Friday, June 04, 2010

「ザ・コーヴ」上映中止広がる

正直言うと、「ザ・コーヴ」はダメな映画だ。私見では、ドキュメンタリーの形式を採用した、典型的プロパガンダ。だから本当は無視したかった。

なのにアカデミーや右翼が不当に評価するもんだから(賞賛も批判も映画の価値を高める)、こちらも声を上げざるを得なくなる。すると映画の価値が更にインフレを起こす。

ジレンマだ。

と言いながら、僕も参加した「創」掲載の鼎談の全文が掲載されているのでリンクを貼ります。あああ、矛盾のスパイラルに入り込む…。

http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20100607-00000301-tsukuru-soci

右翼のお陰で話題になって、作者はほくそ笑んでるんじゃないかな。と思ったら、やっぱりほくそ笑んでいた(笑)。

「一部の過激な人達が東京の映画館を脅かしていることを知り、大変残念に思っています。しかし、これによって、多くの日本の方が、この映画で描かれていることは一体何なのか今まで以上に興味を持たれたのではないかと思います」(サホイヤス監督)
http://ap.minipara.com/news/archives/1270

それにしても、「ザ・コーヴ」を上映中止に追い込んでいる「主権回復を目指す会」。会の名が本当なら、映画なんてちんまりしたものを標的にせず、米軍基地の無条件返還を求めてホワイトハウス前でデモしろっつーの。それもしなくて主権回復とは片腹痛い。日本は永遠にアメリカの属国でいいのか?

あと、中止を決めた映画館。辛いのは分かるけど、「近隣へ迷惑がかかるから」って、どんな理由だい?迷惑かけるのは、映画館じゃなくて右翼でしょ!騒音に不平不満を言う人があったら「文句は右翼に言ってくれ」と堂々と言えば良い。とにかく、映画館が圧力に屈して上映中止などの前例を作ってしまうと、言論界・表現界は多大な迷惑を被るのです。

2年前の「靖国」騒動の時には、大阪の我らが第七芸術劇場・松虫リンリンこと松村支配人などが断固上映を表明し、それが結果的に全国上映に火をつけて映画は大ヒットした。
http://www.news.janjan.jp/area/0805/0805106739/1.php

腰抜けの東京など鼻で笑い、地方こそガンガンいくべきだ(ダメな映画だからイマイチ気合い入らないんだけどさ〜)。絶対儲かりまっせ!(笑)

1 comment:

  1. お久しぶりです。ベルギーのY.Iです。「ザ・コーヴ」の件、ベルギーの蘭語のニュース・サイトでも取り上げられてます。ジャーナリストや映画関係者の声明の件まで書かれています。http://www.hln.be/hln/nl/2661/Bedreigde-Dieren/article/detail/1116934/2010/06/10/Japanners-verbieden-film-over-slachting-dolfijnen-en-starten-zomerjacht-op-walvissen.dhtml
    私は、今年のブルージュの映画祭で観ました。私はそれほど評価してませんが、昨年のゲントの映画祭でも上映され好評だったらしく、観客賞か何かを受賞したと思います。ベルギー人も肉は大量に摂取しますが鯨やイルカは食べませんから、映画の主張への賛同者も多いのでは。
    去年のブルージュの映画祭では「靖国」も上映していましたし、今年は「南京!南京」も。個人的には、フランスで大ヒットした「畏れ慄いて」を日本で一般公開してほしいのですが、されないのはなぜなんでしょう。
    最近スペイン中部を旅行したら、豚の赤ちゃんの丸焼きが名物料理でそこらじゅうに看板がありました。夫が「想田さんに、これを題材にドキュメンタリー撮ること提案したら?」と冗談混じりで言っていました。

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