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Monday, January 14, 2013

保坂展人『闘う区長』

保坂展人世田谷区長の『闘う区長』(集英社新書)を読んでいるのだが、非常に面白い。元社民党だし「革新」のイメージが強い人だが、「行政では継続性も大事なので95%は現状を引き継ぎ自分が変えるのは5%だけ」という方針を最初から打ち出している。橋下徹みたいな単なる壊し屋ではない。

それでも、東電の値上げや情報開示を巡るバトルなどは文字通り「闘って」いる。東電以外のPPSからの電力購入を行い区役所の電気料金を数千万円浮かせ、それを真似する自治体が続出して一種のPPSブームを起こしたことなどは、まさに「世田谷区から日本を変える」ような政治行動だと思った。

よく「日本は国の規模が大きすぎるので、小さい国のようには改革がなかなか進まない」という声が聞かれるが、世田谷区は人口88万人。まさに「小国」に匹敵する規模なので、日本全体を変えようとするよりも、ずっとやりやすい。『闘う区長』を読みながら、そのことを具体的に実感させられる。

とはいえ、日本という国は世田谷区のような自治体が多数集積してできているわけで、よい方に変わる自治体がたくさんできれば、結果的に日本全体が変わることになる。「日本を変える」というと、どうしても「国政を変える」に短絡しがちだけど、実は逆からのアプローチの方が効果的なんだと思った。

つまり「○○から日本を変える」という、よくあるスローガンは、実は正しいということだ。問題は、それが正しい道筋だと本当に信じて唱えている政治家は、実は少ないということ。橋下徹なども、大阪から日本を変えると言いながら、国を変えないと大阪が変わらないなどと矛盾したことを言っている。

興味深いのは、PPSからの電力購入のように画期的な政策を行うと、我も我もと真似する自治体がどんどん出て来ることだ。どの自治体も改善策を探している。だから効果的なモデルを示す自治体があれば、ヒット商品を真似する企業が続出するのと同じで、ぱっと広まる。この伝播力を侮ってはならない。

保坂区長の「95%は引き継ぎ、5%だけ変える」という方針は、彼を後押しした市民派や環境派の人々の多くにとっては、もしかしたら物足りないかもしれない。しかし、急激に変えようとすると、それだけ抵抗も大きい。世田谷区議会は自公が多数派だし。長い目で見守ることが大事だと思う。

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