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Latest documentary "Oyster Factory" has been officially invited to Locarno International Film Festival 2015! 最新作『牡蠣工場』がロカルノ国際映画祭へ正式招待されました!

Monday, August 18, 2008

演劇とお盆



7月末から平田オリザさんと青年団を撮影させていただいているが、オリザさんが海外へ行かれたので、その合間に足利市の実家へ帰省した。ちょうど時期がお盆と重なり、20数年ぶりに生まれ故郷で盆を過ごした。

ウチの地方では、13日に先祖の霊を墓まで迎えに行き(迎え盆)、16日にまた墓まで霊を送りに行く(送り盆)。霊がいる4日間、親戚たちが集まって酒を飲んで騒いだり、線香を上げにきてくれたりする。

改めて眺めていて面白いのは、みんながあたかもそこに霊がいるかのように振る舞うことである。僕がコーヒーをいれていると、オフクロが「おばあちゃんにもコーヒー上げて来て。意外に好きなんだから」とか言うのは、その典型である。迎え盆のとき、「お迎えに上がりましたよ〜」などと言いながら墓へ挨拶するのも、そう。

演劇の創作過程を撮影しているせいか、お盆という行事そのものが演劇的であることに気がついた。先祖を迎えたり送ったり親戚で騒いだりするという、だいたいの台本もある。台詞だって、即興も多いけれど、「ちょいとお線香を上げに来ました」とか、だいたい決まっている。そして、みんなまるでそこに先祖がいるかのように、演じるのである。

ひとたびそう思うと、「先祖の魂を運ぶという提灯は、なかなか粋な小道具だな」とか、「いまオヤジが言った台詞はなかなか気がきいている」とか、「いまオジさんが居間に入って来たタイミングは絶妙だ」とか、すべてが演劇に見えてくる。いや、僕らは普段から何かを演じながら生きているのかもしれない。

(写真は以前撮ったものです)

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