Wednesday, May 27, 2009

自殺の法則

1日平均の自殺者の数が、100人を超えたというニュースを読んだ。映画『精神』を撮る過程でお会いした患者さんの大半が、自殺願望を抱いておられた。以下は、自殺について、以前書いた文章ですが、再掲します。

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僕もときどき自らの死について考えるんですが、僕らは何に絶望して自殺を考えるのか?と問う過程で、ひとつの法則を発見をしました。

まず、どんなに辛い過去があっても、人は死にたいと思いません。なぜなら、今現在が幸福なら、いくら過去が悲惨でも、死にたいとは思わないからです。

次に、今現在がどんなに辛くても、人は死にたいと思いません。なぜなら、その辛さがあと1秒後に終わると分かっていたら、たぶん我慢すると思うからです。

ということは、僕らが死にたくなるのは、「この辛さがずっと続くのではないか」と思うから、つまり未来に対して絶望するから死にたくなるのです。

しかし、未来というのはまだ起きていません。ある意味、フィクションです。僕らは、フィクションにおびえて死にたくなるのだとも言えます。

1日平均の自殺者 初の100人超

 4月の自殺者は昨年同月比6.1%増の3027人で、2カ月連続で3000人を超えたことが27日、警察庁のまとめ(速報値)で分かった。1カ月に3000人以上自殺したのは、昨年は10月だけだったが、今年は早くも上回った。
 1日平均の自殺者は100.9人で、月別の統計を取り始めた昨年1月以降初めて100人を超えた。同年12月の約81人から5カ月連続で増えており、歯止めが掛かっていない。
 1〜4月の累計は1万1236人。11年連続で3万人を超えた昨年同期より493人(4.6%)増えており、今年も3万人を上回る勢いだ。
 4月の自殺者のうち男性は昨年同期比6.5%増の2156人、女性は4.9%増の871人。(時事通信)

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