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Tuesday, February 20, 2007
Yama-san's speech in Berlin! 山さん、ベルリン街頭演説を敢行!
2月15日、議会の合間を縫って山さんがベルリンに駆けつけてくれた。午前9時に空港に降り立った山さんは、ホテルに荷物を置いただけで会場へ出向き、ベルリン映画祭フォーラム部門のゲストハウスへ顔を出した。すると既に映画を観た人々から歓声と笑い声!が起こり、山さんは一瞬で人気者になった。山さんはそこにいる誰彼構わずみんなと握手をしまくり、名刺を配りまくった。「映画と同じだね!」と人々が笑った。
今日はベルリン映画祭メイン会場前で山さんの街頭演説をする予定だ。通りすがりの人々に向かって、映画「選挙」への「支持」を訴えるのだ。僕の妻とオフクロ、弟とその嫁さんがにわか「後援会」を組織し、黄色い揃いのウィンドブレーカーと白手袋を身にまとって「出陣」に備えた。山さんは実際の選挙戦でも使った赤いノボリやプラカードを日本から持参した。僕は街頭演説の様子をビデオカメラに納めるべく、機材を整えた。それはまるで1年半前の撮影時に戻ったような錯覚をさせた。
3時15分、山さんはメガフォンを手に取り、日本語で街頭演説を開始した。「ベルリン映画祭ご通行中の皆様、こんにちわ。ドキュメンタリー映画『選挙』の山内和彦、山内和彦でございます。皆様とともに、映画の改革を進めて参ります。どうか、山内和彦に、いや、映画『選挙』に皆様の大いなるご支持を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます!」
なぜ開始時刻を3時15分にしたのかといえば、実は理由がある。2時から行われる予定のジェニファー・ロペスの記者会見から流れてきたパパラッチを、ごっそりこちらにいただこうという腹黒い?計画だったのだ。これは「選挙」のPRを担当するベルギー人、シルケの発案。さすがプロのパブリシストは考えることが違う。実際にはロペスの会見が遅れ、僕らのコバンザメ作戦は空振りに終わったのだが、それも愛嬌。ジェニファー、今度から遅刻するなよ!
さて、山さんが演説を始めると、にわかに周辺に人々が集まり、写真をぱちぱち撮り始めた。中にはAPやロイターなどのカメラマンもおり、またフランスのテレビ局ARTEの撮影クルーがテレビカメラを回し始めた。集まってきた人々に、妻と母と義理の妹が映画のチラシを配る。すでに映画を観てくれた人の中には、山さんに握手を求める人もいた。僕は夢中でビデオカメラを回しながら、山さん街頭演説は大成功だ!と心の中で叫んでいた。山さんも楽しそうだった。
翌日の「朝日新聞」夕刊が、街頭演説の模様を大きく取り上げてくれた。記事の全文は、以下の通り。
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「ご通行中の皆様、私とともに映画界にも改革の波を起こそうではありませんか——。ベルリン国際映画祭のメイン会場ベルリナーレ・パラスト前で1 5日午後(日本時間16日未明)、日本語の演説が響いた。同映画祭参加作品『選挙』に登場する川崎市議の応援演説で、日本流のスタイルは、政治に関心が高いとされるベルリンの観客に驚きと笑いを持って迎えられた。(ベルリン=深津純子)
05年秋の川崎市議補選で自民党の新顔として立候補、当選した山内和彦さん(41)の活動を追った。2時間のドキュメンタリーで、フォーラム部門に参加した。監督はニューヨーク在住の映像ディレクター想田和弘さん(36)。
想田さんと山内さんは東大の同級生。山内さんはいくつかの大学や仕事を経て東大に進み、卒業後は東京都内で切手・コイン商を営んでいた。その意外な転身を知った想田さんが帰国し、カメラを回した。
告示前から投開票日までの、遊説風景や陣営内部の人間模様が描かれている。外では『候補』と持ち上げられる山内さんだが、握手の仕方のような細部まで、支援者や先輩議員から小言が飛ぶ。
『人が街頭で耳を貸すのは3秒。その間に1回名前が入るように』と参謀。『政治の世界で「妻」はおかしい。「家内」でしょ』という声に山内さんの妻は困惑し、夫に怒りをぶちまける場面も。
映画祭での初回の上映は満席。運動会ではラジオ体操をし、秋祭りではみこしを担いで支持を訴える山内さんに、ベルリンの観客は興味津々。段取りの悪さに怒った支援者が『世が世ならハラキリものだ』とぼやくと大爆笑が起きた。
女性客の一人は『奥さんが「妻(字幕ではwife)」ではなく、「家内(housewife)」と名乗らされるのはかわいそう』。別の観客は『「改革」「改革」と言うけど、どう変えるの?日本の有権者は何を規準に選ぶの?』。
60分の短縮版が今秋、英国BBCの連作『民主主義』の1本として25カ国で放映され、米国の公共放送PBSでも82分版が来年放送される予定だ。日本公開も有望といい、想田さんは『できれば夏の参院選に合わせたい』と考えている」
On Feb 15, our protagonist Yama-san joined us in Berlin. He arrived at the airport at 9 AM, dropped off his suitcase at the hotel, and came to the Berlin Film Festival's Forum guest house right away. As soon as he showed up, people in the guest house gave a cheer and laughter, which made him a star instantly. Yama-san offered his hands to virtually everybody in the room, handing out his business cards. I heard somebody said "wow, this is just like in the movie!."
Today, Yama-san is planning to make a Japanese style speech in front of the main theater of Berlinale, asking for people's support to our movie CAMPAIGN. My wife, mother, brother and sister-in-law quickly formed a "campaign team," and wore the same yellow jackets and white gloves to prepare for the act. Yama-san brought a red flag and posters he used in the actual election campaign. I prepared my video camera so that I can record the action. I felt as if I was brought back to the time of the shooting which took place a year and a half ago.
At 3:15 PM, Yama-san took his megaphone and started making a speech in Japanese. "Hello everyone. My name is Kazuhiko Yamauchi from a documentary movie CAMPAIGN. Together with you, I'll try to reform documentary movies. Please support Kazuhiko Yamauchi, no, I mean, the documentary movie CAMPAIGN!"
We had a good reason why we decided to start the act at 3:15. We planned to steal all the paparazzi coming out of Jennifer Lopez's press conference scheduled at 2:00 PM. This idea was proposed by our beloved publicist Silke. She is certainly a pro. Because JLo's press conference was delayed, our "shark sucker" strategy didn't really work out, but it's OK. Don't be late the next time, Jennifer!
Anyway, as soon as Yama-san started his speech, people began to gather around him to snap photos. Among them were photographers from AP, Reuters, and TV crew of ARTE. My wife, mother, and sister-in-law handed out postcards to everybody who showed interest. Some people who's already seen the movie asked Yama-san for handshakes. Rolling my video camera, I was enjoying the success of our strange little act. Yama-san also seemed to be enjoying the ride.
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