Wednesday, September 05, 2007

訃報

 尊敬する佐藤真監督が突然、この世を去ってしまいました。
 もの凄いショックと喪失感です。
 あれほどの才能と知性と影響力を持つ方を失ったドキュメンタリー映画界は不幸です。
 どうして生きていてくださらなかったのか。僕は佐藤さんの名著『ドキュメンタリー映画の地平』を読んでいなかったら、『選挙』を撮っていませんでした。佐藤さんの仕事に触発され、勇気づけられ、ドキュメンタリー映画の道に入ったのは僕だけではありますまい。49歳。まだまだこれからという時に、なぜ逝ってしまわれたのか。
 この夏、京都造形芸大の特別講義に呼んでくださったのが、佐藤さんにお会いできた最後でした。あのときの佐藤さんの言葉や表情のひとつひとつを思い返し、その背後にあった意味を読み取ろうと、今更ながらもがいています。今考えれば、思い当たるような節がないわけではないのです。しかし、僕にはそのとき、佐藤さんの深い苦しみを察知することができませんでした。残念です。悔しいです。憤っています。

No comments:

Post a Comment

Note: Only a member of this blog may post a comment.