベルリン映画祭フォーラム部門ディレクターのクリストフにばったり会えたのも、嬉しい偶然だった。彼は『選挙』をフォーラムに招待してくれた恩人だが、ベルリンではお互い忙しくなかなか話もままならなかった。しかし今回は一緒に散歩をしたりご飯を食べたり酒を飲んだり、ゆっくりといろんな話ができた。彼はグルメで酒豪なので、ナントの美味しいものもいろいろ教わった。ドイツ語、英語、フランス語を自由に操るクリストフだが、今は日本語を勉強しているそうで、日本人の友達からは「クリちゃん」と呼ばれているとか。「そのあだ名、危なすぎるよ〜、意味知ってるの?」と笑いながら聞いたら、少し恥ずかしげに「もちろん知ってるよ」と答えた。まだ学生っぽさすら残る、ホントに気さくな人である。
 というわけで、ナント三大陸映画祭は、非常に実りある一週間だった。

写真(上から):映画祭閉幕式、『選挙』を上映したアート系映画館「Le Cinematograph」、『選挙』上映後の質疑応答、アルジャジーラによるインタビュー、クリストフと一緒にディナー。

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