Wednesday, March 30, 2011

PEACE won the Best Documentary Award in HK! 『PEACE』が香港で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞!

昨晩(3/30)「PEACE」が香港国際映画祭で最優秀ドキュメンタリー賞を受賞しました!
http://hkiffedm.hostmezone.com/35festivalnews/35festivalnews3.pdf

受賞式での僕のコメント「祖国の大惨事に心が折れて香港行きをキャンセルしようかと思いましたが、自分の仕事は映画を作り続け見せ続けることだと思い参加を決めました。その決断は正しかったと心から思います。これからも映画を作り続けます」

審査員のコメント:『PEACE』は人の心を動かす並外れた力を備えた静かな映画だ。人々や猫たちの日常生活を追いかけながら、カメラは観客をひとつの発見へと導く。それは、最も根本的な意味での平和というコンセプト、妥協の末に得られた不承不承の共存ではなく、我々の人間性の中心にあるアイデアとしての平和である。映画はありふれたものを通じて崇高なものに到達した。」

みなさんから、既にたくさんのお祝いのお言葉をいただいております。みなさんにひとつひとつ返信できなくて申し訳ないです。

『PEACE』は厳しい状況下で共に生きる日本の人々や猫たちの姿を描いた映画です。ある意味、今回の賞には困難な状況下にある日本の生きとし生けるものへの応援の気持ちが入っているんじゃないかと、僕は解釈しています。


PEACE just got BEST DOCUMENTARY AWARD at Hong Kong International Film Festival! 
http://hkiffedm.hostmezone.com/35festivalnews/35festivalnews3.pdf

Jury’s comment: Peace is a quiet film with an unusual power to move. By following the ordinary lives of people and cats, the camera leads the audience to discover the concept of peace in its most fundamental sense, not as a state of negotiated, reluctant coexistence, but as an idea that lies at the core of our humanity. The film reveals the sublime through the mundane.

What I said at the Award Ceremony: I'm from Japan. I've been so overwhelmed by the tragedy my country is experiencing that I almost cancelled the trip to Hong Kong. But I'm a filmmaker. It's my job to make movies and to show them to people. So I changed my mind to come here. I'm now confident that I made a right decision. I'll continue to make movies.

PEACE is a movie about people and cats coexisting together under difficult circumstances. I take this award as an encouragement for all the beings in Japan facing the overwhelming tragedy. I'm very touched!

Friday, March 25, 2011

日本でプレス試写始まります Press Screenings Starts in Japan

『PEACE』の夏の劇場公開に向け、プレス用試写が4/4(月)から東京で始まります。想田も来日し、4/4のプレス用試写で質疑応答を行う予定です。共に生きることの意味を問う映画ですので、今こそ沢山の方々に観ていただくために、努力していきたいと思います。 

◎お問い合わせ:東風 03-5155-4362
info@tongpoo-films.jp

2011年夏、『PEACE』は
東風の配給で、東京・渋谷のシアター・イメージフォーラムなど日本全国で劇場公開される予定です。 


Beginning on April 4th, we're stating a series of press screenings of PEACE in Tokyo to prepare for the release of the film in the summer. Soda will also visit Japan to do a Q&A session after the press screening on April 4th.

For more info, please contact Tofoo. 
03-5155-4362  info@tongpoo-films.jp 

Tofoo will theatrically release PEACE in the summer of 2011 nationwide in Japan, starting from Theater Image Forum in Tokyo. 




More Festivals 映画祭に続々招待

PEACE is invited to more festivals.

Hong Kong International Film Festival 
(Documentary Competition Section)
Mon, Mar 28 at 5:30 PM w/Q&A
Thu, Mar 31 at 3:20 PM w/Q&A

Buenos Aires Independent Film Festival(BAFICI).
Fri, April 8 at 2 PM
Sun, April 10 at 6:30 PM
Mon, April 11 at 4:00 PM

Visions du Reel in Nyon, Switzerland
(International Competition)
Tue, April 12 at 8 PM w/Q&A
Wed, April 13 at 10 AM w/Q&A

『PEACE』は世界の映画祭を巡回し続けております。

香港国際映画祭
(ドキュメンタリー・コンペ部門)
3月28日(月)午後5時半+質疑応答
3月31日(木)午後3時20分+質疑応答

ブ エノスアイレス映画祭
4月8日(金)午後2時
4月10日(日)午後6時半
4月11日(月)午後4時

ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭(Visions du Reel)
(インターナショナル・コンペ部門)
4月12日(火)午後8時+質疑応答
4月13日(水)午後10時+質疑応答

アメリカに差し出された毒まんじゅうを日本人がペロリと食べるまで。



「原発導入のシナリオ ~冷戦下の対日原子力戦略~」
NHK、1994年、44分

必見。アメリカが差し出した毒まんじゅうを日本人がペロリと食べるまで。そして今頃その毒が効いてきて、下痢やら嘔吐をして七転八倒していることについて。NHKは公共放送を自認するなら削除しないでね。

原子力産業の立場に立ってみると…?

なぜこの期に及んで原子力産業や政治家は原発にすがるのか。僕の感覚からすれば「信じれん!」の一言なのだが、敢えて彼らの気持ちになって考えてみた。そうでないと、この状況は打開できないと思うからだ。

僕は映画で食べているし、映画を愛している。だから、もし映画館が深刻な事故を起こし(起こさないけど!)「映画は危険だ、全廃しろ」と言われたらどうか。たぶん全力で抵抗するだろう。みなさんも自分が属する産業について考えてみて欲しい。

想像してみよう。例えば自動車産業で働いている人は「自動車は全廃」と言われることを。教育産業で働いている人は「教育は全廃」と言われることを。マスコミで働いている人は「マスコミは全廃」と言われることを。農家の人は「農業は全廃」と言われることを。

そう考えると、原子力産業の人々の気持ちが分かる。原子力をあくまで擁護する御用学者の気持ちが分かる。政治家の気持ちが分かる。勿論、それでも僕は原発は全廃すべきだと思う。けれども、彼らの心情や事情を考えれば、激しい抵抗があるのは当然だとも言える。

つまり、これはもはや論理の世界ではない。論理では原発全廃の方が良いに決まっている。間違いない。しかし、原子力で食べている人々は、論理よりも実利が優先される。したがって、論理で攻めても原発を止めることは決して出来ない。

考えてみれば、原子力産業そのものが、制御不能な核分裂を起こしているようなものなのだろう。いくら冷却水をかけても、水は蒸発し、分裂はなかなか止まらない。原子力産業を止めることは、福島原発の暴走を止めることよりも、遥かに難しいことは間違いない。

ではどうしたらいいのか。僕にはその答えが分からない。今は、原発を止めることが想像以上に難しいだろうという現実を、苦い思いで認識しているだけである。しかしその認識から出発しない限り、決して原発を止めることはできない。それだけは事実であろう。

(この文章は、連投ツイートをまとめたものです)

Sunday, March 20, 2011

この難局を生き抜くために

専門家の意見を聞け、門外漢は黙ってろ、という言説に違和感を覚える。「どんな地震が来ても原発は安全だ」という専門家のお墨付きを信じてしまったからこそ、今日の原発災害があることを忘れてはならない。この期に及んで専門家に自らや家族や国の命運を預けてはならない。

そもそも、専門家の間で意見が割れる事柄は多い。特に原発や放射能の問題は賠償問題もあるから政治が絡む。だからバイアスや誇張や嘘が混じりやすい。その道の専門家だからといって、100%信用する方がどうかしている。

だから結局問題は、どの専門家のどういう説を信頼するか、ということになる。これは、われわれ非専門家にとっては難しい。専門知識がないから判断の術がない。では、どうするのか。

難しいけれども、まずは説そのものが納得いくものかどうか吟味することが必要だ。そして対立する説があれば比較する。また、その専門家の政治的立場や人的つながり、経歴などを調べ、どんなバイアスがかかり易いか考える。あとはその人の人柄を直観する。難しいけれども。

でも、非専門家にとっての究極の目標は、その説が正しいかどうかを判定することではなく、生き延びることだ。サバイバルできるなら、説の成否はどうでもよい。だから、何を信じれば自分や大切な人やその他の人々が生き残りやすいか。それを究極の基準にすればよいと思う。

いずれにせよ、エネルギーにしろ、医療にしろ、政治にしろ、教育にしろ、僕らは専門家任せの社会を作ってしまった。社会が複雑化したせいもあり、自分で考え判断するのは難しいし面倒だから、みんな専門家に丸投げしてしまっている。この機会に、その態度こそを改めなければならないと思う。

専門家に丸投げすることによって眠らせていた各人の生存本能を、今こそ起動せよと言いたい。

(連投ツイートをまとめました)

Wednesday, March 16, 2011

外部被爆と内部被爆について

状況が刻々と変化してきているので、このエントリーは必要に応じて書き換えます。
外部被爆と内部被爆について、参考になりそうなものを集めます。

津田敏秀教授
岡山大学大学院 環境学研究科(疫学、環境疫学、臨床疫学等)の見解
http://smc-japan.sakura.ne.jp/?p=1310

福島県の放射線健康リスクアドバイザーに就任した長崎大・山下・高村教授の見解
「放射線と私たちの健康との関係」講演会パート1。ちょっと長いですけど、質疑応答もあるパート2も聴くことをお勧めします。他の学者たちに比べてえらく楽観的なんですが…。http://ustre.am/:UxpD

中部大・武田邦彦教授の見解
「ほうれん草は食べられるのか?」
武田氏のブログは、このエントリー以外にも読まれることをお勧めします。



Tuesday, March 15, 2011

広瀬隆「原子炉時限爆弾」の予言

福島原発が制御不能状態に陥った。国家存亡の危機である。広瀬隆「原子炉時限爆弾」は2010年夏に発行された。現在の原発震災の到来を気味の悪いくらいピタリと予言している。とてもショッキングな内容で、誇張や煽りも含まれているかもしれないが、読んでおくことは無益ではないと思う。参考までに引用しておきたい。



ー引用開始ー


日本が商業用の原子力発電を始めることを決定した翌年、1960年4月に科学技術庁の委託を受けて、日本原子力産業会議が科学技術庁原子力局に提出した極秘文書「大型原子炉の事故の理論的可能性及び公衆損害額に関する試算」とある。


当時、わが国最初の商業用原子炉として計画的が進められていた茨城県の東海発電所で最悪の大事故が起こった場合に、どれほどの被害が発生し、日本政府がその被害を補償できるか、保険会社がそれを引き受けられるかどうかを、真剣に検討したものである。






報告書に掲載された被害予想図である。地図の下に、「物的損害は、(気象条件によって)最高では農業制限地域が長さ1000キロに及び、損害額は一兆円以上に達しうる」と小さく書かれており、東海村からの半径が同心円で示されていた。つまり図にやや濃く描いた円内の矢印範囲は、農業ができない地域になる。日本全土で農業ができないのだから、日本人が日本列島に住めないと考えてよいだろう。全員が被害者になるのだから、この問題で論争をしたり、推進派と反対派を色分けしたり、自分がどこの都道府県に住んでいるかによって安全か危険かを判断する人間は、よほど知恵が足りないということになる。


この事故の条件は、出力16.6キロワットの東海村で大事故が発生し、わずか2%の放射能が放出された場合を想定して、日本全土が壊滅する、という結論であった。実際の原発事故では、わずか2%の放射能放出は、小さすぎて考えられない数値である。(想田注:福島の場合、1号=46万、2号・3号=それぞれ78.4万。合計202.8万キロワット)


(中略)気象条件によって被害範囲がどこまで広がるかは誰にも予測できないが、広大な地方が消えることだけは間違いない。その時、おそらく日本と言う狭い国家は「放射能汚染地帯」の烙印を押されて世界貿易から取り残され、経済的にも激甚損害を受けて廃墟になると考えるのが、最も妥当な推測だろう。


(中略)電力会社は、日本国内の損害保険会社などがつくった「日本原子力保険プール」に加盟して、原発一基あたり1200億円までしか保険で賠償金得をまかなう義務がないことになっている。つまり賠償責任には上限があって、保険を超える損害に対しては、政府が国民の税金で補償することになっている。


広瀬隆「原子炉時限爆弾」

Thursday, March 03, 2011

PEACE @ Hong Kong Int. Film Festival 香港国際映画祭へ

PEACE is also invited to the Documentary Competition of Hong Kong International Film Festival, which screened CAMPAIGN in 2007 and MENTAL in 2009. MENTAL won the Outstanding Documentary Award there. I'll be there to do Q&A sessions. I love Hong Kong.

『PEACE』は香港国際映画祭のドキュメンタリー・コンペ部門への正式招待が決まりました。同映画祭には、07年に『選挙』が、08年に『精神』が招待されています。『精神』では優秀ドキュメンタリー賞をいただきました。今回も香港へ参り、質疑応答をする予定です。香港、好きなんだよな〜。

Date: 28 Mar 2011
Time: 5:30 PM
Code: 28SM3M3D
Venue: Hong Kong Science Museum Lecture Hall

Date: 31 Mar 2011
Time: 3:20 PM
Code: 31SP3M2D
Venue: Hong Kong Space Museum Lecture Hall

http://www.hkiff.org.hk/eng/film/detail/35148-peace.html