Sunday, January 04, 2009

明けないので、おめでたくない国

明けましておめでとうございます、といいたいところだけれど、年が無事に明けてない人が大勢おられることに、慄然とする他ない。しかも政府は開店休業状態で何も手を打てないから、この数は今後どんどん増えるだろう。「安心・活力」などと呑気に書き初めする首相の年頭会見は、ただただ、空虚に響くのみである。
 
そもそも、首を切られると同時に住居まで失ってしまうような雇用システムが、合法であることがおかしいし、合法にしてしまった政治がおかしい。はっきり言って、人道問題である。政治家たちは、いったい何を考えてるんだろうか。こんな異常事態になることなど、予想していなかったのか?

それにしても、この緊急事態に主体性を持って対応できるのが、巨大な組織と予算を持つ日本政府ではなく、湯浅さんが運営する小さなNPOだけであるということに、この国の危機的状況が浮き彫りにされている。

卓越した個人の意志と実行力の凄さに脱帽しつつ、皆の税金で運営されている厚生労働省は「調整」などでお茶を濁すな!と声を大にして言いたい。

都内4カ所500人分の宿泊場所確保 年越し派遣村
http://www.asahi.com/national/update/0104/TKY200901040129.html
朝日新聞、1月4日

「派遣切り」などで仕事と住まいを失った人たちに寝場所と食事を提供する東京・日比谷公園の「年越し派遣村」は4日、昨年12月31日の開村から5日間で500人近い人が入村登録をした。派遣村は仕事始めの5日朝に活動を終えるため、実行委員会が厚生労働省などと調整した結果、5日から12日まで、都内4カ所の公共施設に500人分の宿泊場所を確保することになった。
 開放されるのは中央区の閉校になった小学校2カ所と、練馬区にある都の体育館、大田区にある都の労働者向け一時宿泊施設。4施設にはハローワークによる就労相談や都社会福祉協議会による緊急資金貸し付け相談などの窓口を設ける。
 派遣村の入村者のうち、希望者は5日に、日比谷公園や厚労省の講堂から、公共施設に移動する。ボランティアが日比谷公園で行っていた炊き出しも5日朝で終わるため、食事は弁当を提供してもらうという。
 「満額回答。皆さんの声と存在が届いた結果です」。村長の湯浅誠・NPO法人自立生活サポートセンターもやい事務局長は4日夜、新たな宿泊場所について村民に報告すると、集まった人たちから大きな拍手が起こった。
 昨年11月末に山口県内の自動車工場で雇い止めとなった元派遣社員の男性(51)は「とりあえず移る場所ができてよかった。ただ、1週間後のことを考えると安心はできない」と不安な表情を崩さなかった。岡山県の自動車部品工場の派遣契約を中途解除された男性(48)も「みんなが集まっていたから圧力がかかって国も動いたと思う。それがバラバラになると不安もある」と話した。
 4日午後には、民主党の菅直人代表代行や国民新党の亀井久興幹事長、新党大地の鈴木宗男代表ら野党各党の幹部も訪れ、「これは政治災害であり雇用災害だ」(福島瑞穂・社民党首)志位和夫・共産党委員長は「政治の責任で衣食住を確保しなければいけない」などと述べた。
 5日は通常国会が開会するため、入村者らは国会へのデモ行進や、議員会館内での集会で、与野党に派遣切りの実情を訴えて対策を講じるよう求める予定だ。
 派遣村の入村者のうち170人超が生活保護の申請を希望しており、5日から手続きに入る。
 このため、東京都千代田区は5日朝から、同区役所1階の区民ホールに臨時窓口を設け、職員OBも動員して生活保護の申請に訪れる人の相談に応じる。正式決定するまでには2週間程度かかる見込みだという。

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