Tuesday, June 30, 2009

ホリエモン氏と『選挙』

今日はライズXにて『選挙』の特別試写会イベントを開催、ホリエモン氏、山さんと一緒に登壇した。

我々3人は東大文3のスペイン語クラス出身。山さんとホリエモン氏は駒寮出身。僕とホリエモン氏は宗教学科出身、しかも共通の友人がいたりして、何かと共通点が…。初めてお会いしたのであるが、楽屋では内輪話で盛り上がった。

舞台では、そんなこと言って、大丈夫なの?という危ない暴露話のオンパレードだったが、ヤバすぎるのか、どの記事を読んでも核心には触れられていない(笑)。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20090630et02.htm

http://www.cinematoday.jp/page/N0018649

ライズXでの復活ロードショーは7/4日から。1日4回上映。初日には舞台挨拶もあります。

Monday, June 29, 2009

『鳥の飛ぶ高さ』カンゲキ(観劇/感激)

昨日は青年団国際演劇交流プロジェクト『鳥の飛ぶ高さ』を観に行った。

ミシェル・ヴィナヴェール原作、平田オリザ翻案・演出協力、アルノー・ムニエ演出の演劇である。ホントはもっと前に行きたかったのだが、『精神』の公開で忙殺され、結局最終回になってしまった。しかも開始時間を勘違いしていて、モロに遅刻!最初の20分を見逃した。何たる大ボケ、めちゃくちゃ悔しい…。

しかし、これがまた快作だったのだ!日本の便器メーカー「猿渡」がフランスの便器メーカーに乗っ取られる話で、下ネタと現代資本主義批判が渾然一体となっている。オリザ作品には極めて珍しく、唄と踊りもある。しかも最高にイケている。作曲はオリザ氏の妻で女優・歌手のひらたよーこ、作詞はオリザさんである。

『便器のサルワタリ』
雲の白さに風薫る
ヤマトの誇り、ここにあり
流れ流れるその先に、希望の大河が光るのだ
便器、便器、便器のサルワタリ、
北から南へ、すべての人が、
白い便座に腰掛ける

『世界はあなたを求めてる』
便座の輪は世界の輪、宇宙を包む神秘の楕円
眠りから覚め、いま進む、改革の時、前進の時、
世界はあなたを求めてる。あなたは世界に走り出す
輝く伝統引き継いで、便器の未来、切り開く
進め進め、世界のために、アジアのおしりを洗うのだ
開け開け技術の扉、心で磨くこの曲線
便座の輪は世界の輪、宇宙を包む神秘の楕円
マーケティングのその先に、信念の夢、未来の希望
世界はあなたを求めてる。あなたは世界に走り出す
流れる水は流々と、便器の未来、切り開く
進め進め、世界のために、アジアのおしりを洗うのだ
歌え歌え歓喜の唄を、心で磨くこの曲線

「静かな演劇」というイメージしかない人にとっては、これが平田オリザか?と良い意味で裏切られるだろう。とにかく弾けている。演出がアルノー・ムニエであるだけに、俳優の演技は平田印とは全く異なるが、こういう非オリザ的演技もできるんだなあと、彼らの技量にも感心した。

これも次回作『演劇(仮題)』の一部として撮れてたらなあと、ちょっと悔しくなった。でも、今回はどう考えてもタイミング的に無理だった。

再演を待ち望む。

http://www.seinendan.org/jpn/info/index.html

余談だが、会場で高校の3年間の担任だった恩師に、20年ぶりにバッタリお会いした!と思ったら、実は先生の息子さんが青年団の俳優さんだったのだ!そういや、同じ名字だ〜。そんなことって、あるんだなあ。世界は恐ろしいくらいにつながっている…。

質疑応答@渋谷 7/12まで

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで、『精神』19時の回の終了後に毎晩質疑応答をしているんですが、好評につき7月12日まで連日やることになりました。
http://www.imageforum.co.jp/theatre/

でも、毎晩出掛けて行くのは、案外体力と気力が必要なんだなあと、今頃実感していて、ちょっと安請け合いだったなと自分を恨めしく思う気持ちもあり…(笑)。誰かに代わってもらうこともできないしなあ。

しかし、お客さんと直にお話できるのはこの上なく刺激的だし、自分を磨く上でも大事だなあと思います。一昨日は、「もうこれで7回も観ました」なんていう猛者のお客さんもおられて、こりゃあ負けてはおられんという気になりました。ここはひとつ気合いを入れて、12日まで連投しようと思います。

Sunday, June 28, 2009

観察ラジオと観察テレビ

昨晩(土曜)のライムスター・宇多丸さんのラジオ(TBS)、僕との対談を1時間もぶっ続けで放送してくださったそうで、「ディープすぎてハラハラした」とか「あんな対談は滅多にない」とか「最高だった」とか、いろんな方から強い反響がありました。

僕はリアルタイムでネットで聴けるだろうとタカをくくっていたら、直前になってそれができないと分かり、苦渋の心境で聞き逃しました。そうと分かっていたら、ラジオを買っておいたのに!

しかし、姉貴が録音しておいてくれたらしく、後で聞こうと思います。いや、ポッドキャストにもなるそうなので、それで聴く方が早いかな。

ちょっと舞台裏の話をすると、宇多丸さんとスタッフの方々は「観察映画」の手法をラジオでやろうとしてくださって、とにかく台本無しに、メモも打ち合わせも一切しないで僕らは喋り続けました。要するに予定調和ではないんです。観察ラジオ。それでディープな話になったし、僕と宇多丸さんの掛け合いも本物になったんだと思います。あんときゃあ、僕も快感だったもんなあ。

実は、こないだのNHK福祉ネットワーク(7/1に再放送予定)もそうだったんです。観察映画ならぬ観察テレビということで、やはり台本無し。というか、台本は一応あったんですけど、僕は読みませんでしたし、読んでくださいとも言われませんでした。だから、普通はああいうスタジオ録画はほぼ尺通りに撮って、後で編集する手間を省くもんなんですが、あれも1時間以上喋ったのを後で丹念に編集してくださったんです。

そういう、作り手の心意気に触れる瞬間、僕は心が動きます。モノ作りって、やっぱり冒険心がないといけない。失敗を恐れたら、それこそが失敗。ドキドキしないとね!

Saturday, June 27, 2009

『精神病とモザイク』好評発売中!


拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版)が全国の書店や『精神』上映中の映画館、ネット等で発売中です。写真は青山ブックセンター本店にて。 なお、この本の印税の50%は、岡山の地域の精神医療のために寄付されます。

Thursday, June 25, 2009

27日(土)から札幌公開

6月27日(土)から、いよいよ札幌のシアターキノで『精神』公開が始まります。12:05(終14:20)と18:10(終20:25)の1日2回上映で、一週間だけの限定公開です。
http://theaterkino.net/ttB.html

残念ながら僕は札幌に参れませんが、作家で統合失調症の当事者でもある三上善博さんが、映画を観た方々の有志で語り合う「懇談会」を開いてくださるとのことで、ぜひご参加ください。三上さんの闘病手記『強い風に吹かれて』は、病を抱える人にとっても、そうでない人にとっても、大変示唆深い力作です。
http://www.maemuki-navi.sakura.ne.jp/

27日(土)のTBSラジオ

27日(土曜日)夜のTBSラジオ「ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル」にて、観察映画ならぬ観察ラジオ的「宇多丸x想田」対談が放送されます。ノリノリで話すうちに、限りなくディープな話になりました。ぜひ聴いてください!僕の出番は夜の11時頃からだそうです。
http://www.tbsradio.jp/utamaru/index.html

Wednesday, June 24, 2009

毎日新聞朝刊


本日(25日)の毎日新聞朝刊に映画『精神』と拙著『精神病とモザイク』についてのコラム「ネコのあくび」が載っています。ぜひご覧下さい。Webでも読めます。
http://124.83.167.158/life/health/akubi/archive/news/20090625ddm013070132000c.html

以下、全文掲載です。

モザイク

 まるで廃虚のような地下の部屋で、コンクリートの床に座布団を敷いて「精神」という映画の試写会を見た。そこが東京駅の近くだとは信じがたいビルだった。

 苦しそうに涙を落としながら女性が吐き出す言葉を、山本昌知医師は何とはなしに聞いている。たばこを吸い続ける男性は高校生のころ1日18時間勉強し続けて発病した。「偽善者という言葉は、にんべんに為と書く。人のためにするのは偽りなんよ。自分のため、神様のためにするのが、本当の善なん」。詩人であり写真家でもあるという。子どもを死なせてしまったことを淡々と語る女性のシーンが延々と続いた時には、呼吸が苦しくなった。

 精神病患者のプライバシーを考えれば顔にモザイクがかかりそうなものだが、スクリーンに登場する人々はいずれも実名で顔をさらけ出している。「モザイクが守るのは、被写体ではなく、往々にして作り手の側である」「彼らを精神病患者という記号ではなく、人間として描きたい」と想田和弘監督は「精神病とモザイク」(中央法規)で述べる。それができたのは、山本医師が患者たちと長い歳月かけて築いた信頼があってこそなのだが、その山本医師は詩人の患者に「よくぞ10年間もいじめてくれたな」と言われたことがあるという。10年を返せないならこれを広めてほしい、と手渡された詩はこういう内容だった。

 「今のままでいい」と言う人に出会うまで変わることはできない。「今のあなたでいいんだ」という無条件の肯定的な関係の中でしか人間は伸びていかない。【野沢和弘】

『選挙』にホリエモン氏が!超特別試写会

7/4から東京・渋谷のライズX等にて復活ロードショーする、拙作で観察映画第1弾『選挙』ですが、その前に6/30、超特別な試写会を行うことが決定!

ぬあんと、特別ゲストとして、主役の「山さん」こと山内和彦さんに加え、あの郵政選挙に出馬した経験を持つ「ホリエモン」こと堀江貴文さんも登壇。僕と3人で『選挙』を巡りトークバトルを繰り広げることに!

堀江さんも山さんも僕も東大文三出身。うーむ。人生って面白いですね(笑)。

無料招待券をご希望の方、6月26日までに下記の2サイトからご応募ください。来るしかないっしょ(笑)。

シネマカフェ
http://www.cinemacafe.net/news/cgi/present/2009/06/6205/index.html

シネマトピックスオンライン
http://www.cinematopics.com/cinema/present/premora.php?number=1505

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『選挙』公式サイト
http://www.laboratoryx.us/campaignjp/index.html

NHK福祉ネットワーク、再放送予定

僕が出演したNHK教育テレビ「福祉ネットワーク」の再放送は、7月1日(水)午後1時20分からだそうです。観察映画ならぬ観察テレビ。見逃した方、ぜひご覧下さい!
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0906/90624.html

Tuesday, June 23, 2009

『精神』上映館続々追加!

『精神』の上映予定館が増えました。青森、盛岡、宮城、山形、福島、群馬、静岡、三重の映画館が追加されています。これで合計27館。詳しくは下のリンクで。
http://www.laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

NHK出演/東京で質疑応答

明日、NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」に出演します。ぜひご覧下さい。

●6/24(水) 20:00〜20:29 O.A.予定
NHK教育「福祉ネットワーク」 ゲスト出演
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0906/90624.html

また、明日24日から30日まで、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、毎晩最終回(19時〜)上映後の質疑応答を行うことになりました。ご希望の方には、拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』にサインもさせていただきます。みなさん、劇場でお会いできるのを楽しみしております。

http://www.imageforum.co.jp/theatre/

Monday, June 22, 2009

『選挙』復活ロードショー

観察映画第1弾『選挙』は7/4から、東京・渋谷のライズXにて、復活のロードショーが始まります。
初日舞台挨拶には、僕と山さんが登壇する予定です。
特製ポストカード付き、特別鑑賞券発売中!
連日 11:55/14:25/16:55/19:25~21:25
■連日19:25の回は英語字幕入り上映となります。
■「CAMPAIGN」shall have English subtitles at 19:25 show.

http://www.cinemarise.com/index.html

東京で追加のQ&A決定!

東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、6月24日から急遽、毎晩最終回(19時〜)上映後の質疑応答を行うことになりました。ご希望の方には、拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』にサインもさせていただきます。みなさん、劇場でお会いできるのを楽しみしております。

ーー以下、シアター・イメージフォーラムのサイトよりーーー

★ご好評につき、『精神』想田和弘監督ティーチ・イン追加決定!★

『精神』では6月24~30日の1週間、19:00の回上映終了後、想田和弘監督による質疑応答を行います。
皆様のご来場をお待ちしております。

http://www.imageforum.co.jp/theatre/

Saturday, June 20, 2009

女性自身WEB

逆取材フォトアルバムで密かな人気を誇る(笑)悪役レスラー?タッグチームによる「男性自身」いや「女性自身」インタビューが、「社会派ロングインタビュー」と題され掲載されました。ゴツゴツしとりますなあ(笑)。

山本先生のロングインタビューも掲載されています。ぜひご一読下さい。

http://jisin.jp/serial/社会スポーツ/社会派/2178

Mixi 逆取材「女性自身」
http://mixi.jp/view_album_photo.pl?album_id=30572721&owner_id=2074478&number=2862301391&page=8

NHKに出ます

以前もお知らせしましたが、以下のテレビ番組に出演しますので、ぜひご覧下さいませ。いずれも全国放送です。

●6/21(日) 7:00〜7:45 O.A.予定
NHK総合「NHKニュース おはよう日本」 インタビュー

●6/24(水) 20:00〜20:29 O.A.予定
NHK教育「福祉ネットワーク」 ゲスト出演
http://www.nhk.or.jp/heart-net/fnet/info/0906/90624.html

『精神』応援団、大募集!

いよいよ日本で封切られた『精神』ですが、小さな映画ですから口コミが命です。そこで、応援団を大募集中です!

チラシやポスターの設置をしてくださる方々、ぜひ配給会社のメールにご一報ください。また、ブログをお持ちの方は、トラックバックやバナーの掲載をお願い致します。詳細は下記へ。

http://ameblo.jp/mentaljp/entry-10226888435.html

エココロ、キネマ旬報、インパクション

エココロ(6/20号)に環境運動家・辻信一さんとの対談が掲載されています!http://www.ecocolo.com/editorial/modules/pukiwiki/780.html?PHPSESSID=i1bi1ohv6r06endc3tatslvnu1

キネマ旬報(6/20号)には、あの伝説の映画評論家・佐藤忠男さんによる『精神』評が掲載。
http://www.kinejun.com/kinema/index.html

インパクションにも『精神』評が載っています。
http://www.jca.apc.org/~impact/magazine/impaction.html


週刊朝日とステナイデ

発行中の「週刊朝日」(6/26号)に、やくみつるさんによる『精神』批評が載っています。
http://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=10482

また、ご紹介が遅れましたが、無料誌「ステナイデ」にも大きなインタビュー記事が載っています。
http://ganbaring.com/dt/magazin/magazin_index.html

ぜひご一読下さい!


Friday, June 19, 2009

逆取材金沢篇/今日から金沢公開!

Mixi逆取材金沢篇、追加しました。
http://mixi.jp/view_album.pl?page=9&mode=photo&id=30572721&owner_id=2074478

本日からシネモンド金沢にて『精神』公開開始!
12:15の回上映後、質疑応答に参ります。ぜひご参加ください。
http://www.cine-monde.com/film.html

Thursday, June 18, 2009

大阪(ナナゲイ)→金沢(シネモンド)

大阪での取材、無事に終わりました。逆取材写真も追加。大阪の方々はとにかく元気!来る度に僕らも元気をもらいます。

大阪では、第七芸術劇場で7/18から公開です。7/20に舞台挨拶を行う予定です。
http://www.nanagei.com/

そして今日から金沢です。
金沢では、シネモンドで6/20から公開し、同日に舞台挨拶を行います。
http://www.cine-monde.com/film.html

逆取材(大阪など)追加!

逆取材、大阪中心に追加しました。大阪取材陣のみなさま、おおきに〜。 (Mixiの会員でないと見れません)

http://mixi.jp/view_album.pl?id=30572721&owner_id=2074478&page=8

シネマ・グランプリに評

シネマ・グランプリに『精神』の評が載りました。ぜひご一読下さい。
http://cgrandprix.blog42.fc2.com/blog-entry-11.html

テレビ出演予定

取材を受けに、大阪に来ています。
今後のテレビ出演予定!

●6/20(土) 5:30〜6:00 O.A.予定
フジテレビ「週刊フジテレビ批評」 想田監督ゲスト出演
30分番組にでずっぱりです。

●6/21(日) 7:00〜7:45 O.A.予定
NHK「NHKニュース おはよう日本」 想田監督インタビュー

●6/24(水) 20:00〜20:29 O.A.予定
NHK「福祉ネットワーク」 想田監督ゲスト出演
30分番組にでずっぱりです。

Tuesday, June 16, 2009

東京新聞に掲載


本日(16日)の東京新聞夕刊にも、『精神』紹介記事が大きく載りました。ぜひご一読下さい。

Monday, June 15, 2009

今晩(16日)の質疑応答にNHK取材班

映画『精神』、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、1日4回(上映中です。(10:45/13:30/16:15/19:00)。19時の回は、英語字幕付きです。

今晩19時(16日)の上映後に想田による質疑応答がありますが、急遽、そこにNHK「おはよう日本」の取材班が入ることになりました。みなさん、ぜひいらっしゃいませ(テレビに映りたくない方は、もちろん映しません)。

当劇場での『精神』の上映は、まだまだ続きますが、僕は明日から一週間程、大阪、金沢、岡山を回ります。

日経、産経エクスプレス、みんなの願い





6/12付け「日経新聞」(夕刊)、6/13付け「産経エクスプレス」、6月中旬「みんなの願い」

朝日、毎日、読売




公開に合わせて、様々なメディアに露出が続いています。
まずは6月12日の夕刊各紙(朝日、読売、毎日)。

Sunday, June 14, 2009

The Japan Times


The Japan Times6月12日号にも、『精神』の大きな記事が載りました。
ウェッブでも読めます。

The Japan Times (June 12th Issue) ran a big article on MENTAL. It can be read on the web, too.

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ff20090612a1.html
http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/ff20090612i1.html

From despair to somewhere
Kazuhiro Soda's latest film is a fascinating insight into a Japanese mental-health clinic

By MARK SCHILLING

Seishin Rating: (3.5 out of 5)

Director: Kazuhiro Soda
Running time: 135 minutes
Language: Japanese
Opens June 13, 2009

In the United States, doctors prescribe psychotropic drugs as commonly as cold tablets and memorists detail their breakdowns and addictions in best-selling books. In Japan, however, the mentally ill often try to hide their condition from employers, family and friends, while seeking treatment only as a last resort.

They fear, rightly in many cases, the stigma of being labeled "weak," "strange" or "crazy" in a conformist society with a culture of shame. Suicide starts to look like the only, tacitly approved, way out.

Soda, a New York-based documentary filmmaker who has screened "Seishin" at film festivals in Busan, Berlin and elsewhere, picking up several prizes along the way, opens a rare window into their lives, but less as an impassioned advocate than as a fly-on-the-wall observer.

In condensing hundreds of hours of footage shot at a mental-health clinic in Okayama in 2005 and 2007, Soda added no editorializing titles, narration or music. He also let his subjects, as much as possible, speak for themselves, minus the digital masking considered de rigeur for television interviews.

One problem with this minimalistic approach is that we have to piece together even basic information from on-the-fly comments, rather than answers to specific questions. The mysteries of how, when and why Dr. Masatomo Yamamoto, the elderly psychiatrist who is the film's hero, came to run his clinic, which many of his patients regard as a second home, are never quite explained.

Also, Soda's camera can be ruthless in exposing the vulnerabilities, character flaws and even crimes of his subjects. In one chilling scene, a schizophrenic woman confesses to killing her baby in a black fit of frustration — and one wonders at the consequences for her, both social and legal.

But this dedication to showing the bad as well as the good creates more trust between the filmmaker and audience than propagandizing, which can present the mentally ill as saintly victims. True, Soda could have told his story more concisely — his 135-minute film is at least half an hour too long — but by the end I knew his subjects and their world in the raw and in the round, as though I'd spent a few weeks hanging around the clinic.

"Seishin" 's central figure is Yamamoto, now 73, who started the Chorale Okayama clinic in 1997 as a sort of postretirement project. He has since added a milk-delivery and restaurant business, staffed by patients, as well as opening a shelter where patients can stay temporarily. His aim, with the support of a dedicated staff, has been to create a community where the mentally ill can develop the self confidence, survival skills and human connections they need to ease their transition into the larger society.

In his dealing with patients, Yamamoto initially comes across more as the crusty neighborhood sensei (teacher) than the crusading reformer: Doctor-patient conversations are short and drugs are doled out by the fistful. But Yamamoto's methods, such as his habit of tossing his patients' questions back in their faces ("What do think you should you do?") and drawing little diagrams to illustrate his points (a straight line for the stages of life in the West and a circle for the East), have a Zen-like wisdom.

He has not, however, created a happy little utopia — many of his patients are suicidal, socially isolated and living on public assistance. One middle-aged woman tells how, the night before, she ended up in the hospital after overdosing on her medications. She shows her wrists, crisscrossed with scars. Her face tear-strained, she speaks of wanting to die. Several other patients confess to similar thoughts, and after filming was completed, two carried fatally through.

Yamamoto is also no miracle worker, restoring patients to health with a pithy word or two. One, a heavy-set, quick-witted raconteur whose monologues are punctuated by punning gags and party tricks, tells how he had his first breakdown as a high-school student prepping 18 hours a day for his college entrance exams. Instead of answering the questions on his semester tests, he assigned ratings to his teachers, grading them on a scale of 1 to 100. After being tagged as "strange" for this incident, he was referred to Dr. Yamamoto, and has been seeing him for 25 years.

"He's like a god to me," he says. But God can't erase that long-ago trauma or restore the lost time.

What Yamamoto and his staff do provide, though, is a vital lifeline that gives patients the support they need to recover — or simply make it through the day.

But, now, as Soda also shows, the patients are faced with government-mandated cutbacks in services and hikes in payments. They hold meetings and voice their objections, but compared with other, better funded and connected constituencies, they are all but powerless.

"Seishin," which Image Forum theater in Shibuya will screen in an English-subtitled print daily at 6 p.m., and which will later open around the country, ought to be seen by, not only Diet members voting on health-care legislation, but anyone interested in how minds can become sick — and be cured. As Soda so eloquently shows, the mentally ill aren't marginal "others," but like people we see around us every day at work and at home. Even in the mirror.

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FILM INTERVIEW
Soda takes a pop at taboos

By MIZUHO AOKI
Staff writer

Kazuhiro Soda made his name with his first documentary film "Campaign," which follows the director's former classmate Kazuhiko Yamauchi as he campaigns for a city-council seat in Kawasaki, Kanagawa Prefecture. The film was screened at the Berlin Film Festival in 2007, broadcast on TV in around 200 countries and last month, in May, won the prestigious Peabody Award, which is often referred to as the Pulitzer Prize for radio and broadcasting.

His second feature documentary, "Seishin" ("Mental"), breaks a taboo and opens — as the director puts it — "an invisible curtain" between the so-called "healthy" and "the ill."

The day after he finished filming "Campaign," Soda stepped inside Chorale Okayama, an outpatient mental clinic in Okayama Prefecture, to see the world inside the curtain.

"I went to the clinic as an outsider, met many people, heard many stories and left the place. Then I reconstructed my experience into this film the way audiences can relive the time I had there, as if they visited the clinic themselves" says Soda in an interview with The Japan Times.

The Japan-born N.Y.-based director didn't do any research on the subject beforehand. "That's my policy. I tried to observe the reality as it is, with an open mind," he explains. "I went there with my camera ready to roll, asking each person I met for permission to film them."

The process, however, was not easy. The director notes, "eight or nine people out of 10 said no. But luckily, one or two said yes."

All the people who agreed to be in the film expose themselves with surprising candor. They talk frankly about their personal histories and the reason why they are at the clinic; and some of the stories are shocking.

Soda, who just turned 39, reveals, "There were some scenes that I couldn't make up my mind easily about whether I should use them or not." Among them is a scene where a woman reveals her heart-wrenching past and how she ended up killing her baby.

After long and deep consideration, Soda included the scene. The story could not be excluded from the film if the woman was to be portrayed accurately.

However, when the woman found out that the scene was in the film at a special screening held for the patients and the clinic's staff, she got distracted and said that she can no longer walk down the streets. "Though I expected she may react the way she did, I was stunned. But then one of the patients raised her hand and said, 'I've known you for a long time, but I never knew your real pain, and I'm glad that I learned it now. I also raised kids myself so I know how difficult it can be.' Then many spoke up" recalls the filmmaker, continuing, "The woman finally said she's glad that she's in the film, saying, 'For the past 15 years, I thought if I tell the story, everyone will be my enemy. Just to know that there are some people who understand me is enough for me.' "

Still, Soda is anxious as to whether she can remain like that after the film is released in Japan.

"She is vulnerable; a little thing can hurt her" worries Soda, adding, "I'm aware that there could be some kind of attack from society. If something happens I'll have to overcome the problem together with her."

After he completed the film, Soda finally had time to sit with the clinic's hero, Dr. Yamamoto.

"I wanted to ask him so many things during the shooting, but I restrained myself from doing that. I knew, if I asked, the film would be about Dr. Yamamoto — the great doctor and his patients who beg him for help — and I didn't want to depict such a cliched picture" explains Soda.

"Dr. Yamamoto told me that the root of mental illness is that the sufferers are lonely and that to be fully cured they need to connect to another person. No matter how advanced the medicine is, in order to recover fully, they need to know that they are not isolated" says Soda. "I believe that one of the reasons why Dr. Yamamoto uses such an old-fashioned Japanese house as his clinic is to make it a most relaxing environment with tatami mats etc. — a place for them to meet others, become friends and make a community."

Saturday, June 13, 2009

「T.」日本映画を変える5人

TOHOシネマズ(シネコン)限定販売の雑誌「T.」に、「日本映画を変える5人」という特集が組まれていて、それに僕も選ばれました。ライムスターの宇多丸さんと、社会学者の宮台真司さんと、鼎談をしました。どうぞお読み下さい!

http://www.tohotheater.jp/newstopics/t/index.html


初日満員御礼!




6/13(土)、『精神』が東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムにて、全国に先駆けてついに劇場公開スタートしました。

この日の上映は4回とも満員御礼。入れない方には大変申し訳なかったのですが、観て下さった方々の反応も力強く、最高のスタートを切りました。大ヒットの予感に興奮。

初回の舞台挨拶には、映画の舞台になった「こーらる岡山診療所」代表の山本昌知医師、そして参議院議員の川田龍平氏が駆けつけてくださり、TBS「ザ・ニュース」の撮影隊など大勢のマスコミの方々も取材に来てくださって、大変盛り上がりました。

その後、近くの美竹公園にて、山本先生による「公開生き方相談」も行われ、ひとり5分ずつですが、16人の方々が時間一杯までアドバイスを受けました。

また、19時からの最終回の後には、僕だけ質疑応答に臨みました。矢継ぎ早に真剣な質問が出され、手応え充分でした。充実した1日でした!

14日(日)、15日(月)、16日(火)の19時からの最終回上映後に、想田による質疑応答を行います。ぜひお出掛け下さい。

Thursday, June 11, 2009

『精神』Q&A+特別プレゼント! MENTAL Q&A + Special Present!


東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムで、6月13日(土曜)から、いよいよ『精神』の劇場公開が始まります。
映画は1日4回上映します(10:45/13:30/16:15/19:00)。19時の回は、英語字幕付きです。

13日の初回(午前10:45)の上映後、山本昌知医師と川田龍平参議院議員をお迎えして、舞台挨拶を行います。また、場所を劇場近くの美竹公園(東京都児童会館隣)に移して、13時45分から山本先生による「公開生き方相談」も行います(14時45分まで)。 ぜひご参加ください。

それに加えて、僕は13日、14日、15日、16日の19時の回の上映後、質疑応答を行います。

また、シアター・イメージフォーラムでは、拙著『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版、1400円)のサイン本を、先着30冊お売りしています。その30冊の中に、1冊だけ「『選挙』DVD大当たり!」と書かれた「当たり本」が混じっています。運良く?当たり本を購入された方には、『選挙』DVD(海外版)をイメージフォーラム窓口にて進呈いたします!

Starting from Saturday, June 13th, MENTAL will be released at Theater Image Forum, Shibuya, Tokyo.
The movie will be screened for 4 times a day (10:45/13:30/16:15/19:00). The 19:00 show will be with English subtitles.

At the very first screening on 13th, we'll have Dr. Masatomo Yamamoto, one of the characters in the movie, and a Diet member Mr. Ryhei Kawada as guests. We'll then, move to Mitake Park to have a free open consultation with Dr. Yamamoto from 13:45.

In addition to that, I'll do Q&A after the 19:00 show on 13th, 14th, 15th, and 16th.

Also, my book "Mental Illness and Mosaic" will be available at the theater. The first 30 copies will be with my autograph. And among these copies, one of them says "Senkyo DVD Oatari!." If you are the lucky customer to buy that book, you'll be given a DVD copy of CAMPAIGN for free!

Wednesday, June 10, 2009

名越康文さんとのトーク


9日に行われた『精神』一般試写会と、精神科医の名越康文さんとのトークショーの模様が、ニュースで紹介されました。

この日は猫アレルギーで目が腫れてしまったため、僕はサングラスをかけてます(猫アレルギーには生まれて初めてなりました。実家に6.5匹も猫がいるのです!(1匹はご飯だけ食べにくる地域猫))

http://news.pia.jp/pia/news_image.do?newsCd=200906100000&imageCd=0

Cinema Topics Online の記事はこちら。
http://www.cinematopics.com/cinema/c_report/index3.php?number=4172

ヤングジャンプに記事掲載


本日(6月11日)発売の週刊「ヤングジャンプ」に、僕のインタビュー記事が見開き2Pで掲載されています。ぜひお読み下さい。

http://yj.shueisha.co.jp/magazine/

Tuesday, June 09, 2009

逆取材を追加

好評連載中の「逆取材」、写真を追加でアップしました。実『若者はなぜ3年で辞めるのか?』の城繁幸さんともラジオで対談させていただいたんですが、ぬあんと、写真を撮るのを忘れた〜(涙)! いままでパーフェクトに撮ってきたのにな…。
(すみません、Mixiの会員でないと観れません)
http://mixi.jp/view_album.pl?id=30572721&owner_id=2074478&page=7

『精神』公開劇場が追加

新潟、愛媛、佐賀、熊本での公開劇場が追加で決まりました。今後もどんどん増えて行く予定です!

なお、お近くの劇場で観たいと思われる方々、ぜひ近隣のミニシアター等にリクエストを出してみて下さい。よろしくお願いします!

http://laboratoryx.us/mentaljp/theater.php

中央公論に映画評掲載


雑誌「中央公論」7月号に、カラー1Pで『精神』の映画評が掲載されています。筆者は岡田秀則さん。月に1本しか選ばれない映画評だそうで、内容的にもすごく嬉しいです。

http://www.chuokoron.jp/newest_issue/index.html

日経新聞夕刊に記事掲載


ちょっと紹介が遅れましたが、6月8日の日本経済新聞夕刊の文化欄に『精神』の記事が載りました。

Sunday, June 07, 2009

今週の『精神』関連イベント

今週の『精神』関連イベントをお知らせします。

<『精神』一般試写会>
☆日時:6月9日(火)開場18:00  開演18:30
☆場所:スペースFS汐留(東京・新橋)
☆ゲスト:名越康文さん(精神科医)X 想田和弘
(すみません、既に応募は閉め切ったようです)

<『精神』プレ・イベント>
☆日時:6月11日(木)19:00〜22:00
☆場所:交流サロン集SHU
http://www.shu-yu.net/
東京都港区西新橋2-13-6 ミタニビル3F 
TEL 03-3504-2387
☆会費:3500円(トークイベント&懇親会の飲食込みです!!)
◎ゲスト : 想田和弘
参加ご希望の方は下記までご連絡を。
☆☆お問い合わせ&連絡先 浜田     
080−5387−1559
mail:ya.hamada@jrec.or.jp

<『精神』東京公開初日舞台挨拶>
☆日時:6月13日(土)午前10:45
☆場所:シアター・イメージフォーラム
http://www.imageforum.co.jp/theatre/
☆ゲスト:山本昌知医師 X 想田和弘 ほか
初回上映後、山本先生による「公開生き方相談」も行います。
この日以降、映画は1日4回上映します。(10:45/13:30/16:15/19:00)
19時の回は、英語字幕付きです。

Friday, June 05, 2009

STUDIO VOICEと朝日ウィークリーに記事掲載

『精神』関連記事の掲載ラッシュの続きです。
「STUDIO VOICE」(7月号)と英字新聞「朝日ウィークリー」(6月7日発売)にもインタビュー記事が掲載されました。

http://www.fashionnews.jp/magazine/studiovoice/latest.php

http://www.eigotown.com/p_news/asahi_weekly/?gclid=CMigtv_T9JoCFUcwpAodtjROdw

ソトコトと週刊金曜日に記事掲載



『精神』関連記事の掲載ラッシュ、まだまだ続きます。
「ソトコト」(7月号)と「週刊金曜日」(6月5日号)にそれぞれ記事が載りました。ぜひご覧ください。

http://www.sotokoto.net/sotokoto/index.php/2008-04-02-04-04-17

http://www.kinyobi.co.jp/consider/consider_newest.php

読売新聞夕刊に記事掲載!


今日はなぜかたくさん掲載記事が…。本日(5日)の読売新聞夕刊にも、僕のインタビュー記事が載りました。

ウェッブ版もあります。

http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/cinema/topics/20090605et04.htm

朝日新聞夕刊に記事掲載!


本日(5日)の朝日新聞夕刊に『精神』の記事が掲載されました。ぜひお読み下さい。

WebDICE!にクロス・レビュー

Web DICE!に『精神』のクロス・レビューが載っています。

http://www.webdice.jp/dice/detail/1479/

Thursday, June 04, 2009

Actioに巻頭5P大特集!




雑誌「Actio Network」にも、巻頭5ページにわたる『精神』の特集記事が掲載されています。ぜひご一読下さい!

http://www.actio.gr.jp/

キネマ旬報にも『精神』大特集!




本日発売のキネマ旬報には、なんと5ページにおよぶ『精神』大特集が掲載されています。ぜひお読み下さい!

http://www.kinejun.com/kinema/index.html

Mixiニュースで記事掲載

Mixiニュースに『精神』の記事が掲載されました。すごい反響です。日記に書いてくださった方々、『精神』コミュに入ってくださった方々、マイミクになってくださった方々、ありがとうございます。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=857901&media_id=53

「ぴあ」に『精神』大特集記事


6/4発売の「ぴあ」にて、
映画『精神』の大特集が見開き2Pで掲載されました。ぜひご一読下さい。
http://www.pia.co.jp/wpia/

「Pen』に記事掲載


「Pen」6/1発売号

http://pen.hankyu-com.co.jp/

「超・仕事人」コーナーに僕のインタビューが掲載されています。

Tuesday, June 02, 2009

福岡に着いた

数時間前に着きました。
何を隠そう、生まれて初めての九州…。良さそうな所でウキウキしてます。
明日は朝から晩まで、地元マスコミの方々に『精神』の取材をしてもらいます。

福岡での『精神』公開は、7月4日からシネテリエ天神にて。
http://www.yu-raku.co.jp/cineterrie/

Monday, June 01, 2009

「ドキュメンタリー映画の最前線」メルマガに掲載

ドキュメンタリー映画の最前線メールマガジン neoneo 125号(2009.6.1)に、拙文「自作を語る 観察映画『精神』について」が掲載されました。ご一読ください。

ちなみに、ドキュメンタリー好きのみなさん、このメルマガは必読です!

http://www.melma.com/backnumber_98339_4497665/

以下、全文掲載。

┳━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
┃02┃□自作を語る
┃ ┃■観察映画『精神』について
┃ ┃■想田 和弘
┻━┻━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

岡山市にある精神科診療所「こらーる岡山」で繰り広げられる複雑な世界を描いた拙作『精神』(観察映画第2弾)が、6月13日(土)から東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムほか、全国で順次劇場公開される。

前作『選挙』(観察映画第1段)に続き、なぜ僕は自分のドキュメンタリー映画を「観察映画」と呼ぶのか。それには、二重の意味を込めている。一つは、作り手(=僕)による観察。できるだけ先入観を排し、目の前の世界を虚心坦懐に観察して、その結果を映画にする。もう一つは、観客による観察。観客それぞれが映画の中で起きることを主体的に観察し、感じ、解釈できるよう、作品に多義性を残す。そのために、僕は次のような方法論を実践している。

第一に、事前のリサーチや打ち合わせをしない。例えば、『精神』を撮るに当たって、精神疾患について予め勉強しなかった。事前に病気の知識を仕入れてしまうと、その特徴に合うことばかりにカメラを向け、それ以外の側面を見落としかねないからである。対象に関する知識は、往々にして先入観や固定概念となって、現実を「す」の状態で観察することを妨げる。

第二に、構成表やシノプシス等を書かない。作品のテーマや落とし所も、撮影前やその最中に設定しない。行き当たりばったりでカメラを回し、予定調和を求めない。

第三に、少人数で撮る。基本的には、僕がカメラマンと録音を兼ねる。

第四に、ナレーション、説明テロップ、音楽を放棄する。それらの装置は、観客による能動的な観察の邪魔をしかねない。また、映像に対する解釈の幅を狭め、一義的で平坦にしてしまう。

第五に、編集作業に時間をかける。予め設定したテーマに合わせて画を切っていくのではなく、撮れた映像素材が語りかけるものに耳を傾け、観察し、その過程で発見した視点を作品として結実させていく。

第六に、観客が十分に映像や音を観察できるよう、カットは長めに編集し、余白を残す。その場に居合わせたかのような臨場感や、時間の流れを大切にする。

最後に、制作費は自分で出す。もしくは、作品の独立性が保たれ得るような資金を利用する。

これらの方法論から、観察映画がプロパガンダ的な政治主義やテーマ主義を否定するものであることは、明らかであろう。もっと言えば、作品にメッセージは込めない。『精神』でいえば、「精神障害者の地域での生活を支援しよう」とか、逆に「病院に隔離すべき」とか、一切主張することはない。観察映画は、世界を作者の視点で描写することに徹するのであり、映像や音声を「言いたいこと=メッセージ」に従属させないのである。

また、観察映画は客観主義にも組しない。それは、観察の主体=制作者がカメラを通して観たり体験したことを綴る主観的な表現方法である。例えば、客観主義の作品が「東京の人口はX万人」と三人称的に記述するところを、観察映画は「東京に行ったら大勢の人がいた」という具合に一人称で描く。そもそも、僕は客観的なドキュメンタリーなど、原理的に存在し得ないと考えている。

以上のような方針と方法論に加え、『精神』では、人の顔にモザイクをかけないというポリシーを貫いた。そのため、撮影許可を得る作業は難航し、声をかけた10人のうち8、9人には撮影を断られた。

しかし、モザイクをかけると、精神病患者への偏見や固定概念を助長しかねず、先入観を取り外して「よく観る」ことを本義とする観察映画の精神に反する。また、モザイクは「被写体のプライバシーを守る」という大義名分のもとに使われるが、実は作り手や興行側を訴訟やクレームから守るために使われている。結局それは、被写体や観客に対する責任放棄であり、表現を堕落させる。加えて、モザイクで顔を覆うと、被写体の表情を観察することが不可能になり、観察映画になり得ない。だからこの点には最後までこだわった。

総じて、『精神』では、世間と精神科の世界の境界にかけられた見えざるカーテンを、カメラの力で取り払い、じっくりと観察する映画になったと思う。その開け放たれた世界をどう観るのか。それは、観客ひとりひとりにゆだねようと思う。

☆『精神』(2008年、135分、米国/日本)
監督・撮影・録音・編集・製作:想田和弘 製作補佐:柏木規与子 出演:こらーる岡山の皆さん、ほか。配給・宣伝:アステア。6月13日からシアター・イメージフォーラム等全国順次公開。受賞歴:釜山国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞/ドバイ国際映画祭・最優秀ドキュメンタリー賞/マイアミ国際映画祭・審査員特別賞/香港国際映画祭・優秀ドキュメンタリー賞/ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭・宗教を超えた審査員賞
公式サイト: http://www.laboratoryx.us/mentaljp/

☆6月13日よりシアター・イメージフォーラム(東京)での上映を
皮切りに、各地で順次公開します。詳細は上記のサイトをご覧ください。

■想田 和弘(そうだ・かずひろ):映画作家。1970年栃木県足利市生まれ。ニューヨーク在住。『選挙』(07年)は7月4日から復活ロードショー。『精神』(08年)は釜山国際映画祭等で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞。09年、初の著書『精神病とモザイク タブーの世界にカメラを向ける』(中央法規出版)を刊行。